架電方式で1番ゲージが走る――原鉄道模型博物館に行ってきました(1/3 ページ)

横浜にある横浜三井ビルディングに、原信太郎氏が収集した鉄道模型を展示する「原鉄道模型博物館」が7月10日に開館する。そ、そんなに興味ないんだからね!

» 2012年06月21日 10時33分 公開
[作倉瑞歩,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
原信太郎氏

 原信太郎氏。“その筋”の人にはかなり有名な方である。1919年に東京・芝に生まれた原氏は、小学生の時から鉄道模型を作り始め、93歳になる現在も作り続けているという。作るだけでなく、海外の鉄道模型を収集しており、その数は約6000両。それだけではなく、世界380カ国を訪れて、残した写真は約10万枚。そしてムービーフィルムでは16ミリ、8ミリ、VTR合わせて約440時間分。鉄道関連の蔵書数もかなりの数にのぼるのだという。そんな原氏のコレクションを集めて展示する博物館が、横浜駅近くの横浜三井ビルディングにオープンする。

 ……という堅い語り口調から始めてみたのですが、正直言ってですね、当初はあまり興味がなかったんですよ。わたしも鉄道模型は好きで集めているのですが、海外モノってあまりねー、みたいな。やっぱり身近にある日本の鉄道が一番ですわ、と。この博物館に集められているのは“1番ゲージ”という規格のもの。1番ゲージとは軌道幅45ミリで作られた大型の鉄道模型。大宮にある鉄道博物館でもこのサイズのものが展示されていたりするので、見たことがある人も多いでしょう。

 そんな“ナナメ45度”な感じで内覧会に行ったんですが、やはりその、存在感あふれるスケールの鉄道模型がずらっと並んでいるのは圧巻で、次第にテンションが上がってきました。最後の1番ゲージジオラマはすごい! さすが“世界最大級”を名乗るだけありました。

 ちなみにここでは、原氏が収蔵する模型から2500両を借り受け、そのうち1000両を常設展示しているとか。広報によると、原氏のコレクションはヨーロッパのものが多いそうですが、ここで展示している車両は半数を日本の車両にし、あとはヨーロッパの車両を30%、アメリカの車両を20%という割合にして、日本のものを多く展示するようにしたそうです。博物館のフロアは大まかに4つに区切られていますので、順を追ってご紹介しましょう。

すっきりとしたエントランス

原模型の神髄を知る――「第一展示室」

 エントランスを過ぎると、まずは第一展示室となります。そこには原氏が製作した1番ゲージがずらっと並んでいます。驚くのは、原氏が小学6年生の時に初めて作ったという「一号電気機関車」。車輪まで精巧に作られているその模型は、小学生が作ったものとはとても思えません。そのほかにも箱根登山鉄道、金剛山電気鉄道といった車両が展示されています。原氏の鉄道模型作りに対する思いに触れる気がします。

第一展示室
小学6年生の時に作った一号電気機関車。作成当初からは手が加えられているそうですが、それにしてもこの完成度はびっくりです。ボディは家の屋根を修理した余り材で作られています
金剛山電気鉄道22号。台車だけでなく、車両の窓枠、ライトに至るまで精巧に作られています

中学生、つまり第2次世界大戦中の物不足の時代に作られた「自由形貨車」。ノリの空き缶や端切れ板で作ったそうですが、リベット打ち出し機を使って、リアルな再現を試みています
「或る列車」というタイトルの車両。私鉄・九州鉄道(のちに国有化。現JR九州)が購入したものの、国有化によって一度も営業運転されないまま各地に分散した車両。原氏が少年時代に品川操車場で見た車両を再現しています

オリエント急行。外観はもちろんですが、その内部まで細かく作られています

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news028.jpg 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
  2. /nl/articles/2411/19/news126.jpg 元「おニャン子」内海和子、娘・ゆりあんぬの“胃の粘膜ぶっ壊す”食事に激怒! 有名飲食店に謝罪し「出禁にして」「違う星の人そんな気がしてなりません」
  3. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  4. /nl/articles/2411/19/news083.jpg 「恐ろしい」 北海道の道路標識 → “見落としたら絶望”のとんでもない表示に衝撃走る 「普通にホラーでは?」
  5. /nl/articles/2411/18/news019.jpg 優しそうな“おかっぱ頭”の男性→プロがカットしたら…… “別人級の仕上がり”が470万再生「えっ!? って声出た」「EXILEみたい」
  6. /nl/articles/2411/19/news114.jpg 平愛梨、“夫・長友佑都選手”に眠れなくてLINE送信→“まさかの返信”に「なんやねん」「もう寝るしかない」
  7. /nl/articles/2411/18/news025.jpg “無給餌”で育てたメダカが2年後、驚きの姿に→さらに半年後…… 放置しておいたビオトープで起きた“奇跡”に「ロマンを感じる」
  8. /nl/articles/2411/18/news120.jpg 「天才が現れた!」 森永が教える“秋らしい”お菓子の作り方→たこ焼き器を使ったアイデアに「すごいすごい可愛い」
  9. /nl/articles/2411/19/news009.jpg 固い着物をリメイクしてみたら…… 生まれ変わった“まさかのアイテム”に「しゅげー!」「凄い素敵です」
  10. /nl/articles/2411/19/news062.jpg 「上げ底の先」 その名に偽りなし、高専の文化祭に出現した「限界節約ホットドッグ」が本当に限界だった
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた