思わずクリック! ノベルゲーム風の読み進めるバナー「アドスフィア」って知ってる?:東浩紀さんのゲンロンも採用(2/2 ページ)
ノベルゲームへの熱い思い
――参考にしたサービスはありますか。
笠井 美少女ゲーム業界にはバナーキャンペーンという習慣があります。メーカーがソフトの発売前にバナーを公開して、それを各自のサイトに設置すると、特典をもらえるといった仕組みです。コミュニティー的な価値観の元で成り立っていて、大元の着想はここですね。バナーキャンペーンでゲームの体験版が遊べたらアツくないですか。
――笠井さん、美少女ゲームやノベルゲームへの思い入れが深いですね。
笠井 初めてノベルゲームを体験したのは中学2年の時でした。僕はそれまでほとんど本を読んでこなかったんです。それが「Kanon」や「AIR」をプレイすることで世界が変わって、以降、文章が読めるようになったんです。ノベルゲームがなかったら、全く文字が読めなかったかもしれないので、思い入れは強いですね。
――開発過程は順調でしたか。
笠井 構想自体は、2010年の秋頃からありました。その頃は「Internet Explorer 9」(IE9)もまだなかったので、そもそも現実的なのかということも含めて検討していました。2011年の夏コミでは、ノベルスフィアのビラを配るところまで進んだんですが、一度頓挫してしまったんです。その後、開発の仕切り直しや、IE9の普及もあって、ここまでこぎつけることが出来ました。
――開発部隊の規模はどのくらいなんですか。
笠井 プログラマは3人です。実況プレイヤーのRevinさんや日本のアニメが大好きな香港在住の人に手伝ってもらっています。
プレイに20分もかかるバナー
――アドスフィアの1番乗りはアステリズムというゲーム作品なんですね。
笠井 アステリズムのスフィアバナーは、1編1分程度のものを3つ用意しています。(アステリズムを制作した)チュアブルソフトの石田真規代表は、新たなセグメントに自分たちの声を届けることに熱心で、その実験的な精神とアドスフィアが合致したという形です。
―― 一方、前述のゲンロンのバナー広告では、プレイ時間が20分に及ぶという……。
笠井 広告にしては長すぎるとは誰もが分かっていたんですが、その意識は、“ネ申感”というキーワードによってどこかへ行きました。
――プレイしたところ、ゼロ年代のカルトクイズはかなり難易度が高かったです。あと、スキップとセーブ機能がほしいと思いました。
笠井 Googleで検索しても、そう簡単には解けませんよね(笑) シナリオやクイズに関してはゲンロンさんに用意してもらいました。スキップ機能やセーブ機能は、現在実装中です。ただし、気軽にプレイすることを考えると、セーブはあまり重要ではないかもしれません。
――5種類のエンディングは見ることが出来ました。筆者はネット右翼デモENDが気に入っています。これらのほかに「船エンド」があるみたいですが……。
笠井 これは大変レアで、少し特殊な攻略が必要です。プレイ時間が長くなるのがヒントですね。何人かは実際にたどり着いていて、こちらとしても驚きました。
――ユーザーのたどった軌跡は追えるんですか。
笠井 広告サービスでもありますし、アフィリエイトシステムなどと同じように、どこでクリックしたとか、それなりに細かい情報は取れています。例えば、クイズ形式の広告を出した場合、点数をカウント出来るので「偏差値」をその場で計算することもできます。リアルタイム感では、ソーシャルゲームに近いかもしれません。
――ほかにアドスフィアの特徴は
笠井 BGMやボイスに加えて、まだ表出しする機会はないのですが、動画機能も実装しています。ノベルゲームは、ある商品を説明したり、それに興味を抱かせる仕組みとして考えても有効だと思うので、アドスフィアを通じて、この特性をもっと多くの方に活用していただきたいですね。
――依頼があってから制作まではどのくらいですか。
笠井 シナリオなどを除いた部分の実装に関しては1週間程度で可能です。もちろん、依頼があればシナリオも含めて、1から請負います。ノベルゲームというと一般的にオタクコンテンツに親和性がありますが、(例えば)町興しをする自治体さんに興味をもっていただければありがたいです(笑)
――自分たちが作りたいゲームをつくるのではなく、注文に基づいて制作するというのは面白いですね。今後の展望を聞かせてください。
笠井 ノベルゲームをもっと身近にしたいという想いがあります。バナー広告は、それを実現させる手段の1つであり、ゲリラ的にいろいろと仕掛けていきたいと思っています。今後は、ノベルスフィアも活性化させる方向です。様々な作品を自由に公開・流通させる経路を用意することで、自分で出来る人は自分でするという環境にもっていき、カオスな空気を生み出したいです。
関連記事
- 「うわっ……私の年収、低すぎ……?」のモデルを公募! →編集部でもやってみた
「うわっ……私の年収、低すぎ……?」――ネットユーザーなら1度は見たことがある、あのバナー広告のモデルが公募される。 - 「ウィキペディア創設者ジミー・ウェールズからのお願い」を猫写真に変えるChromeアドオン登場
Wikipediaの全ページに出てくる「ウィキペディア創設者ジミー・ウェールズからのお願い」バナーの顔写真を、猫に変えるChromeアドオンが登場しました。 - 「うどん県に改名しました」 香川県観光協会の特設ページがうどん推しすぎですごい
「うどん県であることを高らかに宣言します」――香川県観光協会の特設ページがこれでもかと“うどん推し”。要潤さんはうどん県副知事に就任したらしい。 - 全長1万8000ピクセル 長すぎるBMWのバナー広告
BMWのバナー広告が長い。とにかく長い。長すぎる。 - 商品バナーをつかまえて すごく動く通販サイト
老舗お菓子メーカーの通販サイトの斬新さがネット民に衝撃を与えている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
-
誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
-
プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
-
1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
-
メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
-
子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
-
巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
-
ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」