なんで虫の味もわからん奴らに合わせないかんのだ!――東京虫食いフェスが熱かった:閲覧注意(2/3 ページ)
虫食い文化の発展を願って熱いトークショーが……!
そうこうしているうちに、トークショーが始まった。それぞれ約20分の持ち時間の中、タイ・ラオスの昆虫食研究班は、現地のフォトリポートに加え、カブトムシを調味料で和える「カブトムシのたれ」の作り方を映像で紹介していく。
一方、食用昆虫科学研究会の蟲喰ロトワ氏は、今年参加してきた虫食イベントを振り返りながら、第一印象で虫を気持ち悪がる層に虫食い文化を広める苦労を嘆く。また、自身が養殖したバッタから作る「バッタ醤油」「バッタ茶」といったバッタ食の研究報告に加え、「バッタペーパー」「バッタ染め」などの工芸品についても発表していた。バッタのフンの6割は繊維のため、工芸に適しているのだという。
来場者は、もともと虫を食べる層と、興味本位でやって来た層が半々くらいだろうか。半分以上の客がトークショーを聞きながらナチュラルに蚕茶飯やバッタを食べている。ムシャムシャほおばる姿を見ていると、なんだか本当においしそうに思え、ここにいると虫を食べないほうがマイノリティーな気すらしてくる。自分がおかしいのか、この会場がおかしいのか、よく分からなくなってきたところで、ムシモアゼルギリコ氏とカベルナリア吉田氏による虫カルチャートークのコーナーが始まった。
ムシモアゼルギリコ氏 このコーナーでは、マンガやゲーム、映画などを引き合いに、“なぜ多くの人は虫を怖がるのか”について考えてみたいと思います。原因の1つとして、小さい頃にうっかり読んだ虫マンガがトラウマになっているというのがあると思うんですよ。
カベルナリア吉田氏 え、虫マンガ読む子どもってそんなに多いか?(笑)
ムシモアゼルギリコ氏 ネット上で有名なトラウママンガに「蝉を食べた少年」というのがあるのですが、今回はそれを紹介しようと、ザックリと実写化した映像を作ってきました。
ムシモアゼルギリコ氏 「蝉を食べた少年」は、いじめっこのツヨシ君が、アキラ君に無理矢理セミを食べさせたら、アキラ君がセミ人間になってしまい、最後はセミ人間のアキラ君がツヨシ君を公園に埋めて復讐に成功。めでたしめでたし、というストーリー。虫を食べたら虫人間になってしまったわけです。
カベルナリア吉田氏 こういう恐いマンガは、虫のネガティブキャンペーンになってますよね。
ムシモアゼルギリコ氏 でもね、私はこういう虫モチーフを楽しみながらも、虫食いって楽しいなって思うんですよ
カベルナリア吉田氏 今日この会場にいる皆さんは明日あたり虫人間になってるってことになりますけど……。
ムシモアゼルギリコ氏 はい、セミになるくらい一生懸命みんなでセミを食べたいなと思っています
強引にまとめるムシモアゼルギリコ氏。虫料理のおいしさについては全然分からなかったが、登壇者たちが虫食い文化の発展を心から願っていることだけはよく分かったトークショーの数々だった。
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