我ながらひどいと思います――人気主婦ブロガー「まんしゅうきつこ」さんの正体:鬼才現る(2/2 ページ)
22歳の頃は音楽制作に傾倒し、イチからデモテープを作成してレコード会社に投稿していたこともあるという多才なまんきつさん。結婚して一時は漫画家アシスタントの職から離れたが、リーマンショックで夫の仕事が傾いたため、家計を支えるべく再びアシスタントの道へ。ブログに登場する漫画家の「E先生」は、この時期お世話になった1人という。現在は夫の仕事が無事軌道に乗り、まんきつさんも主婦に戻っている。
ド級のペンネームが誕生したワケ
ブログ以外のネット歴を聞いてみると、2ちゃんねるのヘビーユーザーであることを教えてくれた。2000年の開設初期から各板を放浪し、途中は「身体・健康板」の「性病スレ」で“常駐博士”として奮闘していたらしい。最終的には「ニュース速報板」の住人(ステマ騒動以降は嫌儲民)に。2ちゃんねる発の「理系男子と話すオフ会」に参加したことなど、古参ユーザーらしく思い出話が次々に飛び出してくる。
“ニュー速”の仲間とは、Twitterでも交流していた。当時は別のハンドルネームを使っていたが、時々誘いのメッセージが届くのが面倒になり、「一体どうすれば来なくなるんだろう」と考えた末、奇名「マン臭きつ子」を名乗ることに。ド級のペンネームはこうして誕生し、今年5月にスタートしたブログでも使われることになる。始めは細々と更新するつもりだったが、Twitterを中心にすぐ話題になり、Webメディアが取り上げると一躍有名となった。
ヒットの理由は自分ではよく分からない。タイトルは我ながらヒドイと思うが、内容に格段の自信があるわけではない。本来は「何事もひっそりとやりたいタイプ」なため、一時は「催眠術にかかって静かな時代に戻りたい」とまで考えた。それでも、まんしゅうさんがファンだというミュージシャン・石川浩司さんがブログの読者だったことなどうれしいサプライズもあった。
日常生活はこれといった変化はない。プライベートでは別の顔が成立しているため、最も恐れている“ママ友バレ”も今のところ大丈夫なんだとか。一方で仕事依頼は増えており、ブログの単行本化の話も進んでいるという。ブログで広がるまんしゅうさん独自の“わんだーらんど”。来年はもっと飛躍が期待できそうだ。
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