ちょっとこの世の地獄に行ってきた(1/2 ページ)

地獄の1丁目、それは大分県の別府にあった。

» 2013年01月29日 10時13分 公開
[廣渡朝子,ITmedia]

 地獄というと何を思い浮かべるだろうか。「血の池地獄をバックに鬼が金棒を振り回す」――そんなイメージを持っている人は多いと思う。そんな光景を求めて、この世に存在するリアル地獄「別府地獄めぐり」(大分県別府市)を訪れた。

 別府地獄めぐりがあるのは温泉地・別府。高温で噴出する温泉や噴気が独特の景観を作り出し、まさに地獄のような光景が見られる、観光名所となっている。地獄めぐりは一般に、海地獄、血の池地獄など地獄組合に加入している8つの地獄をめぐることを言う。ではそれぞれの地獄絵図を見ていこう。

海地獄

advertisement

 まずは海地獄。コバルトブルーのお湯が名前の由来だ。今から約1200年前、鶴見岳の噴火によりできたという。青く見えるのは硫酸鉄のため。見た目は涼しげだが、実は98度もある。

海みたいだけど98度。泳げません
庭園もあり、源泉を利用して熱帯性の蓮を栽培。巨大な20キロまでの子どもなら乗れる大鬼蓮もある

鬼石坊主地獄

 次は名前からして怖そうな鬼石坊主地獄。灰色の熱泥が球状になって沸騰するのが坊主頭に似ていることと、鬼石という地名にちなんでそう呼ばれている。熱泥がボコボコとわいている様はまさに地獄。

advertisement
ボコボコである
噴出温度100度。これを布団にできるとはさすが鬼

 さらに鬼石坊主地獄には「鬼の高鼾(たかいびき)」というものがある。石がごろごろと転がっていて、熱々の湯気が噴き出している。高いびきと言われるのは、鶴見おろし(鶴見岳から吹き下りてくる強風)の寒さに震え上がった鬼が石の布団にくるまってうたた寝をしたからだという。こんな熱々の石の上でうたた寝ができるとは、さすが地獄の鬼と言わざるを得ない。

山地獄

 「山地獄」の由来は、山の至るところからモウモウと噴気が上がっていることにある。岩がごろごろして煙が立ち上っている様子がなんとも地獄っぽい。その一方で、温泉熱を利用して動物を飼育していることから、ゾウやカバ、フラミンゴなどちょっと地獄らしからぬ光景も見られる。ゾウやカバのエサも売っていて、動物好きにはたまらない。のほほんとカバを見ているとあっという間に時間が過ぎてしまう。地獄にいながらも、ちょっとほっこりした気分になれる場所だ。

煙モクモク
advertisement
のんびりしたゾウやカバの姿に思わずほっこり

かまど地獄

ここが地獄の1丁目

 「ここが地獄の1丁目だぜ……」というセリフを時代劇などで聞いたことはないだろうか。その地獄の1丁目がどこにあるかというと、ここ「かまど地獄」にある。それどころか6丁目まである。

 赤い熱泥の池や乳白色の池、湯の色がグリーンやブルーに変化する池などさまざまな池があるほか、タバコの煙を使った実演も見られる。地獄に向かってタバコの煙を吹きかけると、もくもくと煙が立ち上ってくる。タバコの粒子に水蒸気がくっつき、目に見える状態になるためで、雲のできる原理と同じという。

ここが地獄の2丁目。金棒持った鬼がヒャッハー
色が変わる5丁目。色が変化する原因は分からないそう
タバコの煙の実演

 さらに「地獄に仏」ならぬ「地獄に極楽」で、極楽もある。極楽は3丁目まであり、足の岩盤浴、飲む温泉のほか、湯気で手足を温めたり、のどや肌を潤したりできる。ずいぶん気の利いた地獄だ。

極楽極楽~
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/29/news087.jpg 皇后さま、服から靴まで「ロイヤルブルー」 天皇陛下のネクタイとの“おそろいコーデ”
  2. /nl/articles/2503/29/news054.jpg 「全てが完璧」 無印良品の“1990円バッグ”に称賛続出 「やっぱりこれ」「文句なし」「使い勝手抜群」
  3. /nl/articles/2503/27/news056.jpg 福袋に入ってた“定価3万円”の高級魚を大事に育てたら…… 「やりやがったな」涙する結果に「すごい」「ほんと感動」
  4. /nl/articles/2503/28/news058.jpg 「昔はかなりモテた」と話す母→ウソかと思いきや…… 100万再生された“当時の姿”に娘も驚き「なんてこった!!」【海外】
  5. /nl/articles/2503/29/news026.jpg 養子に迎えた娘を溺愛していたお父さん、その26年後には…… まさかの展開に感動の声 「泣いた」「美しすぎる」【米】
  6. /nl/articles/2503/25/news065.jpg パパに抱っこされる娘→30年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に驚き「私もお父さんが恋しくなった」【海外】
  7. /nl/articles/2503/29/news066.jpg 「この値段では考えられない」 ワークマンの新作“1900円アウター”が品切れ続出の反響ぶり 「コスパ良し!」
  8. /nl/articles/2503/29/news067.jpg 「こんな安くていいのか」 ワークマン新作“1500円パンツ”が売り切れラッシュの大人気 「何の文句もない」
  9. /nl/articles/2503/27/news039.jpg 【着物】たんすに眠っていた帯→“斜め上の発想”でリメイク 完成したアイテムに「何て素敵なんでしょ」「挑戦してみます」
  10. /nl/articles/2503/28/news169.jpg “有吉弘行も大ファン”の「伝説の女装愛好家」が死去 亡くなる2日前に「志半ばにして逝きますが燃え尽きる思い」とメッセージ
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  2. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  3. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  4. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  5. ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  6. ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  7. 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
  9. 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  10. 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に