まどマギのハンコは2時間で1000本完売 俺の嫁が銀行印になる「痛印」を作ったベンチャー企業
ハンコと言うと古臭いイメージを持たれがちだが、運営元のベンチャー企業は社員全員20代。若い世代が伝統的なハンコの世界に萌えを持ち込み新しい風を吹かせる。
自分のイラストを印鑑にできるオーダーメイドサービス「痛印堂」が、まもなく1周年を迎える。伝統的なハンコの世界に“萌え”を持ち込み、そのうえ銀行印としても使えるとあって、サービス開始当初から大きな話題となった。最近では「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」(以下まどマギ)とコラボするなど、アニメ業界からも熱い視線が注がれているようだ。
運営元のe3paper(埼玉県越谷市)は2010年創業のベンチャー企業だ。社員は3人。代表の中川貴文さんをはじめ全員が20代だ。ハンコと言うとちょっと古臭いイメージを持たれがちなので、意外に思う人は多いかもしれない。しかも以前は同人誌のダウンロード販売がメイン事業で、ハンコに詳しかったわけでもないという。それなのになぜ……? ヒットに至る経緯を聞いてみた。
実用性も◎ 値段も手頃な痛印
痛印堂は、注文時にイラストデータを送ると、その通りにハンコを彫ってくれる。もともと用意されたデザインで作ることも可能で、サイトには珈琲貴族さんなど有名絵師によるイラストが並んでいる。中川さんによると1番人気は萌えキャラ「柘植あかねちゃん」。「印鑑の精霊」という設定の同社オリジナルキャラクターだ。変わったところでは迷路のイラストを彫ってほしいという注文が来たこともあるそうだ。
と、ここまでの説明だけ聞くとよくある萌えグッズ的展開という感じなのだが、痛印堂の人気をさらに後押ししたのはその実用性だろう。イラストのそばに実名が入ったデザインで彫ってもらえば、ちゃんと銀行印として使える。しかも丸印なら1380円からと値段もお手頃だ。痛印で口座開設なんてちょっと気恥ずかしいが、普通のハンコは物足りないしこれくらいの価格で作れるなら“俺の嫁”で試してみようか……と思えてくる。
同人誌のダウンロード販売からの転身
中川さんは大学卒業後、広告代理店に就職し、そこを辞めた後に同社を起業した。はじめはWeb制作や映像制作、同人誌のダウンロード販売などの事業がメインで、漫画作成ソフト「コミPo!」の素材を販売していたこともある。痛印堂は、知り合いの印鑑メーカーから「コミPo!のグッズを作ろう」という話を持ちかけられたことがきっかけだ。
当初はタオルなどのグッズを販売することを想定していたが、途中から「コミPo!以外のイラストでもできないか」「どうせならハンコにイラストを彫るのはどうか」とアイデアが広がっていき、サービスの原型ができ上がった。「ハンコはファッションなどの流行りモノと違って、在庫がたまらない」「人手もそれほど必要ない」と事業のリスクが低いところも参入の決め手となったという。
サービスは昨年6月にスタート。協力してくれた絵師の知名度に引っ張られる形で、痛印堂の話題はすぐネットで広まり、注文が殺到した。反響が大きすぎて対応しきれず、ほかの事業との両立が難しくなるほどだったという。そこで中川さんは痛印堂の事業1本に絞ることを決意。社内に彫刻機械やスタンプ製造機を導入し、制作工房を設けた。さらに数社の印鑑メーカーとも手を組み、展開している。
この1年間で痛印堂はどれほどのハンコを売り上げたのか。詳細な数字は非公開とのことだが、前述の印鑑メーカーが「初年度でこれはありえない」と舌を巻くほどだったという。珈琲貴族さんとコラボして販売した50本限定の「至高の痛印セット」(1万2500円)は20分で完売し、オークションで6万円に高騰。まどマギのコラボ印鑑は1000本が2時間で売り切れた。
さまざまなキャラクターとのコラボの依頼も次々に舞い込んでいる。ここでは名前を出すことができないが、決定しているものはどれも有名なキャラクターばかりで、まどマギに続き話題になりそうな予感だ。今後は海外展開も検討している。実際に米国とオーストラリアから注文があり、試験的に販売したこともあるのだ。印鑑文化のない海外でもビジネスとして成功できるのか? 今後の展開に注目したい。
関連記事
- 「バーチャルでリア充を」「うちの嫁」――岩手県知事のツイートが淡々とオタクで面白い
「乙」とか「だめぽ」とか日常会話で使うらしい。 - ニコニコ超会議2:民主党が萌えアニメの主人公に!? 「ポリティカルクエスト」プロジェクト始動
有志が手弁当で永田町・霞ヶ関の実情をアニメ化するプロジェクトを進めている。 - 西又葵さんが駅弁パッケージ描く 秋田駅で「うご牛焼肉弁当」発売
おなじみの美少女イラストです。 - 沿岸バスが「絶景領域・萌えっ子ラッピングバス」運行 車体にスク水っ子
試される大地。 - セーラー服の“原点”とは:実はアイドルグループの一員だった! 話題沸騰中の「セーラー服おじさん」に会ってきた
ここ最近、新宿や池袋を中心に、目撃情報が相次ぐ「セーラー服を着た白髪のおじさん」。どんな人物なのか確かめるべく、ご本人を直撃してきた。 - 世界よ、これが萌えおこしだ! 企業・公共団体の萌えキャラまとめ動画がすごい
\(^o^)/ - 日立のサーバー、妖精に萌やされる 「サーバーフェアリー シン&しん」公開中
日立、なぜ萌えた! - とあるクリエイターが編集者に絵を指導 純朴「お便りコーナー」画風が凶暴な「萌えの権化」と化す
全然ちがう人の絵じゃないですか! ヤダーーー! - 徳島の自衛隊募集ポスター、今年はキリッとした女性自衛官に萌え
自衛隊徳島地方協力本部の自衛官募集のポスターの新作は「仕事中の女性自衛官の格好よさをイメージした」イラストになっている。 - 焼津の逆張り系萌えキャラ、絵師の心をつかみ創作スパイラル突入 そのとき「いま萌え」は
焼津の潮風とともにやってきた萌えない萌え系キャラ(名称募集中)に全国の絵師が奮起。そのとき、同類の登場を察知した「いまいち萌えない娘」は……。 - 僕の痛印で契約してよ! 「魔法少女まどか☆マギカ」とコラボしたハンコが登場
実際に銀行印として利用できます。 - ハンコが萌える! 自分のイラストを彫ってもらえる「痛印」が話題に 銀行印にもOK
萌えと実用性を兼ね備えてます。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
-
チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
-
大谷翔平の妻・真美子さん妊娠→現役時代に語っていた「将来の夢」に感動の声 「なんか泣けてくる」
-
母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
-
「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
-
子どもがお店で“高額おもちゃ”を欲しがる→通りすがりの“五輪選手がまさかの理由”でプレゼント 「すごすぎる話」「今年一番感動」
-
大谷翔平と妻・真美子さん“家族ショット”に210万いいね 「素敵な1枚」「幸せな家族写真!」【“大谷家”の新たな一歩】
-
「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
-
ヤクルトが“投げ売り状態”かと思ったら…… 「大勘違い」引き起こしかねない光景に「さすがに飲めない」
-
毛糸で“お花をぷくぷく”編んでいくと…… 思わず笑顔になるアイテム完成に「なんて美しい」「母に編んであげよう」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
- 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
- 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
- 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
- “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
- 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
- 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
- トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
- “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」