ニュース
» 2013年07月10日 08時46分 公開

手書き背景美術へのこだわり 背景会社studio Pabloインタビューvol.2

アニメの背景画を手がけるスタジオパブロに、手描きならではのこだわりについて聞いた。

[Tokyo Otaku Mode]
tokyoOtakuMode

 「聖闘士星矢Ω」(Saint SeiyaΩ)やアニメ映画「ブッダ」(Buddha)などで背景美術を手がけるスタジオパブロの方にお話を伺っている。前回は、背景美術ならではの工夫や作業手順について教えていただいた。日本で約70社ある背景会社のうち、手描き作業をメインとしているのはおよそ10社。今回は、その手描きならではのこだわりについて聞いてみよう。

Q. 背景美術ってアニメ作品にとってとても重要な役割を果たしていますけど、見逃しがちですよね。それでもあえて、手描きにこだわる理由は何なんでしょうか。

 背景制作の主流はデジタル作画ですがSTUDIO PABLOでは手描き背景をメインにしています。単純な理由ですが、手描き背景が好きだからです。過去には手描きにこだわらずデジタルだけで描いたり、3Dをつかって作画したりしてみたことはあるのですが、どうも自分には向いていないように思いました。デジタルでの色補正は便利なのでつかっていますが、手描きの感じを狙ったデジタル使用には疑問を感じます。デジタルでしか表現できない世界を描いているときは楽しいと思いますけども……。

Q. 見ているときに空気感の違いを感じますが。

 マニアックな話になりますが、情報量が全く違うと思います。 普通に考えるとコピーペーストができるデジタルの方が情報量が多いと思われていますが、これは複数の対象物を配置する場合です。単体の対象物を描くなら情報量は手描きの方があると考えています。  

 例えば壁のグラデーションを手描きとデジタル描きで比較してみましょう。上がった背景画をドット単位で見比べてみると違いがあきらかです。手描き画の拡大ではドット単位で色が違います。手描きでは隣り合うドットの色は異なりますがデジタル画の拡大ではドット単位の色の違いはほぼありません。均一に塗られる為少しずつ色は変化しますが隣り合うドット同士の色はほぼ同じです。手描き画の方がドットが多様といえると思います。

 普段目にしている光景にはチリやほこりなど「ノイズ」が混ざっています。このノイズはデジタル画面上でのドットに相当していてドットの多様さが空気感として感じられるのかなと思います。すごいなと思うのは人間の眼がこの違いを無意識に認識できるところです。デジタル画のグラデーションと手描きのグラデーションを比較してどちらが普段目にしている景色に近いかを無意識に判断できているわけですから。ちなみにデジタル画でもノイズを混ぜてこのドット単位の差を出す手法がありますが不思議なことにやはり均一感から抜け出せない印象があります。

Q. アニメの背景ならではの工夫ってあるんでしょうか。

 お話しの中での背景の役割があると思いますので、そのシーンで必要な雰囲気を出す為の工夫はします。例えば「デザインが同じベッドがある部屋」を描く場合でも男の子の部屋と女の子の部屋では影の色を変えたりします。男の子は元気にはっきりとしたメリハリのある影色をつかいますが、女の子はかわいらしく色を使った影色を使用します。他にも悲しいシーンなら部屋の色彩から彩度を抜いたり暗くしたり、楽しいシーンなら逆に彩度をあげたり色数を増やす工夫をします。求めらる雰囲気にあわせた色使いやタッチを描き分けるようにしています。この狙いがうまくいったときはとても嬉しいです。

 「確かに空間はあるんだけど、違和感がある」手描きに対するこだわりについて、声を弾ませながら話してくれる様子は非常に生き生きとしている。見る人の印象をがらりと変えてしまう、独特の暖かみがある手描きの背景美術。みなさんもぜひ一度、意識しながら見てみてほしい。

英文:The Obsession with Hand-Drawn Background Art: Interview with Background Company Studio Pablo Vol. 2

© Tokyo Otaku Mode Inc.

昨日の総合アクセスTOP10

先週の総合アクセスTOP10

  1. 勝手に「サービス終了ゲーム総選挙」をやったら6700票も集まってしまったので結果を発表します 2位の「ディバインゲート」を抑えて1位に輝いたのは……
  2. ママとの散歩中、田んぼにポチャンした柴犬さんが帰宅後…… パパに一生懸命アクシデントを報告する姿がいとおしい
  3. “26歳年の差婚”の菊池瑠々、第4子妊娠を発表「もう、とにかくうれしいです!」 年上の夫も満面の笑み
  4. 桐谷美玲、隠し撮りに「絶対ヤバい顔」 “ほぼ半目”な不意打ち写真に「100点満点に可愛い」と全力フォローの声
  5. 村田充、3匹目の愛犬の存在明かす 神田沙也加さんから引き取ったブルーザーとは「数日で仲良くなりまして」
  6. 三浦孝太、母・りさ子誕生日に“家族4ショット”でお祝い キングカズも笑顔の写真に「家族が1番!」
  7. バレー日本代表の清水邦広の再婚に盟友・福澤達哉さん「相手は私ではございません」 元妻は中島美嘉
  8. 「駅の待合室をバケモンが占領している」→“謎の生き物”の正体について大分県立美術館に話を聞いた
  9. 滝沢カレン、倖田來未の“バックダンサー”になりすまし 感極まって「人一人洗えるくらい泣きました」
  10. 宮崎駿愛用の「電動消しゴム」が故障 → サクラクレパス公式が倉庫の奥から発掘 Twitterが繋いだ温かな展開が話題に

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「どん兵衛」新CMに星野源が復活も衝撃の新展開 “どんぎつね”吉岡里帆の正体明かされ「完全なホラー案件」「狂気を感じる」
  2. ハラミちゃん、“公称145センチ”も本当の身長にゴチメンバー驚き 「デカイっていわれるのが嫌になっちゃって……」
  3. 西川史子、退院を報告 「生きていて良かったと思っていない」と告白も、力強い現在の心境明かす「私は医師です」
  4. 「もうアヒル口」「美人確定ですね!」 板野友美、生後2カ月娘の“顔出しショット”にみんなメロメロ
  5. 「気ぃ狂いそう」 木下優樹菜、生配信中止で“涙のおわび動画” やらかしたスタッフに「生きてたらミスぐらいする」
  6. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  7. 「こんな普通に現れるの?!」「バレそうで心配」 倖田來未、駅のホームに“普通に並ぶ”姿にファン驚き
  8. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」「どストレートに餅で笑った」と称賛集まる
  9. 第1子妊娠のすみれ、母・松原千明と2年ぶりに涙の再会 「やっとママに会えました」と感動的な親子ショット公開
  10. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」