LINEがニュースアプリ公開 変化球なしの王道的サービスで「ナンバーワン目指す」:ざっくり読めて小5でも分かる
Yahoo!ニュースなど強豪が多いニュースサービス。スマホ向けでざっくり読めるLINE NEWSはその牙城を崩せるか。
LINEは7月18日、ニュースアプリ「LINE NEWS」(無料)を公開した。livedoor ニュースとNAVERまとめのノウハウを生かし「総合」「エンタメ」など5ジャンルで1日合計100本近いニュースを配信する。主にスマートフォン(iPhone/Android)向けを意識したサービスだが、スタート時からWebブラウザ版も用意し、PCやタブレットからの閲覧にも対応している。
新聞や雑誌など様々な媒体の記事を掲載しているYahoo!ニュースと異なり、LINE NEWSは他媒体から記事提供を受けていない。記事面に載っているのは「LINE編集部」という専門チームが書いたニュースの要約文で、さらに詳細を知りたいときは各種リンク先へどうぞ――というスタンス。スマホだからこそ「短時間でざっくり分かる」を目指している。
PC向けニュースサイトのジャンルでは長らくYahoo!ニュースが圧倒的なアクセス数でナンバーワンに君臨し、ほかは中身や機能でエッジを効かせるなど2番手戦略を取ることが多かった。一方でスマホ向けのサービスに目を向けるとまだ絶対的な王者はいないと同社は見る。この空白をLINE NEWSは変化球なしの「王道的サービス」で攻めるという。
シンプルかつオーソドックス 小5でも分かるニュースを
LINE NEWSの記事面は、ニュースのタイトル、要約文、写真、他媒体の詳細記事や補足情報へのリンクといった構成になっている。タイトルと要約文はLINE編集部が考えたオリジナルのもので、リンク先の記事の冒頭が表示されているわけではない。写真だけはゲッティイメージズなどLINE NEWSが契約している他社から提供されている。
ニュースの詳細を知りたい場合は、リンクをタップすればアプリ内ブラウザで閲覧可能。ほかのニュースに移りたいときは記事面を縦にスクロールすると、目次に戻ることなく似たジャンルのニュースを次々に読める仕組みになっている。閲覧済みのニュースに続報が入るとプッシュで知らせる機能も備えた。
LINE編集部は、LINE NEWSのために立ち上げた専門チーム。同社のlivedoor ニュースやNAVERまとめの担当者の中から約20人を集め、毎日更新する。彼らが考えるタイトルや要約文は、小学5年生でも分かるレベルを意識していて、優しく感じてもらえるよう、あえてです・ます調を取り入れている。
「置いてきぼりの人を作らない」と同社の島村武志執行役員は語る。ニュースのジャンルは「総合」「エンタメ」「トレンド」「スポーツ」「時事」の5つのみ。ITなどネットユーザーが好みそうな話題を目立たせることもなければ、国内・海外・地域といった区分けもなく、かなりシンプルでオーソドックスだ。
勝ちたくても勝てなかったYahoo!ニュースにチャレンジする理由
同社は、メッセージアプリのLINEをスマホの入り口(ポータル)として、連携サービス・アプリを展開するプラットフォーム戦略を進めてきた。ゲームやマンガ、天気予報などLINEブランドのアプリが続々と登場しているが「やはりポータルとして求められるもの、そのド本命はニュース」と島村執行役員は語る。
「これまでニュースというとYahoo!に勝ちたくても勝てない。2番手戦略をやるしかなかった。(同社が運営する)NAVERにニュースサービスがないのも大本命に勝てないという判断からだ。でもLINEができて、国内で4500万人に使ってもらって、今なら変化球なし、ド本命の王道を狙えるんじゃないか」(島村執行役員)
スマホの時代にならないとチャレンジできなかったというLINE NEWS。まずはLINEの日本ユーザーに使ってもらい、ニュースサービスのナンバーワンを目指す。
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