村上春樹さんがヤクルトファンクラブの名誉会員に 「球場に行こう」とエッセイつづる
タイトルは「球場に行って、ホーム・チームを応援しよう」。野球を見るようになったきっかけなどを語っています。
小説家の村上春樹さんが、東京ヤクルトスワローズのファンクラブ「Swallows CREW」の名誉会員に就任しました。就任にあたってエッセイを寄稿しており、同球団のサイトで読むことができます。
タイトルは「球場に行って、ホーム・チームを応援しよう」。村上さんといえば、デビュー作「風の歌を聴け」の執筆理由が、29歳のとき、昼さがりの神宮球場で寝ころんで野球観戦をしていたら「ふと思いたった」というのは有名な話です。今回のエッセイでは、村上さんが野球を見るようになったきっかけから、デビューまでの観戦歴、そして球場で試合を見るのが好きな理由について記しています。
村上さんは、野球を見る際には自分なりのルールみたいなものを決めているそうです。それは、「できるだけ球場に足を運んで試合を見る」「その球場のホーム・チームを応援する」「強いときも弱いときも、同じように応援する」の3つ。さらに18歳で東京に出てからは暇があれば神宮球場で「サンケイ・アトムズ(現ヤクルト)」を応援していました。1968年当時、アトムズは冗談抜きで弱く、よく負けていたとか。それでも、ビールを飲みながら観戦していれば、それはそれでけっこう幸福で、「まぁ人生、負けることに慣れておくのも大事だから」と諦観していたそうです。
翌69年に経営がヤクルト食品に移り、監督も交代。そこから78年の初優勝まで、思い出を振り返っています。この78年は、村上さんが29歳にして初めて小説(風の歌を聴け)を書き上げた年でもあるため、「ちょっとした縁のようなものを感じないではありません」とつづっています。そして最後に、球場に足を運ぶ理由を述べているのですが、とても名文なので是非公式サイトで確認してみてください。
なお、現在の東京ヤクルトスワローズの成績は単独最下位。主砲・バレンティンは28試合を残して52本塁打を放ち、王貞治さんの大記録55本(1964年)に肉薄するも、チームとしてはやや厳しい状況に置かれています。そんな時に、村上さんのスタンス「強いときも弱いときも、同じように応援する」は、参考になりそうです。
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