アニメーションは「世界の秘密をのぞき見る」仕事――宮崎監督が語った、引退、ジブリのこれから、作品への思い(2/3 ページ)
ジブリの今後、宮崎監督のこれまでについて
鈴木 今後のジブリについては、今ジブリにいる人達の問題でもある。その人達がどう考えるかによって決まると思う。
宮崎 ジブリの今後については、やっと上の重しがなくなるんだから、「こういうものをやらせろ」という声が上がって、若いスタッフが鈴木さんを口説くことを願っている。本当に。それがないようじゃ、鈴木さんが何をやってもダメ。僕らは30、40のとき、やっていいんだったら何でもやるぞと企画を出してきた。それを持っているかどうかにかかっている。鈴木さんはそういったものを門前払いする人ではない。
――これまで振り返ってつらかったこと、よかったこと
宮崎 つらかったのはスケジュール。どの作品も。僕は終わりまで筋道が分かっている作品は作ったことがない。話が収まる見通しがなく作ってきた。つらかったとしか言いようがない。最後まで見通せる作品は僕がやらなくていいと思っていた。
監督になって良かったと思ったことは一度もない。 アニメーターになってよかったと思うことはある。うまく風が描けた、うまく水の処理ができた、そういうことで2、3日幸せになれる。監督というのは、最後に判決を待たなきゃいけない。
――それでも監督やったのはなぜ
宮崎 はじめから監督・演出をやろうと思った人間では全くない。自分は映像をやればいいと思っていたが、ある日時期が来て演出をやらされ、途方にくれた。高畑監督に助けてもらったこともあった。その戸惑いは風立ちぬまで引きずってやってきた。映画の演出をやろうと思ってやってきたパクさん(高畑監督)の修行と、絵が描ければいいと思っていた自分の修行は、全然違うものだった。とんちんかんなこともたくさんしたと思うが、鈴木さんがずいぶん補佐をしてくれた。そういうチーム、腐れ縁があったからこそ、やってこれた。
――ジブリ立ち上げ時と今とで、社会はどう変わったと思うか
宮崎 ジブリを作った頃は、日本は浮かれ騒いでいた。経済大国になり、ジャパンイズナンバーワンなどと言われていた。それについて僕は頭にきていた。でなければ、ナウシカなんか作らない。ナウシカやラピュタやトトロは、「経済はにぎやかだけど、心の方はどうだ」と作ってきた。しかしその後、ソ連が崩壊し、バブルも弾けて、もう戦争は起こらないと思っていたユーゴスラビアが内戦状態になるなど、歴史が動き始めた。
いままでの作品の延長線上では作れないという時がきた。その時に僕は豚、高畑監督は狸を主人公にしたりして切り抜けた。たぶんそうだと思う。
それから長い下降期に入った。ぼくらのスタジオは経済の頂点の時期にイメージができた。もののけ姫を作ったり、いろいろやってきたが、ずるずる下がりながら「どこへ行くんだろう」とやってきた。ずるずるが長くなりすぎると、ナウシカのころに築いた世界観が持ちこたえられなくなって、ボロっといってしまうような所まで来ているようにも思う。抽象的な言い方で申し訳ないが。
ずるずる落ちていくときに、友人、若いスタッフ、幼稚園の子供たちを見て、きちんと生きなければというのが、自分というものだと思っている。
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