艦これ艦娘“戦歴的”プロフィール「弥生」編仲がいいのは夕張睦月そして磯風

睦月型の三女は長女と一緒にガダルカナルに突入したのであった……。

» 2014年02月03日 12時41分 公開
[長浜和也,ねとらぼ]

いろんな意味で無理してがんばりました

 駆逐艦「弥生」は、睦月(むつき)型3番艦にして1926年8月28日浦賀船渠(せんきょ)の生まれ。生まれたばかりの名前は「第23号駆逐艦」だった。峯風(みねかぜ)型神風型に続く大正時代に建造整備した駆逐艦シリーズの最終型として登場し、従来型とほぼ同じサイズと形の船体に、61センチ3連装魚雷発射管2基を世界で初めて駆逐艦に搭載した。

「艦これ」の弥生

 ……ただし、61センチ魚雷の運用は当時計画を進めていた大型の「特型」(吹雪型)駆逐艦を想定しており、睦月型への搭載はけっこう「無理やり」に近かった(重さはそれまでの53センチ3連装発射管の5.6トンから13.65トンと2.5倍にも達していた)。そのため、後に安定性改善(造船的にいうと復元性の回復)を行い、その結果速力が新造時の約37ノットから約33ノットに低下してしまう。

 なお弥生は睦月型姉妹の「長月」と同様、当時駆逐艦が搭載していたタービンが故障続発していた原因調査に関連して、比較対照実験のために、ほかの姉妹の「艦本(艦政本部)式ギアードタービン」ではなく、外国メーカーの技術を導入したタービン(弥生が搭載したのはヴィッカース製タービン)を採用していた。

 日中戦争では「鳳翔」「龍驤(りゅうじょう)」の第一航空戦隊の護衛戦力として睦月型12姉妹と軽巡「夕張」とともに参戦。太平洋戦争開戦当時も、睦月型姉妹「睦月」「如月(きさらぎ)」、そして「望月」とともに第30駆逐隊を編成して、第6水雷戦隊に所属していた。第6水雷戦隊旗艦も夕張だった。

 弥生は開戦とともに第6水雷戦隊の仲間とウェーク島攻略作戦に参加したが、波浪が激しい海況で上陸部隊の揚陸に手間取っているうちに、沿岸砲と存在を予想していなかったF4Fワイルドキャット戦闘機(わずか4機)の反撃にあい、「如月」姉さんが沈没するなど、作戦に失敗して退却している。その後ウェーク島攻略は第2航空戦隊「蒼龍」「飛龍」の増援を得てなんとか成功させている。

 弥生は、その後も第30駆逐隊の姉妹とともに、ラバウル攻略、ブーゲンビル島攻略、そして、珊瑚海海戦が起きたポートモレスビー攻略などなど、ソロモン海域で輸送船団護衛任務に従事する。ミッドウェー海戦に参加しなかった弥生たち第30駆逐隊は、1942年8月からのガダルカナル作戦でも第二次ソロモン海戦に輸送船団護衛として参加した。弥生は、睦月姉さんと「陽炎(かげろう)」「磯風」「江風(かわかぜ)」とともに日本海軍として初めてヘンダーソン飛行場を艦砲射撃する。しかし、睦月姉さんと輸送船は敵航空機の爆撃で沈没。生存者を弥生が収容している。

 弥生は、9月にガダルカナル戦域からニューギニア戦域に移って、こちらでも陸上部隊への輸送任務を行ったが、9月11日に敵航空部隊の空襲を受けて沈没した。

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