将棋電王戦、出場ソフトにバグ修正の“特例”認める 「棋士に失礼」「興ざめ」と非難の声も

佐藤紳哉六段と「やねうら王」開発者が出演する予告PVも“炎上”する騒ぎに。

» 2014年03月16日 01時43分 公開
[ねとらぼ]

 ドワンゴは3月15日、22日に開催する「第3回 将棋電王戦」第2局で佐藤紳哉六段と対戦する将棋ソフト「やねうら王」について、「バグ修正」を行なった新バージョンを使用すると発表した。「やねうら王」開発者の磯崎元洋さんも自身のブログで経緯を説明している。

 今回の電王戦の規定では、プロ棋士側に本番と同じソフトおよびハードで事前に練習対局ができる環境が用意されている。ソフトを入れ替えれば、そのぶん研究時間が短くなり棋士にとっては不利な状況となる。その上、改訂版のやねうら王は以前より棋力が向上してしまった可能性が高いという。そのためこの決定に対し、ネットでは非難の声が上がっている。

 ドワンゴは「予期せぬソフトのフリーズでイベントが中断することは望ましくない」として、佐藤六段、日本将棋連盟と検討した結果、ソフト入れ替えを決めたと説明している。

画像

公式PVも炎上……

 ドワンゴの発表や磯崎さんのブログによると、当初佐藤六段に貸し出された「やねうら王」は「ある局面でフリーズしてしまう」「角とか飛車をタダで(無条件に)捨てる」などのバグがあり「動作が非常に不安定」だった。そのため開発者側がバグ修正を要望したという。

 ドワンゴは「棋力や指し手に影響を与える思考部には手を加えない」ことを条件に動作を安定させるための修正を承諾し、ソフトの入れ替えを行なった。ところが「修正されたソフトの指し手は以前とは別物であり、かなり強くなっている」と佐藤六段が指摘。開発者に確認したところ、修正した複数のバグの中に棋力に影響するバグがあり、「棋力が向上してしまった可能性が高い」ことが分かった。

 15日に公開された第2局の公式予告PVでもこの件に触れており(6分過ぎから)、佐藤六段はルール違反となるソフト入れ替えについて「開発者は最低の人だと思います」などと強く批判。一方、磯崎さんは「勝ちたいという意図はない」などと釈明する内容となっている。これを見たネットユーザーからは「棋士に失礼だ」「興ざめ」「プロレスなの?」「演出だとしてもひどい」といった反応が寄せられた。

 磯崎さんはPVの内容についてブログで「『ひどい悪意のある編集だなぁ』と思う一方、今回の件で佐藤紳哉六段や関係者の皆様にご迷惑をおかけしていることは事実であり、どう編集されていようと、そこはすべて受け入れる所存」とコメントしており、PVの内容がどこまで“演出”なのかは不明だ。

 一方、今回の電王戦の第5局に登場する将棋ソフト「Ponanza」の開発者・山本一成さんはTwitterで「やねうら王さんは悪意をもってレギュレーション違反をしていると思います。私はやねうら王の失格を望みます」などと書き込んでいる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/06/news012.jpg 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  2. /nl/articles/2502/08/news008.jpg 「本当にこれでいいの?」 親子の“価値観の違い”で対立も…… 100万箱以上売れた「家庭科のドラゴン」、人気再燃の理由
  3. /nl/articles/2502/08/news087.jpg 木村拓哉がタイプロで「弁当」差し入れ→“衝撃の価格帯”に騒然 「ぶったまげた」「庶民には買えない」
  4. /nl/articles/2502/08/news038.jpg スーパーで買ったちりめんじゃこをよく見たら…… 紛れていた“まさかの生き物”が2000万表示「これは当たり!」
  5. /nl/articles/2502/07/news132.jpg 「いまこんななの?!」ディズニーリゾート内の商業施設、“ゴーストタウン化”に衝撃の声 改装前の閉店ラッシュに「寂しい」
  6. /nl/articles/2502/08/news091.jpg 北海道の“雪のヤバさ”が伝わる写真に460万表示の反響 衝撃的な光景に「何かの冗談でしょ?」「見たことない景色」
  7. /nl/articles/2502/07/news135.jpg 「なんだこの暗号は……」 マクドナルドの“大人だけが読めるメッセージ”が410万表示「懐かしい〜」「読める人同世代w」
  8. /nl/articles/2502/08/news016.jpg 「味見したら止まらなくて危険」 “何度も作ってしまう”簡単サラダが間違いない! 「思う存分作って食べます」と95万再生
  9. /nl/articles/2502/08/news015.jpg パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  10. /nl/articles/2502/06/news004.jpg 14歳のとき、親友の兄と付き合うことになった女性→13年後…… “まさかの結末”に「韓国ドラマみたい」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議