ニュース
» 2014年04月09日 13時02分 公開

日本は「まったくベクトル違う」 Oculus Riftなぜ“日本優先出荷”に? 創業者が語った「日本ヤバイ」の理由

他の国に比べ、日本のOculus Rift購入者には「ある特徴」があったそう。

[松岡洋,ねとらぼ]

Oculus Rift「新型は日本優先出荷」を明言

 ねとらぼでもたびたび紹介しているVR(バーチャルリアリティ)ヘッドセット「Oculus Rift」。その次世代型にあたる「DK2(開発キット2)」が日本でお披露目され、Oculus VR創業者・Palmer Luckey氏が「DK2は日本に優先的に出荷する」と語った。

 Oculus Riftは開発者向けの「DK1」がすでに6万セット出荷され、より高性能なDK2が今年の7月に発売される予定。すでに大量の注文が世界中から殺到しており、日本からも約3000セットの注文が来ているが、Palmer氏によると、特に「日本に優先的に出荷する」という。4月7日〜8日に行われた、Unityの開発者セミナー「Unite Japan 2014」の基調講演での出来事で、Palmer氏が優先出荷を発表すると会場はたちまち割れんばかりの歓声に包まれた。


画像 Oculus VR創業者のPalmer Luckey氏


圧倒的だったアプリ公開数

 なぜOculus VRは日本をこれほどまでに優遇するのか。その最大の理由は、日本に根付いている「同人創作活動」にあった。

 ねとらぼでもこれまでミクさんと握手できる「MikuMikuAkushu」や、添い寝ができる「MikuMikuSoine」などのアプリを紹介してきた。Oculus VRでは世界中から日々公開されるOculus Riftのアプリを観察しており、その中でも日本のアプリがひときわ目立っていたこと、さらに日本からのOculus Riftの注文が日を追うごとに増えていたことに注目していたそうだ。


画像 日本市場の特異性について語るPalmer氏

 一方、そんなこととはつゆ知らず、日本からOculus Riftを注文した人たちの間では1つの噂が飛び交っていた。「注文したらすぐ届いたんだけど、これって日本からの注文は最優先で送ってきてない?」「うちもすぐ届いたので驚いた」

 Palmer氏に直接取材したところ、日本以外の国では、Oculus Riftを購入したユーザーはOculus側が用意したデモアプリを動かしてそれで終わりというのがほとんどで、実際にアプリを開発することはまれだったという。これに対し、日本では最終的に3000から5000セット出荷された(注文経路が様々なため把握している概数)のに対し、現在までに数百本ものアプリを公開。この実績から「日本がもっとも有望な開発者のコミュニティである」と評価、最優先で出荷していたというわけだ。



主婦もOculus開発を楽しんでいる――世界よ、これが日本だ

 そんな日本の開発コミュニティを象徴しているのが、以前紹介した「主婦ゆに」だ(紹介記事)。これまでPCすらほとんど使っていなかったという“主婦”が、Twitterでさまざまな人からアドバイスをもらいながら、わずか数カ月でOculus Riftの開発をマスターした。この日“主婦”さんは師匠の@GOROman氏とともに登壇し、OculusRiftを体験した“主婦さんのお母様”のお礼の言葉をPalmer氏に伝えていた。


画像画像 ただの主婦がなぜかOculusアプリ開発を作ってしまった「主婦ゆに」のセッション

画像画像 「こんなに楽しいものができるまで長生きできてよかったわ!」と“お母様”

画像画像 Palmer氏の襟元に見覚えのあるものが! 実はPalmer氏は初音ミクの大ファンで、ミクさんのTシャツを着ていたのだ

 UnityのCEO・David Helgason氏とPalmer氏の共同記者会見では、両氏とも日本のユーザーのクリエイティブ能力に注目しており、この国から生み出されるものに期待している様子がうかがえた。

 Palmer氏は基調講演で、日本の開発者コミュニティが生み出す作品を「まったくベクトルの違う」ものと言及していたが、こんなの(下の吉田早希さんの写真参照)見たらそりゃあ思うよね。


画像 Palmer氏と肩を組む、UnityのCEO・David Helgason氏

画像画像 たまたま遊びに来ていた「グラドル自画撮り部副部長」の吉田早希さん。会場では乗馬体験ソフトにまたがったり、MikuMikuSoineを楽しんだりしていた。これが日本のVRシーンの最先端だ!

 ちなみにPalmer氏は、アニメ「ソードアート・オンライン」の大ファンなのだそう。理由はVR(バーチャルリアリティ)が物語のキーデバイスになっているから。彼女が日本のアニメの大ファンで、さまざまなアニメを一緒に見ているそうだ。

 二次元の彼女と握手したり添い寝したりと日本の創作活動は妄想が原動力になっており、Oculusの新型が日本に届けばさらに妄想が加速するのは間違いないだろう。「世界よ、これが日本だ」と。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/01/news121.jpg “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  2. /nl/articles/2312/01/news138.jpg 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  3. /nl/articles/2312/01/news115.jpg 「心底惚れて」「毎日うっとり」 宮里藍、新たな愛車を公開→国産車のチョイスに反響「庶民的」「きれいな色」
  4. /nl/articles/2311/30/news047.jpg 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  5. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. /nl/articles/2312/01/news065.jpg 「惨めな人生を送ってる」 パリス・ヒルトン、0歳息子の容姿揶揄をまたもバッサリ “頭が大きい”と受診勧めた人々振り返り「気の毒」
  7. /nl/articles/2312/01/news014.jpg ワンコ大好きなインコに“恋がたき”登場で174万再生! まさかの展開に困惑するワンコに「爆笑w」「ダブルだw」
  8. /nl/articles/2312/01/news019.jpg 寝込んだママが心配でたまらない元保護犬と小学生息子 それぞれが見せるけなげな姿に「泣けてきた」「なんて優しい子!」
  9. /nl/articles/2311/30/news031.jpg シロフクロウが自分とそっくりのぬいぐるみをくわえ…… 自慢げな表情に「本物の赤ちゃんかと」「ヘドウィグが!」と453万再生
  10. /nl/articles/2312/01/news105.jpg 俳優の井川瑠音さんが31歳で逝去 体調不良から復帰ならず、最後の投稿では「忘れられないようまだまだ精進」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」