真っ黒だけど焦げてないよ! 鹿児島・黒ブタの珍料理“黒いとんかつ”食べてきた

黒にこだわりすぎな鹿児島の黒豚料理専門店「黒福多(くろぶた)」で、黒豚の黒いとんかつを食べてきた。

» 2014年05月09日 09時00分 公開
[黒木 貴啓,ねとらぼ]

 黒豚のしゃぶしゃぶ、黒豚のとんかつ、黒豚ぎょうざ……鹿児島県には名産・黒豚を使った料理が数多く存在する。中でも珍しいのが黒豚料理専門店「黒福多(くろぶた)」の“黒いとんかつ”。黒豚のロースやヒレを黒い衣で揚げたもので、まるで黒焦げにしてしまったような見た目のとんかつだ。


画像 く、黒い……

 お店で「黒豚黒カツヒレ定食」を頼んだら、確かに衣が真っ黒けっけ。何も知らずに食卓に出されたら揚げるのに失敗したかと眉をひそめたことだろう。もちろん真っ黒なのは衣だけで、切断面からのぞくお肉はしっかりジューシーで一安心。ただし黒い衣のおかげで、おせじにもおいしそうとは言えない。


画像 後ろからだと切断面も見えず、この黒さである

画像 火は十分通っている

画像 いただきます(苦くないよな……)

 ほお張ると、焦げた味はせず黒豚の旨味がじゅわっと口の中に広がる。噛めば噛むほど甘くておいしい。とんかつは揚げる前からすでに黒い姿をしているとのこと。竹炭などさまざまな黒い食材を衣に使用している。普通の衣に比べ香ばしさとほんのりした甘みがあるのが特徴らしい。


画像 衣と同じように皮を黒くした「黒豚黒焼きぎょうざ」(650円)もあった。ぎょうざが黒光っておる……

画像 黒ビールもあったのでつい黒三昧にしてみた。食欲わかない

 いやしかしなぜに、とんかつをわざわざ黒くした。「鹿児島の『黒文化』にちなんで」と店長の田中烈さん。古くから鹿児島では、「黒豚」「黒牛」「黒酢」「黒糖」「黒じょか」など黒色の名産品が多く、総じて「黒文化」として県民に親しまれてきた。今年で創業27年目の黒福多でも、「とんかつのお肉が“黒”豚なら衣も……」ということで5年前から提供し始めたらしい。黒へのこだわりがハンパない。


画像画像 黒酢(左)に「黒糖」(右)など、食べ物や食器など黒いものがやたらと多い鹿児島県。ちなみに鹿児島出身の筆者の苗字も「黒木」です……

 実はこの黒いとんかつ、簡単にはマネできない。とんかつは火が通っているかどうかを衣の色で確認するものだが、衣が黒いとそれが分からない。黒福多では揚げている最中にたつ音の変化を聞き分けることでちょうどいい揚がり具合を見極めているのだと言う。創業27年という、腕の良い職人がいる店だから実現できる黒いメニューなのだ。


画像 「黒福多」は鹿児島の繁華街・天文館にある

画像画像 玄関には招き猫ならぬ“招き黒豚”が(左)

 今では黒いとんかつ目当てで県外から足を運ぶ人も多く、来店の際は予約をとっておくのがおすすめとのこと。食べ終えた皿には黒い衣が点々とこぼれ落ちていた。この皿だけ人に見せてもとんかつを食べたとは思われないだろうなー。


画像 なんか焦げたの食べた?と言われそう

<店舗情報>

黒福多(くろぶた)

鹿児島県鹿児島市千日町3-2 かまつきビル 1F

TEL:099-224-8729

営業時間:午前11時30分から午後2時30分まで、午後5時30分から午後11時まで(ラストオーダーは午後10時)

定休日:月曜日



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」