“嫁”の立て看板と旅する海外のオタク男性が再び来日 今やロンドンのラブライバー:海外オタク見聞録
「狼と香辛料」のホロの立て看板と旅していた男性が、再び日本へやってきました。ラブライブ!に夢中なようですよ。
ロンドン在住の友人からこんな写真が届きました。
街中で「ラブライブ!」Tシャツを着てたたずむ男性。ロンドンのシックな街並みとポップな色使いのTシャツがとてもマッチ……してないですね。
写真の主は以前紹介した、「狼と香辛料」の賢狼ホロの立て看板と世界を旅する「プロジェクト・ホロ」を展開していたファブリス・レクインさん。ホロではなく、ラブライブ!――?
ホロとの旅、完結
今からさかのぼること2カ月前のゴールデンウィーク、ファブリスさんから来日の知らせを受けて会うことになりました。1年半ぶりの再会で、気になっていたプロジェクト・ホロについて聞いてみました。
2011年9月、「ホロに現実の世界で旅をさせてあげよう」とアジアから始めたホロとの旅は、その後ヨーロッパ、北アフリカで計10カ国を巡りましたが、資金も尽きたため旅行はこれで終わり。現在撮りためた写真などを記事にまとめてプロジェクトも近々終了するとのことです。
秋葉原で待ち合わせた時、「ラブライブ!ってすごいよね、どこに行っても広告とかあるし」とラブライブ!のことがとても気になっている様子。これまでアニメ配信サイト「クランチロール」で配信されているのを見ていたそうです。ちょうど放送していたときに「今テレビでやってるから東京MXをつけて」と伝えると、テレビでリアルタイムに見るラブライブ!に大興奮、翌日は早速神田明神に聖地巡礼していました。
2週間以上の滞在のため、買い物も帰国直前まで控えて節約すると語っていたファブリスさんですが、ア二メイトのラブライブ!コーナーを案内した翌日、「もう我慢できない、(西木野)真姫ちゃんのグッズ、もっとないんですか?」などと、堰(せき)を切ったように買い物を始めてしまいました。そして、冒頭の写真のように“ロンドンのラブライバー”が誕生したというわけです。ファブリスさんが真姫の立て看板と世界を旅する「プロジェクト・マキ」を立ち上げる日がそのうち来るかもしれませんね!
そんなラブライブ!に夢中のファブリスさんが、出身地・シンガポールのオタク事情について話してくれました。
シンガポールのオタク事情
シンガポールでは、Anime Festival Asiaが毎年盛大に開催されており、また近隣のインドネシア・ジャカルタではHATSUNE MIKU EXPOが開催されるなど、この地域では日本のコンテンツの人気が非常に高くなっています。
ファブリスさんによれば、シンガポールは狭い地域に人口が集中した都市国家のため、AFAのようなイベントの開催も活発で、近隣のマレーシアやインドネシアからの参加者も多いとのことです。AFAでもコンテンツの人気に日本との時差は無く、「進撃の巨人」や「艦隊これくしょん」が大変な人気となっており、コスプレも調査兵団と艦娘が激増しているそうです。
近隣のマレーシアやインドネシアなども含め、この地域の経済成長に伴って娯楽の需要が高まっており、日本で大量に生産されているアニメを始めとするコンテンツが受け入れられているのも、自然な成り行きなのです。
これを雄弁に物語っているのが日本政府観光局の訪日客統計で、先月発表された5月度の統計では、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムからの観光客が軒並み前年比40%増を超えており、秋葉原でもこれらの地域からの観光客の姿が多く見られるようになりました。
この傾向は2020年の東京オリンピックまで続くと思われ、オリンピック開催期間に秋葉原が世界中からやってきた仲間でうめつくされるのを想像すると胸熱ですね。
日本人より海外のオタクのほうが詳しいかも?
海外のオタクたちにとって私たち日本人は“本場の人”なので、仲良くなると情報に飢えている彼らから質問攻めにされます。ファブリスさんからはアニメ制作に関してさまざまなことを質問され、例えば製作委員会がどのように運営されているのか、回収した収益の配分など、外国語の語彙(ごい)の乏しさもあって答えに窮することもしばしばでした。
場合によっては彼らのほうが詳しいこともあり、「このアニメを見ていないの? なぜ? 日本人でしょ?」と問い詰められたことも1度や2度ではありません。
アニメが好きすぎてわざわざ遠い日本までやって来る人たちなので、このような逆転状態になるのです。今回はファブリスさんがロンドン在住なので、ロンドンを訪れたシャーロキアン(シャーロック・ホームズの熱狂的ファン)に例えて説明を試みました。
―― 私がベーカー街に住んでいるとしましょう。
ファブリスさん シャーロック・ホームズのいる街ですね。
―― そこに日本からシャーロキアンがやって来ました。
ファブリスさん 今の私が、ベーカー街を訪れたシャーロキアンと言う意味ですね。
―― ベーカー街に住んでいる私にシャーロキアンが色々と質問しますが、シャーロキアンのほうが詳しいので、満足に答えられないこともあります。
ファブリスさん それが今の状況というのはよく分かりますww
―― 今の私の立場を分かってもらえてうれしいです。
ファブリスさん で、「傷物語」の制作状況がどうなってるのか教えてもらえますか?
―― だからぁ、ロンドンっ子にシャーロック・ホームズの新シリーズの制作状況を聞いたとします……
国際連盟事務次長だった新渡戸稲造氏が、欧米の外交官たちの質問に答えるために「武士道」を執筆した気持ちが私にもよく理解できました。そして、今こそ第2の「武士道」が求められているのではないかと思うのです。クール・ジャパン戦略のかなめとして。
関連記事
- 海外オタク見聞録:2次元の“嫁”と世界を旅する――君は「プロジェクト・ホロ」を知っているか?
今年初め、「狼と香辛料」のホロの立て看板と旅をする海外のアニメファンが話題になった。そんなアツいオタクが東京にやってきたので話を聞いてきた。 - 海外オタク見聞録:海外の若者に浸透するボカロ・アニメ――ファン交流活動「みらいのねいろ」主宰に聞く
VOCALOIDを海外に紹介するファン交流プロジェクト「みらいのねいろ」主宰に、現地で見た日本のコンテンツの人気について聞いてみました。 - 海外オタク見聞録:クウェートのオタク事情は? うわさの“コミケの石油王”とアキバの休日してきた
「湾岸諸国で一番濃いオタク」国家・クウェートからコミケにやってきて石油王と騒がれたアクバルさんにインタビューしました。 - 秋葉原UDX駐車場が“痛車の聖地”になったわけ
痛車の聖地としてにぎわっている秋葉原UDXの地下駐車場。痛車オーナーが集まる理由は、「北風と太陽」の“太陽”のような受け入れ方にあった。 - 海外オタク見聞録:ドイツ語圏の人たちが日本のアニソンを流ちょうに歌うワケは?
YouTubeでドイツ語圏の人たちがアニソンやボカロ曲を日本語で流ちょうに歌っているのを見ますが、日本語とドイツ語は実は音が近いようです。 - 海外オタク見聞録:イタリア人オタクのコスプレ好きは異常?
日本でコスプレしてる外国人の多くはイタリア人。彼らにとってコスプレの総本山である日本への“巡礼”は重要なようです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
-
辻希美の高2長女、TikTokに「8時間頑張ったよ」 プロ並みのクッキー缶作りを初公開
-
相場4万円台が990円……!? なぜか洋服店で買えた「PCパーツ」が異常な破格で話題「ドッキリを疑うレベル」
-
ホロライブ・音乃瀬奏、“耐久配信”中に号泣し視聴者も涙 「涙が止まらないよ」「もうどうにかなりそうだった」
-
「朝から眼福や……」 元鉄工所勤務の大食いタレントが“気になる”人続出 「くっそかわいいな」「お名前知りたいです!」
-
ミスドの“箱詰め”はドーナツ何個から? 運営元に聞いた「ミスドの箱でしか満たされないものがある」
-
「生きて頑張りたい」 神田沙也加さんの元恋人・前山剛久、YouTubeやTikTokを開設し騒動謝罪&復帰希望→“厳しい意見”であふれる
-
「今すぐ広告を中止してほしい」 “ルッキズムに警鐘を鳴らす”駅広告が「逆効果」と物議 運営は取材に「回答しかねる」
-
スシロー、ラーメンの“ピンクのチャーシュー”への懸念受け謝罪 「安心して食べられる」としつつも調理方法を変更
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- 「驚愕の修理代」の金額明かす お見送り芸人しんいち、約2000万円の愛車が故障で「終わった」「お金がないです」
- プロ警鐘「エアコン、夏が終わったらコレやらないと……」が530万再生 水漏れや“内部のスライム化”を防ぐコツが目からウロコ
- “医療ミス”で両頬に大きな火傷 「鏡見るたび涙が止まらない」フォロワー24万人のモデルが悲痛の声 「周りの目が怖い」
- スーパーで買ったニンニクを土に植えると…… ぼこぼこ増える驚きの簡単栽培に「たくさん出来て最高」「植えてみよう」
- 「これは合格出せない」 リンガーハットがジョブチューン挑戦→“まさかの不合格メニュー2品”に騒然
- 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
- 「本当に56歳…?」 “王騎”大沢たかお、“腕と足の太さがほぼ同じ”の圧倒的肉体を披露 「かっこよすぎる」
- モグラに似てる“ヤベぇ虫”を、2カ月育ててみたら…… 感動の展開に「これはマジで凄い」「学術発表レベル」
- カインズの「撒くだけで防草できる砂」本当かどうか検証してみたら…… 驚きの結果に「魔法のような砂、買いに行きます!」「これさえあれば」
- “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
- 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
- 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
- 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
- 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
- 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
- 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
- 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
- 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
- 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声