ニュース
» 2014年09月01日 18時35分 公開

「頑張ればいつか認めてくれる」とは違う文化で生きるということ

カルチャーがもたらした性格の変化。

[太田智美,ねとらぼ]

 シアトルのマイクロソフト本社で働く横川尚美氏。彼女は現在、MicrosoftのSkype部門でSenior Program Managerとして働き、米マイクロソフトに入って今年で10年になる。

 横川氏は米マイクロソフトに務める前、ソニーで働いていた。その文化の違いが、彼女の性格をガラリと変えたという。今回、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 古川享氏をインタビュアーに、横川氏に話を聞くことができたのでリポートする。

画像 (左)古川享氏、(右)横川尚美氏

ソニーは「家族」、米マイクロソフトは「個人主義」

 ソニーに3年務めた横川氏が米マイクロソフトに入社して一番驚いたのは、個人主義ということだった。ソニーは家族のような会社で、もし自分が間違えをしてしまったら上司が責任を取ってくれた。しかし、米マイクロソフトは違った。自分でやったものは、自分に返ってくる。

画像

 入社した瞬間、「はい、これがあなたのコンピュータです。そしてこれがあなたのリソースです」と渡される。そこから与えられたリソースをどう使うかは自由。もちろん上司のサポートもある。しかし、横川氏はこれに慣れるのに1年かかったという。

 特にネックになったのは、コミュニケーションの取り方。日本では、皆の意見を聞いてから自分の意見を言うというスタイルのコミュニケーションをする。一方、アメリカでは話の途中でも立ち上がって手を上げ、ポンポンとしゃべり出す。

古川氏 日本では、黙っていても結果出せば見ていてくれる。しかしアメリカでは、できるできないにかかわらず「私はこれができます! 私に任せてください!」と言い、生焼けにしか出来上がっていなくても「ほら! これやったでしょ!」とアピールをする人が多い。競争(議論)に勝つことを中心にして生まれてきたカルチャーの中では、こういうことが必要になる。こっそり良い仕事をしても、良い評価にはなかなかつながらないよね。

画像

横川氏 始めの2年くらいはずっと「頑張ればいつか認めてくれる」と思っていました。その考え方がころっと変わったのが、3年目くらいだったように思います。カルチャーに付いていくために、自分を調整する必要がありました。

古川氏 それって自分の仕事のスタイルだけじゃなくて、性格自体が変わったとか?

横川氏 2004年に入社したころにはインサイトトレーニングというものがあって、私の一番強いインサイトカラーは黄色でした。黄色というのは、何でもすぐに飛びついて頑張るというカラー。次が緑で、調和を求めるカラー。最後に赤(アグレッシブで自分の意見を強く言うタイプ)、青(データ・分析力)だったんです。しかし、一昨年に同じことをやったら全く逆になっていて、赤→青→黄色→緑の順でした。おもしろいですね。

画像

横川氏 弊社では競争する文化が強く、助け合う文化があまりないように思います。しかし評価システムを始めとして、今いろいろなことが変わろうとしています。米マイクロソフトは上司の影響がすごく大きくて、自分のことを信じてくれるボスの下ではものすごいサポートもくれるし、やりがいもあります。いろんなプロダクトがあって、いろんな人がいて、この会社でないとできないことがたくさんあります。全世界から集まっていて、ここでしか出会えない人がいるんです。

画像

古川氏 自分のキャリアプランとしては、どの領域で自信がある?

横川氏 もともとソニーで働いていたせいか、ソフトウェアとハードウェアと両方たずさわる仕事で得た経験が自分の中で生かされていると思います。ソフトウェアだけに携わる仕事だと、充実感が少し足りないような気がします。実は過去にそういったことがあって、自分の心の中で「楽しくない」「合わない」と思ったので、自分で別の仕事を探して異動しました。米マイクロソフトが「個人主義」というのもありますが、自分がここで働きたくて働いているし、やっぱり自分の人生だから自分がやりたいことをやるのがいいと思います。

古川氏 天を見て仕事をする人と、上を見て仕事する人がいるよね。上を見て仕事をする人はいつもボスの目を伺い、自分の昇進だとか金銭的なもの以外のためには動かない。だけど、天を仰いで仕事をしている人というのは会社のブランドだとか会社の利益ではなく、お客さんのためになるかどうかとかを真っ先に考える。そういう人は、やっぱりいい仕事をするよね。

画像

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/11/news037.jpg まるで絵画 SNSで公開された“世界屈指の美しい犬”の姿に「女神様」「サラブレッドのお馬さんかと」
  2. /nl/articles/2312/10/news033.jpg 捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
  3. /nl/articles/2312/11/news030.jpg 猫たち、日常を写した1枚に爆笑ポイントを詰め込みすぎてしまう 108万件表示された光景に「猫4匹いる!?」「笑っちゃったw」
  4. /nl/articles/2312/11/news094.jpg ハロプロアイドル、自撮り加工での大失態暴露「最悪です」「あー恥ずかしい」 やらかし写真は投稿済でファンの反応まちまち
  5. /nl/articles/2312/10/news019.jpg 入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
  6. /nl/articles/2312/10/news018.jpg 同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
  7. /nl/articles/2312/11/news074.jpg ロッチ中岡、「エンゼルスの大谷翔平」をすべり込みセーフで撮影 “お別れ1時間前”の写真に「マジ? 奇跡だ」「さすがもってる!」
  8. /nl/articles/2312/11/news097.jpg King Gnu井口理、プライベートでスペイン旅→同行した“超大物”に驚きの声 「まさかの」「番組一本できるやつ!」
  9. /nl/articles/2312/08/news128.jpg 木村拓哉、「DA PUMP」ISSAとの舞台裏ショットが感動モノ「兄弟みたい」「泣きそうになる」 “縁のあるチームTシャツ”に反響「愛を感じます」
  10. /nl/articles/2312/10/news011.jpg 犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」