壁ドンは1日にしてならず――「壁ドンカフェ」でイケメン(人形)に壁ドンされてきたよ!

乙女の憧れ・壁ドンが体験できる「壁ドンカフェ」。イケメン人形「トロケッタ・マリアージュ」に壁ドンされてみた結果……。

» 2014年10月14日 20時17分 公開
[朝井麻由美,ねとらぼ]

 今、世間は右も左も壁ドンだ。あまねく男性が膝枕を好きなように、女性なら壁ドン、という風潮になりつつある。ともかく、一度はされてみたいのが壁ドン。心ときめくのが壁ドン。甘くて苦いママレードのような壁ドン。なにしろ、筆者も壁ドンが好きである。「今夜どう?」と言われたら、二つ返事でOKしかねないくらい、壁ドンされる準備はできている。

 この持て余した壁ドン欲求、どうしてくれよう。燃ゆる思いを引っ提げてやってきたのは「とろける! 壁ドンカフェ」。原宿の「スイーツパラダイス」内に、期間限定で10月11日にオープンしたのだ。今後のオープン日は18日、19日、25日、26日。壁ドンの体験は無料だが、「スイーツパラダイス」の利用料金はかかる(中学生以上1530円、4歳〜小学生860円、3歳以下は無料)。なお、壁ドン体験の門戸は、男性も女性も誰にでも開かれている。

 お店に入ると、奥のほうに……いた。まさに壁ドンの格好で静止している「壁ドン人形」が!

 そう、壁ドンしてもらえると言っても、するのは人形。実際の人間だと、知らない男性に壁ドンされることで怖がってしまう女性が出てくる可能性があるため、人形になったのだという。ちなみに、壁ドン人形の名前は、トロケッタ・マリアージュ。フランスと日本のハーフの男性、年齢非公開、身長は180センチ、職業はバリスタだそう。趣味は「もちろん、壁ドン」、特技は「壁さえあれば、壁ドン」、好きな女性のタイプは「世界中の女の子たちが、オレのスイーツ」とプロフィール用紙に書いてあった。

 全身はこんな感じで、

 近づくとこんな感じである。

壁ドンメニュー

 「壁ドンメニュー」は、ツンデレ壁ドン、告白壁ドン、幼なじみ壁ドン、卒業壁ドン、本日のおまかせ壁ドン、の5つ。例えば「ツンデレ壁ドン」を選ぶと、「ワガママばっかり言うなよ! ……その唇、俺の口でふさいじゃうぞ」や「他の男に隙見せんな! ……隙見せるのは、俺の前限定にしとけよ」と言ったセリフをランダムで言いながら、「ドン」とされる。

 ちなみに、筆者(148センチ)の目線からは、壁ドン人形(180センチ)はこう見える。

 さて、こうして人形に壁ドンされてきたわけだが。結論から言おう。実は私は以前、生身の人間に壁ドンをされたことがある。それも、男性1人、女性1人、と計2回の経験があるのだ。記事の冒頭で「なにしろ、筆者も壁ドンが好きである」と知った風な口をきいたのも、そういうわけである。“壁ドン処女”という言い回しが正しいのかは分からないが、少なくとも、“初めて補正”がかからなかったのも手伝ってか、やはり人間との壁ドンに勝るものはない、というのが正直な感想だ。人形と生身の人間、人工物と人のぬくもり、どちらが良いかは、皆まで言わずともお分かりだろう。

 そしてもう1つ、分かったことがある。今回私は「壁ドンカフェ」に、電車に乗って、駅から歩いて、建物に入って、のこのこ“壁ドンをされに”やってきたわけだが……そうじゃないのだ。きっと、壁ドンは、そういうものではないのだ。壁ドンの格好で静止している人形の下をスッとくぐるようにして立ち、「あ、じゃあ、“ツンデレ壁ドン”をお願いします」とオーダーする。プログラムされた動きで、ドンとされる……違う。全然違う。壁ドンたるもの、“予定調和”ではいけないのだ。目の前にいる誰かに、されるようなされないような、そんな予感はあるものの、ほとんど不意打ちで、ドン! これこそが、真の壁ドンだと言えよう。

 さらに言えば、「※ただしイケメンに限る」とされがちなこの世の中において、壁ドンに関して言えば、必ずしもそうではないのかもしれない。いくら見目麗しくても、やはり見ず知らずの人に壁ドンされても、そうそうときめくものではないはず。筆者と、このトロケッタ・マリアージュ氏(壁ドン人形)は、この日、初対面だったのだ。信頼関係ゼロ。仮に、トロケッタ・マリアージュ氏が人形ではなく人間(イケメン)だったとしても、やはり同じ感想を抱いたことだろう。

 壁ドンとは、ふさわしい相手と、ふさわしい偶発的な状況があってこそのものなのだ。もちろん、「壁ドンカフェ」自体は、アトラクションとしては楽しい。だが、“壁ドンを体験する”というよりも、いつか本当の壁ドンをされるであろう来るべき日の予行練習くらいに思っておくのが、正しい楽しみ方なのだろう。壁ドンは1日にしてならず。

朝井麻由美(@moyomoyomoyo)は、体当たり取材・イベント取材を得意とするフリーライター。一風変わったスポットに潜入&体験した記事は100本を超える。主に「週刊SPA!」や「DIME」などの男性誌で執筆するほか、「日刊サイゾー」ではB級スポットを巡る「散歩師・朝井がゆく!」を好評連載中。ゲームと雑貨とパズルが好き。コスプレするのもわりと好き。ウニとイチゴがあればだいたいご機嫌。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/11/news009.jpg 鮮魚店で瀕死の“巨大ガニ”を購入→家に連れて帰り、お風呂場に放ってみると…… まさかの展開に「こわっww」と800万表示
  2. /nl/articles/2502/12/news018.jpg 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ〜!!」
  3. /nl/articles/2502/12/news033.jpg 5歳のときにトレーニングを始めた女の子→3年後…… 現在の姿が「ハハハすごすぎる」「めちゃくちゃ尊敬」と250万再生【海外】
  4. /nl/articles/2502/12/news022.jpg 古いタオルを手で裂いていくだけで→「すごい…」「意外!」便利アイテムに! 生活の質“爆上がり”アイデアが話題
  5. /nl/articles/2502/12/news007.jpg 「夢見たディスプレイ」空中浮遊するガンダムのプラモデル、その仕組みは…… “122時間”かけて作った超大作が40万再生「マジで感激」
  6. /nl/articles/2502/12/news013.jpg 海外で暮らすパパとビデオ通話中、1歳娘がとったけなげな“行動” 大反響から約1年後……家族の現在を聞いた
  7. /nl/articles/2502/11/news025.jpg ←夫に出すやつ 自分で食べるやつ→ 目を疑うレベルの“落差”に爆笑「わ〜おw」「なんかとんでもないのいた」
  8. /nl/articles/2502/11/news033.jpg 妻「“157センチ、43キロが理想”と言う夫に、かわいいと言われたい」→プロに依頼したら…… 「エグッ!」「黒木瞳さんかと」
  9. /nl/articles/2502/12/news028.jpg 伸び放題になった実家の庭木→50代女性が2日間どんどん切ったら…… “見違える光景”に「さすがですね!」「明日は我が身」
  10. /nl/articles/2502/11/news012.jpg 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  2. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  3. 14歳のとき、親友の兄と付き合うことになった女性→13年後…… “まさかの結末”に「韓国ドラマみたい」【海外】
  4. リンゴを1年間、水の中で放置→顕微鏡で見てみたら…… 衝撃の実験結果に「これはすごい」「息をのみました」【海外】
  5. 海釣り中、黒猫に「ちょっと来い」と呼び出された釣り人 → 付いて行くと…… 運命のような保護から2年、飼い主に話を聞いた
  6. “駐車場2台分”の土地に、建築家の夫が家を建てたら…… “とんでもない空間”に驚き「すごい。流行る」
  7. 「なんだこの暗号は……」 マクドナルドの“大人だけが読めるメッセージ”が410万表示「懐かしい〜」「読める人同世代w」
  8. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」 投稿者に話を聞いた
  9. ズボラ母が5人分サンドイッチを爆速で作ったら…… 目からウロコの時短テクと美しい仕上がりに「信じられない」
  10. 【今日の計算】「7−2×0+9」を計算せよ
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議