活字鋳造を残したい 平成生まれが「活字」を産み出す「自動活字鋳造機」に心奪われたいまだからこそ(2/2 ページ)

» 2014年11月03日 13時20分 公開
[與座ひかる,ねとらぼ]
前のページへ 1|2       

活字ができた! 文字を並べる「文選」へ

 1文字ずつ量産される活字、出来上がったら活字を棚からピックアップして、必要な文字通り並べる「文選」という作業が入ります。1階に下りると、収納された活字達が!

活版印刷 「つ」がいっぱい! 

 「じゃあ試しに自分の名前を拾ってみましょうか!」と佐々木さん。「憧れの活字で自分の名が!」と心躍らせる参加者一同。あれ……でも拾うとなると……?

活版印刷 こ、この中から?????

活版印刷 いやああああああああああああああああああ

 活字は部首順に収納されていて、よく使う活字は「大出張」という取り出しやすい位置に、次によく使う活字は「小出張」と呼ばれる場所に収められています。また、あまり使用頻度の高くない活字が入った棚は足元に設置されており「泥棒」と呼ばれます(座った状態で拾う様子が泥棒に似ているため)。……と探すのにすごくコツがいる作業で、たったの5文字を拾うのにとても時間がかかりました。

活版印刷 活字を拾う「文選箱」。プロはすごいスピードで拾うそうです

「活字」でしか表現できない味わい

 いま、佐々木活字店で活字を作る職人は佐々木さんただ1人。機械を動かすこと自体は電源オンで誰でもできますが、鋳型の交換、鉛の出るスピードの調節など、活字作りには昭和産まれの鋳造機達と向き合う微細な技術が求められます。

 「活字鋳造は機械頼りなので、保存するっていうのは本当に難しい。でもいまは、無いものをどうしようと言う話よりも、あるものを残していこうっていう気持ちが大きいです」と語る佐々木さん。

活版印刷 宮沢賢治「春と修羅」の活字組版。 実物は胸をえぐられるようなかっこよさでした

活版印刷 自分で拾った活字はお土産にいただきました!

 最近では、活字や活版印刷の良さが見直され、名刺やブックカバーの受注が多くあるそうです。

 一度見たらなぜか心を掴まれてしまう活字。佐々木活字店さんのWebサイトでは書体見本、導入機器の紹介が見れるほか、Facebookページから見学会の予約も受け付けています。大人だけではなく、インターネット世代のみなさんもめくるめく活字の世界に惚れぼれしてしまうこと請け合いです! ぜひ足を運んでみてください。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」