艦これ提督に捧げたい「ゲームマーケット2014秋」索敵報告:関係者ー、もっとガンガン攻めていこうぜー(2/3 ページ)
その正体は“ガチミリ”ウォーゲームデザイナー「堀場工房」
“かわいい”ねこゲームが人気の「堀場工房」では、ねこゲーム詰め合わせの「ねこかん」や、ナポレオニックゲームの解説雑誌「大陸軍公報」創刊号などを販売していた。
デザイナーの堀場瓦氏は、猫耳キャップをかぶってかわいらしさを演出していたが、その正体は、日本陸軍の作戦研究で“その界隈”から高い評価を得ているだけでなく、あの「ぱんつぁー・ふぉー」や、そのベースとなった「ワールドタンクバトルズ」、そして、「張鼓峰1938」「インパール作戦1944」を手掛けた「正統派ウォーゲームデザイナー」であったりする。
その堀場氏は、太平洋戦争を扱ったコンパクトな戦略級ウォーゲームのデザインを2013年後半から進めており、ゲームマーケット2014秋で発表するのでないかとうわさされていたが、現在も開発を委託して作業を継続している段階にあるそうだ。
堀場氏は、日露戦争と日中戦争についても同じようにコンパクトな戦略級ウォーゲームとしてデザインを進めており、日露戦争については完成に近い状況にあるという。理解しやすいコンパクトゲームのデザインには定評のある堀場氏の作品だけに、“シリーズ全作”の登場を期待したい。
村上水軍大暴れの新作は次回登場予定
同人会ルーデンス・ファベルは、戦国時代をはじめとする日本の合戦を取り上げたコンパクトなウォーゲームを多数出版している。ウォーゲーマーの評価も高く、ゲームマーケット後には、600〜1200円という価格のゲームがオークションにて高値で取引されてしまうほどだ。なお、そんな高値で落札しなくても、委託販売をしている「i-OGM」などから定価で購入できる。
ルーデンス・ファベルは、映画やドラマに関連した合戦タイトルをタイミングよく投入することでも人気だが、今回も大河ドラマに合わせて「石垣原の戦い」を発表している。こちらも、委託販売で購入可能だ。価格は税別で1400円。
日本合戦モノに強いルーデンス・ファベルだが、艦これ提督的に興味を持つかもしれない海戦モノについても、日本の合戦史上もっとも有名な“海戦”といえる壇ノ浦の戦いを扱った「諸行無常」や、ルーデンス・ファベルとしては異色の現代時事モノ「尖閣諸島を守れ」を出している。
今回の新作でも、第11回本屋大賞を受賞した「村上海賊の娘」にタイミングを合わせて村上水軍と織田水軍の海戦を扱う「木津川沖海戦」を予定していた。残念ながら今回の発売には間に合わなかったが、デザイナーによるとほぼ完成しているとのことで、次回のゲームマーケット大阪2015で販売したいと語っていた。
100周年記念海戦ゲームと60周年記念怪獣ゲーム
ねとらぼ取材班を2年連続で「こんなところ取材している場合ですか」と心配してくれた「平田晋作著作集刊行会」は、開戦100周年になる第1次世界大戦の海戦ウォーゲームと、封切60周年になる映画「ゴジラ」第1作の東京襲撃を再現する怪獣ウォーゲーム「ゴジラ1954」を出品した。
第1次世界大戦の海戦ゲームといっても、ジュトラント海戦やフォークランド諸島沖海戦といった有名どころではなく、ドイツ巡洋戦艦「ゲーベン」の東地中海通商破壊戦を、はがきウォーゲーム「シュペー追撃戦」のシステムで再現したという、なんとも、マニアックな内容になっている。
一方、ゴジラ1954は、昭和30年代の東京を再現したマップの上をゴジラが襲撃して東京タワーや国会議事堂、そして、今は亡き日劇を破壊していくのを、自衛隊が応戦しつつ、燃え盛る東京を消防隊が消火し、逃げ惑う群衆を警察が誘導するというものだ。ゲームシステムのベースとなっているのは、怪獣ウォーゲームの名作SPIの「怪獣征服」とタイムマイザー・ホビーネットワークの幻の名作「戦力無き軍隊の戦い」と、これまたマニアックすぎるところを突いてきている。
平田晋作著作集刊行会は、ゲーム販売をイベント限定としていて、ショップなどで委託販売はしていない。ただ、次回のゲームマーケットにも参加する予定なので、そこで入手できる可能性は高い。
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