“攻殻機動隊”の世界だ……! 中から外は見えても、外から中は見えない光学迷彩を理化学研究所が理論的に実証

透明マントだって実現できちゃうかも。

» 2015年06月09日 12時35分 公開
[高城歩ねとらぼ]

 理化学研究所(理研)の研究チームが“内部から外部は見えるが、外部から内部は見えない光学迷彩”を設計する理論を構築しました。


画像 理化学研究所のプレスリリースより

 光学迷彩とは、光を自在に曲げる装置を設計・開発することにより、物体や人を光学的に見えなくする技術を指します。これまで提唱されてきた光学迷彩装置は、向かってくる光を迂回(うかい)させることで装置自体を見えなくする一方、装置内に入射する光がなく、装置内から外部を見ることはできないというものでした。

advertisement

 そこで共同研究チームは、光がその進行方向に対して非対称になっているような状況を理論的に実現。フレミングの左手の法則から分かるように、磁場が電子に及ぼす力の向きは、電子の進行方向を反転させることにより逆向きとなります。そこで同様の働きをする力を、光に仮想的に作用させることのできる光学迷彩装置を設計しました。

 それにより逆方向から入射した光が、全く異なる曲がった光路をたどることができるようになり、外部からは見えないけれど、内部からは外部を見ることができるという“非対称”な光学迷彩を可能にしているそうです。


画像 非対称光学迷彩(右)では、これまでの光学迷彩同様に外部から内部へ届く光はありませんが、シールド領域内には光が届くため、内部から外部を見ることができます

 なお、現在の研究は理論の提案に留まっています。しかしながら、非対称な光学迷彩という研究テーマがまったく新しい人工素材の開発をも促し、理論と素材開発双方が進展することよって非対称な光学迷彩が実現する可能性も十分に考えられます。SF作品で見た世界が、また一歩近づきますね。

高城歩

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/25/news179.jpg 「背骨の負傷で手術」を報告していたアイドル、死去 「あまりに突然の訃報」メンバーら悲痛
  2. /nl/articles/2502/25/news024.jpg ごはん炊き忘れた父「いいこと閃いた!」→完成した弁当に爆笑「アンタすげぇよ!」 息子「意味ねぇことすんなよ」
  3. /nl/articles/2502/26/news040.jpg とんでもない量の糸をくれた先輩→ママがお返しに作ったのは…… 完成した“かわいいアイテム”に「絶対喜ばれるやつ!」
  4. /nl/articles/2502/26/news032.jpg 増え方エグい! 発泡スチロール箱に“水菜”を植え、約1カ月後に見てみると→目を疑う結果に「すごい」「無限に収穫できそう」
  5. /nl/articles/2502/26/news105.jpg 靴を脱ぐこと忘れてて…… 大事な場に履いてきてしまった“まさかの靴下”が「いい役割してくれます」「一緒で心強い」
  6. /nl/articles/2502/26/news080.jpg 在宅ワークママ「今日のお昼ごはんこれの人みんな友達」 共感しかない“2品”に「同じすぎて泣きそう」「マジで大体コレ」
  7. /nl/articles/2502/25/news044.jpg 昔ながらのポスト→様子がおかしい姿に……「考えた人、天才!」「地元に欲しい」 郷土愛あふれるアイデアが60万表示
  8. /nl/articles/2502/26/news029.jpg 卒論制作に“形から入る人”が200万表示 心配になるまさかの光景に「悪いこと言わないから寝ろ!」「これいいww」
  9. /nl/articles/2502/25/news076.jpg 30年以上前の製品がかっこいい ソニーの小型ラジオのデザインが「すごい好き」「いまでも通用しそう」
  10. /nl/articles/2502/25/news041.jpg そうはならんやろ ドレスを着たかわいい女性の塗り絵、プロが模写すると…… 予想外のできばえに15万いいね「天才の所業」「どうしてこうなった?」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  2. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  3. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に
  4. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  5. 余った毛糸は捨てないで! 四角く編んでいくと……目からウロコのアイデアに「知れてよかった」「素晴らしい」
  6. コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
  7. ごはん炊き忘れた父「いいこと閃いた!」→完成した弁当に爆笑「アンタすげぇよ!」 息子「意味ねぇことすんなよ」
  8. 瀬戸内海で漁をしていたら突然異変が…… 揚がってきた“取ってはいけない生物”に衝撃 「初めて見ました」と70万再生
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 温かそうだけど…… 呉服屋さんが教える「マフラーの巻き方」になぜか既視感 「あの巻き方ってこうやってたの!?」
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議