カップ麺「熱湯3分」はお湯を「注ぎ始めてから」か「注ぎ終わってから」か 大手4社の回答は

細かいけど、確かにどちらで計り始めるかで数秒の差が……。

» 2015年06月24日 17時25分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 即席カップ麺によく書かれている「熱湯3分」の表記。これはお湯を「注ぎ始めてから」と「注ぎ終わってから」どちらを想定した時間なのか、数十年前に東洋水産へからかい半分で電話したところ、「標準大気圧下を想定してのご質問ですか?」と返され動揺して電話を切った、というツイートがTwitterで注目を集めている。

 そういえばお湯を注ぎ始めてからカップの内側の線に到達するまでには十秒前後かかる。少しの差で麺の出来上がりに大きな違いが生まれるとは考えにくいが、ツイート主の疑問にも共感できるところだ。また東洋水産の担当者の意外な返しも本当だったとしたら、「熱湯3分」と大気圧にどんな関係があるのか気になる。

 まずは「標準大気圧下」という返しについて東洋水産の広報担当者に聞いてみた。現在同社ではカップ麺のお湯に関する問い合わせで、わざわざ標準大気圧下にあるかどうか確認するような対応は取っておらず、当時の担当者がなぜそのように聞き返したのかはわからないとのこと。数十年前となると広報部がまだ存在していないころらしく、そもそもこの返答が実在したかどうかも調べるのが難しい、との話だった。

画像画像 マルちゃんでおなじみ東洋水産。カップ麺だと「麺づくり」などが有名

 返答が実在したかどうかはともあれ、実はカップ麺と大気圧には深い関わりがある。水は気圧が低い場所ほど沸点が低くなり、標高2000メートル前後のジェット機内や山頂あたりでは約93度で沸騰する。なのでこうした高所でカップ麺を食べようとすると、お湯がぬるくて麺がやや固めに戻ってしまうのだ。

 この問題を考慮して日清食品とJALが、80〜85度という低い沸点でも麺が戻りやすい機内食用カップ麺「うどんですかい」なんてものを開発・発売しているほど、両者には密接な結びつきがある。ひょっとすると「標準大気圧下」の返しは、これを頭に入れて「熱湯3分」に答えようとした、思慮深い対応だったのかもしれない。

画像 「うどんですかい」(右)。「らーめんですかい」(左)など、機内で温度の低いお湯でも麺が戻るさまざまな特性カップ麺が発売されている

 さて、結局「熱湯3分」は「注ぎ始めてから」と「注ぎ終わってから」のどっちなのだろう。ささいな話とはいえ、3分間きっかり時間を計りたい! というときにどのタイミングで数え始めればいいものなのか、そのあたりはきっちりさせておきたい。東洋水産、日清食品、エースコック、サンヨー食品の4社に聞いてみた。

画像画像 「カップヌードル」などの日清食品グループ。公式サイトにアクセスすると3分間のカウントダウンが始まる

画像画像 「スーパーカップ」などで知られるエースコック

画像画像 「サッポロ一番」シリーズが有名なサンヨー食品

 「緑のたぬき」「麺づくり」などの東洋水産は、「麺の全体がお湯に浸ってからという認識なので、注ぎ終わってから」との回答。「カップヌードル」「チキンラーメン」で知られる日清食品は、「注ぎ終わってから」。「スーパーカップ」のエースコックも「注ぎ終わってから」。「サッポロ一番」などのサンヨー食品は「公式見解ではないが、技術部の者も含め検討した結果、お湯が内側の線に到達してからが一般的であるという認識。注ぎ終わってから」と答えた。

 4社とも、熱湯3分はお湯を「注ぎ終わってから」の時間を想定しているという回答。2005年時点で国内の即席麺出荷額シェアの約9割を占める4社の見解なので、カップ麺のほとんどが該当するものだと考えていいはずだ。時間をきっかり計りたかったみなさん、ストップウォッチの押し始めは、お湯が内側の線に到達した瞬間でよろしくどうぞ!


黒木貴啓


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」