す巻きの男が水をかけられては法螺貝を吹き続ける奇祭「水止舞」 7月14日大田区で開催
なぜそんなツライ状況が生まれちゃったのさ。
ワラに巻かれた男性が町内を転がされ、威勢よく水をかけられては法螺貝(ほらがい)を吹き続けるという、奇祭「水止舞(みずどめのまい)」が7月14日13時から15時まで厳正寺(東京都大田区)で開催されます。法螺貝役の人、ハード過ぎやしませんか。
水止舞は1321年に起源をもつ、長雨を止ませた龍神に感謝の舞を捧げる祭事。昔に武蔵の国(現在の関東辺り)が大干ばつに遭った際に、住職さんが水の神とされる龍像をワラで作って祈祷し雨を降らせたそうです。しかし2年後には逆に長雨が続いて田畑が流出。今度は住職さんは獅子の仮面「水止(しし)」を農民にかぶらせ、舞や太鼓、法螺貝などを演奏させて龍神にお祈りしたところ、雨が止んだといいます。それから人々は感謝として「水止舞」を捧げているそうです。
お祭りは、ワラの龍神を使って雨乞いをする「道行(みちゆき)」と、長雨を止ませた舞を披露する「水止舞」の前後半に分かれています。
「道行」では、ワラで編んだ龍神のなかに法螺貝役を入れて、これを先頭にした行列が厳正寺まで約150メートルの距離を30分ほどかけじっくりと前進。数メートル進むたびに列は止まり、龍神へ容赦なく水をかけまくります。その都度なかの人は法螺貝を「ぷぉ〜、ぷぉ〜」と吹いて、龍神の喜びの雄叫びを表現します。由来を知らなかったらものすごい光景。こちらは龍神が先導することから、雨乞いの儀式のごく初期の形式だと推測されているそうです。
水止舞は雨天決行。道行は大田区立大森東中学校の校門前からスタートする予定です。龍神を間近で見る際はかなり水がかかってしまうので、カッパやぬれても良い服装など水濡れ対策を開催側は勧めています。
(黒木貴啓)
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