タイトル通り、でも二度見必至なインパクト『ブタさんが好きすぎたらハンガリーの国賓になりました』司書メイドの同人誌レビューノート

秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」の司書メイドことミソノが、同人誌のディープな魅力を紹介する連載企画。同人誌の用語を解説していく「ミソノ流ワンポイント用語解説」も必見。

» 2015年08月07日 12時00分 公開
[eBook USER]

 一般にはあまり出会う機会のない同人誌。アニメやマンガのパロディや、コスプレの写真集などさまざまなジャンルがありますが、こちらの連載では、私設図書館「シャッツキステ」の司書メイド・ミソノが、オリジナル創作や評論ジャンルの同人誌を中心にご紹介します。作家の「好き」が形になった同人誌、その魅力を体感してください。

ブタさんが好きすぎたらハンガリーの国賓になりました〜ハンガリー編1〜 ブタさんが好きすぎたらハンガリーの国賓になりました〜ハンガリー編1〜

紹介する同人誌

タイトル:『ブタさんが好きすぎたらハンガリーの国賓になりました〜いきさつ編〜』『〜出発準備・イスタンブル編〜』『〜ハンガリー編1〜』

著者:松本救助

サークル名:松本SOS

形態:A5 表紙カラー・本文カラー

Webサイト:http://ppsos.blog.fc2.com/

Twitter:@torimo_mk

同人誌入手先:COMIC ZINとらのあなメロンブックス

次回参加イベント:コミティア113(スペースNo「う23b」)


 タイトルが全てを物語る本です。でも、「ん? んん?」と思わず二度見してしまいます。「ブタさんが好きすぎたら……?」「ハンガリー…?」「国賓…!?」どういうことなんですか……?

国賓ってホントですか

 作者の松本救助さんは、白泉社などでもコミックスを出されている漫画家さんです。松本さんはかつて商業デビュー作で、ブタさんがマスターをしているバーを舞台にした漫画を描いており、それがきっかけで、ハンガリーの豚肉加工業者さんと食の国際展示会でコラボすることに! 次にそのご縁で、ハンガリー大使館に招待され、そしてついにハンガリー政府から「国賓で招待したい」との連絡が。ええええー! タイトルに書いてあるので知ってましたよ? 「この作者さんはハンガリーに国賓として招待されるのねー」と思いながら読んでましたよ? それでもやっぱり「何だかすごいことになっている……」という展開が繰り広げられます。

ほのぼの4コマでくすっと笑って旅立ちへ

 事の起こりから、コラボを引き受けたころのこと、大使館に言ったときのこと、ハンガリーに向けて旅だったことが、4コマ漫画で丁寧に描かれています。くすっと笑える出来事を交えて、飾らないタッチで描かれる日常にほのぼのしているうちに、あれよあれよとハンガリーの国賓へと話がつながっていく様子に、シリーズを思わず一気読み!

ハンガリーで一番有名な豚肉加工会社の東京事務所に呼びだされる松本さん ハンガリーで一番有名な豚肉加工会社の東京事務所に呼びだされる松本さん

 「ブタさんが好きすぎたらハンガリーの国賓になりました」シリーズは、現在までに「いきさつ編」「出発準備・イスタンブル編」「ハンガリー編1」の3冊が出ています。いきさつ編は、マンガ家さんが未知のコラボにどきどきする様子を、読者のわたしもそっと影からうかがうような目線で楽しみ、出発準備・イスタンブル編は「旅立つぞ!」というわくわくを味わいながら読みました。

リアルな国賓の気持ち

 それにしても、やっぱり気になるのは「国賓」のおはなし。示されたハンガリーでのスケジュールには“10:00オルバーン総理と面会予定”の文字が! 空港に降り立てば、カメラのフラッシュが松本さんを包む! 迫り来る怒涛(どとう)の豚肉料理! ハンガリーのマンガリッツァ豚は国宝と呼ばれるくらい大切にされた、おいしいブタさんなんだとか。うう……マンガリッツァ豚のすき焼き、おいしそうです……。

国賓が空港に降り立てば、フラッシュの嵐! 国賓が空港に降り立てば、フラッシュの嵐!

 非日常の出来事で、作中の松本さんはいつも驚いたり、驚いたり驚いたりしています。でも、その様子は小さな笑いと一緒に素直に描かれていることで、日常の延長にその驚きがあった事が伝わってきます。いつもの生活の続きにこんなことが起こるなんて! というびっくりを、楽しみながら読めるこちらのシリーズ。いよいよ最終巻は次回の自主制作漫画誌展示即売会コミティア113で発行予定とのこと。楽しみです!

ミソノ流ワンポイント用語解説

 いよいよ、来週は年に2回の大きな同人誌即売会「コミックマーケット」が開催ですねー。毎年8月と12月に開催されるため「夏」と言えば「夏のコミックマーケット=夏コミ」を指すことも。

 会話使用例「夏、何で申し込んだの?(訳:夏のコミックマーケットは何のジャンルで申し込んだの?)」「とうらぶ(ネットゲームの「刀剣乱舞」だよ)」「1日目かぁー(「1日目に配置だね)」といった感じ。

 そうそう、コミックマーケットは3日間に渡って開催されます。自分の興味ある分野は何日目に配置されているのかを確認しておきましょう。ちなみに本連載で取り上げるような「評論・情報」は1日目、「創作」は3日目ですよー。

ミソノ:いつでも優しい笑顔で、皆の心をいやしてくれる。普段は大きな図書館で司書をしており、司書ならではの本に関するお話は、日常では知る機会の少ない情報満載で、一聞の価値あり

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2504/19/news087.jpg 皇后さま、華やかなゴールドの衣装 天皇陛下も同系色のネクタイ着用【7万6000いいね】
  2. /nl/articles/2504/19/news051.jpg 湘南の砂浜に打ちあがった“超危険生物”を飼育したら…… 貴重な姿に「初めて見ました」「かっこいい」と大反響→2年後の現在について話を聞いた
  3. /nl/articles/2504/19/news039.jpg 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  4. /nl/articles/2504/18/news140.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」話題になった飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2403/21/news036.jpg 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  6. /nl/articles/2504/20/news008.jpg 「年中着用したい」 ワークマンの“暑くても着られる”2900円長袖シャツに反響続出 「とにかく涼しい」
  7. /nl/articles/2504/18/news025.jpg 2日かけて組み立てたのに動かない!? 自作PC初心者あるあるの再現が1460万再生「いまいましい」「同じミスしたよ」【海外】
  8. /nl/articles/2504/16/news035.jpg 「ウソだ…」「言葉が出ない」 幼少期から絵を描き続けた少年→15年後…… 大人になって描いた絵が100万再生【海外】
  9. /nl/articles/2504/18/news010.jpg 100均の手ぬぐいを3回縫うだけ…… “ちょっとずるい作り方”の便利アイテムが目からウロコ「おおおすごい」「すてきなアイデア」
  10. /nl/articles/2504/20/news028.jpg 庭にビオトープを作ったら、生物多様性が爆上がりして…… “まさかの生き物”の来訪に驚がく「え?マジすかw」「存在感すごい」と620万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  2. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  3. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」
  4. なんとなく捨てにくい紙袋→2カ所切り込みを入れるだけで…… 目からウロコの“活用術”に「これすごくいい!」【海外】
  5. 「見習うことばかり」 80代おばあちゃんの春服&収納術がステキ! 上品かつオシャレで「憧れです」「尊敬します」
  6. ファスナーに直接毛糸を編み付けていくと…… 完成した“便利でかわいいアイテム”が100万再生「天才だ」「これ大好き」【海外】
  7. 「尊厳を踏みにじる行為」 八代亜紀さんの“物議のCD”は「流通会社がすでに流通を中止」 タワレコが回答
  8. 古くなったジーンズは捨てないで! 目からウロコの“アイデア”に大反響「なにこれかわいい!」「こんなの作れるんだ」【海外】
  9. 指先サイズの小さな器に木を植えて、育てたら…… 「芸術だ」「半端ない」鳥肌モノの“神盆栽”に反響
  10. 義母「ランドセル代を振り込みました」→銀行口座を見ると…… 2児ママ絶叫の“神対応”が1520万表示「凄すぎる!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】