米と戦わず英蘭と戦わば勝てたのか?──艦これ提督的ウォーゲーム要務令「大東亜戦争」編ワレ真珠湾ニ奇襲セズ!(2/3 ページ)

» 2015年08月15日 18時23分 公開
[長浜和也ねとらぼ]

宣戦布告と奇襲攻撃のメリットとデメリットで悩む

 大東亜戦争をテーマにした戦略級ウォーゲームでは、ほとんどの場合「始まりは真珠湾攻撃」となる。でも、「真珠湾攻撃をしなかったら、そのあとどうなっていた?」とか「米国とは戦わずに、英蘭とだけ戦争して南方資源を奪っていれよかったんじゃないの?」と考える日本人は、意外と多い。

 大東亜戦争では、日本も米英蘭中の連合国も、宣戦布告する時期も相手も方法も選ぶことができる。ゲームの始まりは1941年(昭和16年)の7月で(ほかに、史実と同じ1941年12月開始、第2段階作戦が始まる1942年4月、サイパン攻略戦とマリアナ沖海戦が起きた1944年6月開始のシナリオを用意しているが、デザイナーの意図としては、1941年7月開始が最も望ましいと語っている)、これは、日本が南部仏印領に侵攻して米国から石油などの重要物資禁輸などの厳しい経済制裁を受けて、戦争以外の解決策がほぼなくなった時期にあたる。

 ゲームにおいて、日本プレイヤーは中国大陸と対ソ連戦を重視した「北進策」か、南方資源地域占領を重視した「南進策」を選択して英蘭だけと開戦できる可能性がある。一方で、日本が英蘭とだけ戦争したいと思っていても、連合国が日本に対して宣戦布告をして、まだ戦争に参加していないすべての国が参戦することもできる。さらに、開戦において日本が奇襲攻撃を実施すると、連合国は、その後の連合国軍の行動をより積極的にできるようになる。

日本は北進策や南進策によって米との戦争を避けて英蘭とだけ開戦する選択がある。このほか、航空戦艦への改装や流星などの新兵器の開発、信濃や甲斐といった戦時中の建造もカードイベントの実行で行う

連合国も自ら宣戦を布告すればすべての国が自分で決めたタイミングで参戦できる。しかし、日本の奇襲攻撃で使える「リメンバー!」を使わないと戦争段階が上がらず積極的に戦うことができない状態が続く

 逆に言うと、日本軍が奇襲攻撃を行わないと、連合国軍の反撃が鈍くなることを意味する。文民統制の連合国では、議会の同意を得られないと戦闘による損害を極力抑えなければならないようにルールで設定している。そのため、損失を避けるために大規模な兵力を動員した反撃作戦が難しくなっている。「ならば、日本は奇襲しないほうがいいじゃない」というかもしれないが、その場合、史実ではほとんど反撃を受けずに順調に進んだ南方資源地域の攻略中に完全戦力の太平洋艦隊が逆襲してくる可能性が出てくる。

 このように、「英蘭とだけ開戦」「真珠湾奇襲をしないで開戦」した場合に戦争がどうなるのかを試せるのが大東亜戦争の大きな特徴だ。

戦う国がどこであっても蘭印にある資源地域を占領するのが日本にとって必須となる。問題は、そのタイミングだ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」