自由研究におすすめ! 水がぷるっぷるんのぽよんぽよんになる実験をしたら新生物に出会えた
Twitterで約6万回リツイートされた「水をぽよぽよにする方法」を作って、さらにはぷよぷよやイクラに変身させてみた。
おおお、水が、無重力空間で漂っているみたいにぽよぽよしている!
今年5月、「水をぽよぽよにする方法」という画像がTwitterで約6万回リツイートされ話題になった。2種類の薬品を使うことで水の表面にスケスケの膜ができ、つまんだり手のひらに乗せたりできるようになるという、なんとも好奇心をくすぐるもの。
小中学生にとって夏休みもあと約2週間――自由研究が手付かずで焦っている子もいるはずだ。材料がそろえば3時間くらいで作れてしまうので、ねとらぼ編集部でも“ぽよぽよ水”を作ってみた。
用意するもの
- アルギン酸ナトリウム
- 乳酸カルシウム(Ooho!では塩化カルシウムを使用)
- ボウル3つ
- ハンドブレンダー
- 計量カップ
- 計量スプーンのような底の深いスプーン
- 重量はかり
- 水
作り方
1.ボウルに1カップの水と1グラムのアルギン酸ナトリウムを入れ、ハンドブレンダーで混ぜ合わせる。気泡が無くなるまで約15分間放置。
2.別のボウルに4カップの水と5グラムの乳酸カルシウムを入れ、スプーンで混ぜ合わせる。
3.1で作ったアルギン酸ナトリウム水溶液を底の深いスプーンなどですくって、2の乳酸カルシウム水溶液に慎重に落とす。
4.3分間ゆっくりやさしくかき回す。
5.表面が固まったぽよぽよ水を穴あきスプーンなどですくい上げ、水をいっぱいにいれた別のボウルに入れ、化学反応を止める。完成。
完成したぽよぽよ水をボウルから引き上げた瞬間、「うおおおお」と興奮の声を上げてしまった。思った以上に透明度が高く、水が無重力空間じゃないのにその場にとどまっているような光景が新体験。なかの液体はかなり滑らかで、指で軽く叩いてみると全体がぷるっと振動する。表面の膜はつまんで持ち上げぷらぷら揺らせるほどの強度。ただし慎重に扱わないとちぎれて液体がバシャッとこぼれてしまう。
なぜぽよぽよになるのか。アルギン酸ナトリウムに含まれた「アルギン酸」とは、褐藻などに含まれている多糖類かつ食物繊維の一種で、ワカメやコンブのぬるぬるの素。これが乳酸カルシウムのカルシウムイオンと反応することで、「アルギン酸カルシウム」という水に溶けないゲル状の物質に変化する。ぽよぽよした膜の部分だ。アルギン酸カルシウムは人体への害もないため、人工イクラの皮膜に使われるなど、液体を包み込む手段として食品や飲食業界で幅広く活用されている。
そもそもぽよぽよ水は、2014年春に海外で話題になった「Ooho!(オーホー!)」という“食べられる水の容器(Edible Water Bottle)”(関連記事)が元ネタ。英国ロンドンの研究室「Skipping Rocks Lab」が、ペットボトルなどに代わってゴミを出さずに水を持ち運べる手段として発表したもので、大手世界メディアが取り上げたことで注目を集めた。その後レシピを米Webマガジン「Inhabitat NYC」が公開したことで、実際に作ってみる人なども現れてふたたび話題になっている。
――ということで、食べてみた。
膜を吸うと、ぷちっとちぎれたところから液体が流れこんでくる。うーん、正直おいしくない。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味はほぼ感じられず、ナトリウムとおぼしき独特な風味が口に広がる。食感もとろみが強く、水をイメージして飲むとギョッとする人がほとんどなのでは。基本的にはぷるぷるぽよぽよとした触感を楽しむのが吉!
自由研究にしたい少年少女は、着色料など使えばゲーム「ぷよぷよ」や人工イクラなどいろんなものに変身させられるので、思いつくままの物体を作ってみて欲しい。どうしてアルギン酸じゃなくてアルギン酸ナトリウムを溶かさないといけないんだろう? など、1つ2つ疑問をぶつけて調べるだけでも、化学の世界も深く知れて楽しいよ!
応用その1 ぷよぷよ
応用その2 イクラご飯
(黒木貴啓)
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フリスクPがまたまたやってくれました。
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