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» 2015年08月29日 20時02分 公開

海に眠る“幻の小判”を探す ガチすぎるトレジャーハンティングを体験

幻の小判は1枚の時価約40万円……。

[青山ゆずこ,ねとらぼ]

 今年6月、トレジャーハンティングの聖地とも呼ばれるアメリカ・フロリダ州の沖合で、18世紀スペインの沈没船のものとみられる金貨51枚もの財宝が発見されました。その価値はなんと推定100万ドル(約1億2000万円)!! フロリダ沖は「魔の海域」バミューダトライアングルなどもあり、そんな沈没船のお宝が数多く見つかっている魅惑の地域でもあります。「それは海外の話。さすがに日本にはないだろう」と思いきや……なんと見つかってるんです。日本でも黄金色に輝く小判が!!


画像 やばい、ヨダレが止まらない……

 発見されたのは2005年の初夏。千葉県の塩見海岸を散歩していた男性が、浜辺に打ち上げられている“元文小判”を発見しました。江戸時代(1736年〜1818年)に作られ、金の純度はおよそ65%。時価23万円から40万円もの価値があるとか。千葉県館山市立図書館に保管されている沈没船に関する古文書によると、この海域では江戸時代後期に沈没した船が少なくとも3隻はあるらしい。小判はそのうちどれかの船の積み荷だったのか……?


画像 事前調査で驚きの事実が判明

小判を求めて日本の“お宝探し集団”が動き出す

 「小判はまだ眠っているはずだ!」と動き出したのは、日本で唯一のトレジャーハンター集団、「日本トレジャーハンティング・クラブ(JTC)」。


画像 もしかしたらコレが海の底にざっくざく……

 リーダーは40年以上日本中の埋蔵金やお宝を探し続けてきた、作家の八重野充弘さん。

「小判が発見された2005年以降、捜索された形跡もほぼない。しかし偶然とはいえ浜に小判が流れ着いたということは、まだ水中の岩場の根の部分などに沖から流されてきた比重の大きい小判が引っかかっていてもおかしくないんですよ」

 なんと、話を聞けば聞くほど期待で胸がふくらんでくる……!

 実は私、記者・青山もトレジャーハンター。宝さがしの夢やロマンったら一言では語り尽くせません。子どものときはよく自宅の庭をむやみに掘りまくり、穴だらけにしたものです。そして2012年に日本トレジャーハンティング・クラブに加入。この時をずっと待っていました!


画像 飲み会で見せても、かなり食いついてもらえる「トレジャーハンター証明書」がこちら

いざ、小判の眠る千葉・塩見海岸へ!!

 今回の調査は記者を含め、日本トレジャーハンティング・クラブのメンバー総勢7人。一泊二日で丸2日間ガッツリと潜る今回の日程。大潮の日の干潮時に合わせて、徹底的に砂浜から海底までを洗いざらい捜索します。果たしてお宝は見つかるのか。昨今流行っている、主催者から出題されるパズルなどを解いてお宝を見つけるような、いわゆる「リアル宝探しゲーム」のようなイベントとはワケが違う、本気のお宝探し。水中カメラを片手にスタートです。


画像 実際に小判が発見された浜

画像 捜索の作戦を立てる八重野さん

 記者もウェットスーツに着替え、人生初のシュノーケリングを装着。


画像 浮き輪、まじ大事

 この日の気温は35度超え。照りつける太陽で肌がジリジリと焼けていくのが分かりますが、このワクワクは止められない! 万が一の災難に備え、浮き輪も装備。ぬかりはありません。


画像 キラッと光るものをひたすら探す

 狙うは5メートルから10数メートルの深さにある、岩礁の根っこ。波も比較的穏やかで、どこまでも透き通って見えるような透明度が半端じゃありません。


画像 とにかくめっちゃ気持ちいい


画像 水中でも結構遠くまで見渡せます

 水中では大きな熊手を使って底をかくはんし、キラリと光る小判をとにかく探しまくります。海底は比較的浅いところは一面細かな砂ですが、深いところにいくと階段状のような凸凹した一枚岩があちらこちらに存在します。


画像 波打ち際の岩場。海底にもこんな感じで広がっています

 その形状は宮崎県の有名な“鬼の洗濯板”に似ていて、窪んでいる隙間に小判が沈んでいそうな感じが満載。しかし夢中になって潜っていると、気が付けば相当深い沖に迷い込んでいた記者。海の底だと思い込んでいたものはただの巨大な一枚岩で、岩と岩の間の深さは10数メートル……。なんせ人生初のシュノーケリングなので少しパニックになり、水面に顔を出しているのに海水をストローのように逆に飲みこんでしまいひとり大慌て。持っていた浮き輪にしがみつき事なきを得ましたが、もしものときの安全対策は本当に大切です。

 一人茹でタコのような顔になって必死に泳ぎ続けていたところ、海底に岩でも貝でもない、なにか人工物のようなものを発見……!


画像 「ここ! ここ!」


画像 他のメンバーも加わり、「やっぱりなんかあるよね」


画像 「……あれ? どこいった?」

 海底で見つけたのは、何か年代物のつぼの一部のようなカケラ。ほかにもおちょこの底のような物や、古い陶器でできた網のおもりなどなど。また、釣り竿を船にかけておくような古めかしい部品もいくつか発見。


画像 小判を入れていたツボ?


画像 もしかしたら沈没船の漂着物だったりして……


画像 とりあえず何か見つけたら拾うべし!


画像 錆びつきまくっているが釣りの道具か?

 小判は見つからなかったものの、「この茶色のツボに小判がざっくざく詰め込まれてて、おちょこはこれで沈没船の乗組員が酒を飲んでいたに違いない」と妄想するだけでもメチャクチャ楽しい。「経過を楽しむ」これもトレジャーハンターの醍醐味です。

金属探知機も登場! 砂浜を捜索せよ

 海底の次は砂浜を徹底捜索。実際に小判が発見されたときのように、打ち上げられた小判が時間の経過とともに砂の中に埋まってしまった可能性だって十分ある。数10万円もする金属探知機を使い、発見場所を中心にくまなく探します。


画像 広い砂浜を地道に探知機で捜索

 波打ち際の岩場だって見逃しません。この裏に入り込んでる可能性も。


画像 照りつける太陽にも負けず、ロマンを追いかける男たち


画像 「こんなところも怪しいよね」

 記者も生まれて初めて金属探知機を握らせてもらい、プチ興奮。


画像 「うわ〜本物だ!」

 金属に反応するとメーターの針が反応し、その度合いによって振り切れることもあるとか。

 ……って、写真を見ても分かるように記者が振りかざした地点で、探知機が異常に反応し、メーターの針が振りきれているじゃありませんか!

「え、なになに」

「この辺り怪しいな……」と他のトレジャーハンターさんたちがどんどん集まってくる。

 まじすか。もしかして見つけちゃいましたか。


画像 どんどん反応が強くなっていく

 反応があったポイントをスコップで掘り返すことに。


画像 黄金色にかがく小判が!?

 「もしかしたらキラリと光る小判が見え………」てくることはなく、反応は徐々に静かになっていきました。

 そう簡単には見つからない、だがそこがなんとも楽しい。


画像 空き缶にも反応

 金属探知機は空き缶の破片にも反応してしまうので、浜の至るところで「ピー! ピー!」と音が鳴ることもあるみたいです。残念ながらこのときも空き缶に反応していたようで、黄金色のお宝は発見できず。しかし酷暑の中でもみな終始笑顔で浜や水中を動きまくりの探しまくり。「超真面目に遊んでいる大人たち」は最高に格好良かったです。

「トレジャーハンティングはプロセスが面白い」

 「もちろん結果も欲しいですよ。でもね、経過を楽しんでこそのトレジャーハンティングです」と語るのは、代表の八重野さん。


画像 埋蔵金と向き合い続けて40年以上

 「トレジャーハンティングは夢とロマンがある一方で、一攫千金の欲望にとりつかれてすべてを投げ出し、財産や家族、信用を失ってしまう人々も実際にこの目でたくさん見てきました。一歩間違うと人生を狂わせかねない一面もある。だからこそ結果だけにとらわれず、『真剣だけどすべてのプロセスを楽しんじゃう』という気持ちがなければダメです」

 公式サイトのメンバー募集のページにも、

  • 宝探しをあくまで健全なレジャーとして楽しもうという人。
  • 宝探しを金もうけの手段と考えない人―――という条件がかかれています。

 今回の捜索でも、結果的に小判は見つかりませんでしたが、夕食中もトレジャーハンター同士で埋蔵金伝説で盛り上がったり、「○○県の山中の横穴が怪しい……」「あの崖をどう登るか」とビールを飲みながらの熱い話が最高に楽しかったです。そんな場面も、トレジャーハンティングの面白さの一つのような気がします。

 そして諦めることなくしぶとく挑み続けるのもトレジャーハンターの特徴。「今回の千葉の捜索も発見には至りませんでしたが、今度はもっと沖でダイバーをつかって海底をしらみつぶしに探したい。まだまだ諦めるには早すぎます」と八重野さん。

 いつかこの執念が実を結び、新聞の一面を飾ることを夢見て……トレジャーハンターたちは今日も夢とロマンを追いかけます!


画像 記者が発見した唯一の戦利品、ウニの一種の殻(スカシカシパン)


画像 ……なんとか念じたら黄金に光らないものか。

(青山ゆずこ)

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