服にプリントすれば筋電・心電センサーに 東大、高性能な「導電性インク」を開発
「界面活性剤」の量が決め手に。
» 2015年10月29日 13時19分 公開
[太田智美,ねとらぼ]
10月22〜25日に日本科学未来館で開催されたデジタルコンテンツEXPOで、布地にもプリントできる高性能な「導電性インク」が展示された。このインクは導電性・耐久性に優れ、筋電センサーなどにも実用性があるとしている。
例えば、スポーツウェアなどの伸縮性のある素材にプリントし、3倍以上伸張させるとする。その場合、従来の導体インクであれば導電性を維持することが難しかったり伸張にインクが耐えられなくなったりしたが、この導電性インクは違う。3倍以上伸張させても導電性は十分維持され、耐久性も高い。また何度も重ねてプリントする必要はなく、1度プリントするだけでOKという容易さも魅力だ。一体どのような仕組みなのか。
実は、このインクのミソは界面活性剤を多く混ぜたこと。本来、界面活性剤はゴムと銀を馴染ませるために用いられるが、導電性インクに界面活性剤を混ぜることで高い導電性と伸張性を得ることができたという。
開発者は、東京大学工学系研究科博士課程2年生の松久直司さん。布地に簡単に生体情報センサーをプリントできれば、スポーツや医療分野にも応用できるとして研究・開発を進めている。「検査のときにわざわざ機械的な何かを身体に取り付けるのって嫌じゃないですか。これがあればもうその必要はない」(松久さん)。
(太田智美)
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