現役プレイヤーに聞く、“エアガイツ騒動”の真実ゲームのバグ技問題(1/3 ページ)

突如ネットで話題となった格闘ゲーム「エアガイツ」。その騒動が意味するものとは。現役プレイヤーたちに話を聞いた。

» 2015年12月14日 06時00分 公開

 12月10日、17年前の格闘ゲーム「エアガイツ」が突如ネットで話題となった。Yahoo!リアルタイム検索によると、ここ1週間での「エアガイツ」に関するツイート数は1000件を超える。Yahoo!トップにも大塚ギチ氏による「終焉? 伝道師らによる『エアガイツ』幕引き騒動について」と題する記事が掲載されるなど、多くの人の目に触れる事態となった。

 一体何が起こったのか? 多くの人は、昔のゲームがなぜこれほどの騒ぎになっているのか、理由が分からなかっただろう。騒動の経緯はねとらぼでもまとめられているが、今回改めて現役プレイヤーたちに取材をしたところ、ネット上だけでは分からない事の全容と詳しい経緯が明らかになってきた。17年越しに第2次ブームを迎えた遅咲きのゲームに魅入られたプレイヤーたちは、何を思い、何を語ったのか。

「対戦会終了」宣言とその理由

 事の発端は、エアガイツを世に広めるべく精力的に活動する「あ〜る・滝」さんが定期開催していた「無料対戦会の終了」を宣言したことだ。滝さんは今年1月、17年ぶりに実現された「エアガイツ世界大会」の立役者でもある。今も新規プレイヤー開拓のために自腹を切って毎月フリープレイの対戦会を実施している。地道に活動を続けてきた滝さんは、なぜ突然終了を宣言したのか。

 滝さん本人に尋ねたところ、「誰でも地道にやり続ければ頂点に立てるチャンスがあるといううたい文句でエアガイツを勧めてきましたが、この言葉を信じてプレイしてくれた人を裏切る結果になってしまったからです」と説明してくれた。

あ〜る・滝さん 世界大会で対戦する「あ〜る・滝」さん

 滝さんが言及しているのは、とあるゲーム大会で使われたエアガイツのバグ技について。12月6日に「高田馬場ゲーセン ミカド」で開催されたその大会は、複数タイトルでの結果を競うトライアスロンのような内容で、先述のエアガイツ世界大会で優勝した「東のエアガイツ仮面」も出場していた。エアガイツに精通するプレイヤーは他にはおらず、エアガイツの試合に限っては彼の勝利はほぼ約束された状態。そんな中でも手を一切抜かず徹底的に勝ちにいく姿勢を貫くエアガイツ仮面が初心者なら打つ手なしの強力なバグ技を行使。一方的な試合展開で対戦相手を瞬殺した(ティファvs佐助戦。エアガイツ仮面がティファを使用)。

ティファのバグ技 バグ技で飛び道具の威力をためるティファ(左)。(YouTubeのミカド公式動画から)
低空の飛び道具 超低空で飛び道具を放つティファが圧勝した
バグ技は32分30秒頃から

 これに対し滝さんは、「エアガイツ独自のシステムを覚えなくても勝てる(勝ちやすくなる)ようになってしまった。やり始めの初心者がこのバグ技をやられて倒されたら……いい気分にはなりませんよね」とコメント。滝さんのツイートや対戦動画を見た人たちがこの出来事を次々と話題にしていき、「17年ぶりに発覚したバグでゲームバランスが崩壊。エアガイツを布教したエアガイツ仮面が自らエアガイツを終わらせた」など、事実とは異なるうわさや臆測がまとめサイトやTwitterで拡散。エアガイツ仮面は他のゲーム大会でも優勝経験のある有名プレイヤーだったこともあり、ドラマチックに脚色された情報がネット上で入り乱れ、現役プレイヤーたちも「なぜここまでの騒ぎになったのか?」と困惑を隠せない様子だった。

 しかし、対戦会終了を宣言したのはあくまで布教者としての滝さん。プレイヤーとしての立場から滝さんは「いちプレイヤーとしては、まだまだ現役で頑張っていきたいと思っております。 もちろん対策も練りますよ!」と意欲的だ。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/18/news028.jpg 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  2. /nl/articles/2409/18/news190.jpg 人気格闘家、アイドルと2ショット写真披露するも……表情落差がすごいアイドルにファンから励まし「仕方ない。そこでは勝てない。試合で勝とう」
  3. /nl/articles/2409/18/news137.jpg 森口博子、飛行機内でまさかのアクシデント 「気圧でこんな事に」……ビショビショになってしまった姿を見せる
  4. /nl/articles/2409/17/news102.jpg そうはならんやろ “0円の画材”と“4万円の画材”、それぞれでジョーカーを描いてみた結果に驚き【海外】
  5. /nl/articles/2409/19/news146.jpg 大沢たかお、「キングダム」で20キロ増→近影に驚きの声「王綺将軍とのギャップ……」「随分体型が変化」
  6. /nl/articles/2409/19/news049.jpg 使用済みタオルはどこに置くのが正解? ホテル従業員に“神客”と喜ばれる「チェックアウト時の行動」はこれだ!
  7. /nl/articles/2409/18/news164.jpg 売上7億円超の人気漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴した訴訟が和解 同一原作の後発漫画が出版されトラブルに 出版社は謝罪
  8. /nl/articles/2409/19/news019.jpg 洗濯機から発生する“わかめ”を一発で撃退できる方法! 「早くやれば良かったと後悔」する掃除術が超簡単
  9. /nl/articles/2409/17/news187.jpg 「高くて買えないので作った」 “自作過ぎるPCパーツ”が脱力感あふれるアイデアで反響「超低コスト、超軽量!!」「消費電力0」
  10. /nl/articles/2406/25/news020.jpg 雑草だらけで荒れた庭を、素人夫妻がDIY→2年後…… 目を疑う変貌ぶりに「お見事としか言いようがない」「外国の映画に出てきそう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  2. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  3. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  4. 「僕ですかこれ」 垢抜けたい男性が“劇的イメチェン”→その大変身に「すげええ!」「泣けたわ」と仰天
  5. 第5子妊娠中の宮崎麗香、子どもたちとの“奇跡の1枚”が撮影される ギャップ満載な“現実”ショットも話題に
  6. そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
  7. 天皇皇后両陛下の那須静養、愛子さまが天皇陛下のため蚊を手で払う場面も…… “仲むつまじいショット”が約240万再生
  8. 「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
  9. 合宿前の兄たち、0歳末っ子と離れたくなくて…… メロメロな“別れの光景”に「あーもうなんて尊い」「幸せ」430万再生突破
  10. 雑草だらけの庭が“たった1台の草刈り機”で…… “見事な変化”に7000万再生 「よくやった」「まさにプロ」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」