日本で唯一! りんご飴専門店「ポムダムールトーキョー」に行ってきた

お祭りの屋台で買うものというイメージのりんご飴。ところがこだわりの専門店があるんです。

» 2015年12月22日 11時00分 公開
[姫野ケイねとらぼ]

 真っ赤なりんごを飴(あめ)でコーティングした「りんご飴」。お祭りの屋台で買うものというイメージだが、東京・新宿に日本で唯一のりんご飴専門店「ポムダムールトーキョー」がある。昨年7月にオープンし、じわじわと話題になっている。

 場所は東京メトロ新宿三丁目駅C7出口から徒歩4分。新宿の喧噪(けんそう)から少し離れた場所にある。表には目立つ看板も何も出ておらず、1階がタトゥー屋さんになっている建物の階段を登った2階のドアの前に「ポムダムールトーキョー」と書かれたプレートが下がっているのみ。りんご飴専門店であるだけでなく、シーシャ(水タバコ)の専門店でもある。

ポムダムールトーキョー シーシャも提供している

 一瞬「本当にここがりんご飴屋さんなのだろうか」と疑うくらい隠れ家的な雰囲気。ドアを開けて入店すると、ぷぅんとシーシャの独特な甘い香りが漂い、おもちゃ箱をひっくり返したようなオシャレでかわいらしい店内が広がっている。

 「内装やインテリアはあえてプロっぽくせず、手作りっぽさを出しました。プロっぽさを突き詰めると『かわいい』から遠くなって身近なかわいさではなくなってしまうので」と店主の池田喬俊さん。席はカウンターやソファ席、テーブル席など合わせて15席。店名にもなっている「ポムダムールトーキョー」とはフランス語でりんご飴の意。りんご飴は日本の食べ物かと思いきや、発祥は意外にもアメリカ。海外ではハロウィンなどのイベントで食べられるそうだ。

ポムダムールトーキョー
ポムダムールトーキョー レトロなストーブとヤカン
ポムダムールトーキョー 余った角材を再利用してランプを設置している
ポムダムールトーキョー かわいらしい店内
ポムダムールトーキョー
ポムダムールトーキョー

 カウンター席の横にはりんご飴のショウケース。飴だけでコーティングしたプレーンから、王林(青りんご)を使ったもの、シナモンをまぶしたもの、りんごをチョコフォンデュにするものなど、いくつか種類がある。値段はプレーンが500円、その他は600円。どれにするか迷ったが、一番人気だというプレーンをチョイス。りんご飴はカットされた状態で出される。

ポムダムールトーキョー りんご飴のショウケース
ポムダムールトーキョー プレーン
ポムダムールトーキョー 王林プレーン
ポムダムールトーキョー シナモンをまぶしたりんご飴も
ポムダムールトーキョー チョコフォンデュ

 う、美しい……! 透明なべっ甲色の飴がてらてらと光り、飴に閉じ込められた赤いりんごはプリンセスのよう。カットされた断面はみずみずしく、見ているだけでため息が出てしまう。

ポムダムールトーキョー プレーン
ポムダムールトーキョー 断面がみずみずしい
ポムダムールトーキョー 飴が輝く

 一口かじると、パリッと飴が割れ、中からじゅわっとフレッシュな果汁があふれ出る。飴の甘さとりんごの酸味のバランスがちょうどいい。爽やかなりんごの香りも鼻から抜けていく。こんなにおいしいりんご飴は初めて食べた。

 昔、屋台で食べたりんご飴は飴がやたら固く、口の中で刺さって痛かった覚えがあるが、このりんご飴はコーティングが薄め。飴が口の中で滑らかに溶けていき、刺さって痛くなることもない。そして工夫はもう一点。りんごのお尻にまで飴がコーティングされていないため、片手で持って食べるのが難しくなるところまで食べ進んだときに、焼きトウモロコシのように両手で持って食べても手が汚れないのだ。細やかなところまで気遣いを感じ、ますますりんご飴が美しく見えた。

 もともと何かのお店を開きたかったという店主の池田さん。以前はシーシャ屋の店員をしていたそう。シーシャはカクテルを作るバーテンダーと同じように、その人にしか作れないフレーバーがあるため、シーシャ屋勤務時代の常連のお客さんからは、シーシャ屋さんをやってほしいと言われていた。しかし、シーシャは世間一般的に、どちらかと言うと不健全なイメージがある。「明日が今日より楽しくなるお店」を作ろうと目指したところ、りんご飴をお祭り以外で食べたことがないことに気付き、シーシャとりんご飴という組み合わせを思いついたという。

 「小さい頃に屋台で食べたりんご飴って、懐かしさもありますが、あまりおいしくなかった思い出もあるんです。人は成長に従って、おいしいモノの味を知っていくので、今、屋台のりんご飴を食べても『おいしい』という感動はありません。童心を思い出しつつも、りんご飴に初めて出会ったような感動を与えられるりんご飴を研究して作りました」(池田さん)

 感動を与えるりんご飴を提供するため、りんご選びからこだわっている。時期によって使用するりんごは違うが、8月末はサンツガルを使用。冬の時期はサンフジを使用している。りんごは冬が旬だが、夏は大きな倉庫でりんごを冬眠させているものを取り寄せているそう。夏場はりんごの値段も上がってしまうが、原価の上昇にも関わらず、提供する価格は年中変えないというのもありがたい。

ポムダムールトーキョー

 20〜30代の女性客が多く、土日には行列ができる。テイクアウトもできるのでお土産にもぴったり。夜に朝ご飯として買っていく人もいるという。

ポムダムールトーキョー シーシャのメニューも豊富
ポムダムールトーキョー カウンターの奥にはシーシャのフレーバーの瓶がずらり

 昔懐かしいりんご飴が、何倍もおいしくよみがえっている。“ちょっと小粋な大人のりんご飴”という言葉が似合いそうだ。

ポムダムールトーキョー ちょっと小粋な大人のりんご飴

姫野ケイ

店鋪情報

東京都新宿区新宿5-9-12 KIビル2F

TEL:03-6380-1194

新宿三丁目駅C7出口より徒歩4分

営業時間:13:00〜0:00

定休日:木曜

HP:http://lucky11090321.wix.com/pommedamour-tokyo

Twitter:https://twitter.com/pomedamourtokyo


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」