美と恐怖は隣り合わせ コスプレイヤー・るしゃが読む、伊藤潤二の傑作「富江」

作中の恐怖シーンを再現したコスプレはさすがのクオリティー。

» 2015年12月26日 11時00分 公開
[美女マンガねとらぼ]
美女マンガ
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています


コスプレイヤーのるしゃさん

 日本を代表するホラー漫画家の伊藤潤二さん。その代表作である「富江」は1987年に漫画の連載がスタートして以来、現在までに幾度となく映像化されるなど、長年に渡り高い人気を誇っています。

 同作は、長い黒髪と怪しげな目つきで男性たちを翻弄(ほんろう)してゆく魔性の美少女・富江が巻き起こす、世にも奇妙な恋物語。富江の美しさにひかれる男性たちは、例外なく彼女に異常な殺意を抱き始め彼女を殺害します。しかし、何度殺されても甦(よみがえ)る富江。バラバラに刻んだ遺体の肉片一つ一つが再生し別々の富江となってゆくのです。富江に出会う事により人生を狂わせられる男性たちと、彼らを取り巻く人々の人間模様を描いた同作。

 人気ホラー漫画「富江」の一度読んだら忘れられないストーリー展開と、傲慢(ごうまん)な性格でありながらもなぜかひかれてしまう富江という登場人物の魅力を、コスプレイヤーのるしゃさんに独自の目線で語っていただきました。

黒髪ロングはホラー漫画の影響

コスプレイヤーのるしゃさん

―― 「富江」をチョイスした理由は?

るしゃ

私はホラーが好きというよりも、怖いものときれいなものが組み合わさった作品が好きなんですけど、ホラー漫画ってさまざまなジャンルの漫画がある中で、特にきれいな女の子がいっぱい出てくるんですよね。中でも「富江」は“きれいな女の子”というのをテーマにした作品ということもあって特に好きな作品なんです。


―― 「富江」って、ストーリーが他のホラー漫画とは一味違っていて、一歩間違ったらコメディーになっちゃいますよね。

るしゃ

そうですね。ゴミ箱に頭だけ置かれていたりとか、どんどん富江が増えていって街中富江であふれてしまったりとか。それでもなぜか美しいと言われる富江……。シュールではありますよね。


「富江」のコスプレをするるしゃさん ゴミ箱のシーンを再現した、るしゃさん

「富江」のコスプレをするるしゃさん 怖すぎる

―― 好きな話はありますか?

るしゃ

上巻に収録されている、富江が絵のモデルになる「画家」という回です。それが私の考える富江のイメージにぴったりで。もともとその画家にはお気に入りの専属モデルがいたのですが、富江が現われると急に彼女がかすんで見えてしまって……。


―― 修羅場の予感……。

るしゃ

富江もわざわざ画家とモデルの所まで乗り込んで行って「私の方がきれいだから! 私がモデルになった方がいいんじゃない?」って言ったり。そういうちょっと性格がキツいところにもひかれます。


―― 憧れたりも?

るしゃ

富江は自分が美しいというのを理解した上で悪事を働いてるじゃないですか。そこがすごく分かりやすいというか、突き抜けている感じがして。富江は悪者でしかないので、その“なりきってる”部分に対する憧れはあります。


―― なるほど。自分と似てるなと思うことってありますか?

るしゃ

それは……ないですね(笑)。でも、ないからこそひかれるのかもしれないです。“ここまで行けたらいいな”っていう憧れの方が強くて。私実は、自分が黒髪ロングなのも、ホラー漫画が好きだからなんですよ。


―― え、そうだったんですか! いつごろからその髪型に?

るしゃ

気付いたときには、もう(笑)。染めたりパーマをかけたりしてほかの髪型にしたことも過去に何度かあったんですけど、なんかしっくりこなくて。自分の思い描く美しさと違ったので、結局黒髪ロングに戻したんです。


キレイと怖いは紙一重

コスプレイヤーのるしゃさん

―― 今までに富江のコスプレをした経験はありますか?

るしゃ

ないんです! なので今回が初めてです。今まではほかのコスプレイヤーさんの富江コスを見て満足していました。今回カメラマンさんと話していたのが、“るしゃと富江の区別をどう付けるか”ということです。髪型が一緒なので(笑)。


―― 「もしかしたら今日、最初から富江コスで来られたのかな」と思ってました(笑)。

るしゃ

うれしいです! いつもこうなんですけどね(笑)。富江っていつも自信満々な人なので、表情とかでそれを出せたらなって思っています。


―― 「富江」って他のホラーと比べても独特な描写が多いですよね。

るしゃ

富江が美しすぎるあまり、周りの男の人たちが最終的に富江を殺すことになってしまう。最初は美しい少女だから近付いたのに、顔が二つになったりとか徐々におかしくなり始めて……。それでも男の人はみんな富江が美しいって言うんです。その狂気に引き込まれるというか。


―― るしゃさん自身、作品に出てくる男性と同じ気持ちになった経験はありますか?

るしゃ

一歩間違えればそうなりそうだなって思ってます、いつも。


―― いつも!?

るしゃ

きれいなものにひかれてそれを追い求めるあまり、ちょっとおかしくなるって気持ちは分かりますね。


―― 周りの人が何を言おうと“自分はこれが大好きで美しい”と信じて何かにハマった経験はありますか?

るしゃ

ホラー漫画自体がそうです。きれいな女の子がいっぱい出てくるジャンルの漫画なのに、そういう目で見てない人が多いというか……。でも、あるホラー漫画家さんとお話させていただいた時に「キレイと怖いは紙一重」って言ってたんです。その言葉が私にはすごく納得できて。“お花がきれい”とかいったものとはまた違ったきれいさがホラー漫画にはあるんです。きれいすぎて怖いとか。


「富江」を読むときは男性側の気分で

―― 今まで何度も実写化されてきましたけど、どの作品がお気に入りですか?

るしゃ

全作品見ましたけど、私は仲村みうさん主演の「富江 アンリミテッド」(2011年)がお気に入りです。イメージ通りで、「死ぬシーンとかも、最高! 死に方美しい!」みたいな。


―― 死に方が美しいってなんだか新鮮ですね。ちなみに、るしゃさんは富江のように誰かに狂うほど思われたりしたいですか?

るしゃ

いえいえ、実際されたらさすがに警察に通報……ってなっちゃいます(笑)。というか私は富江がタイプです。美少女がもともと好きだし。


―― 男だったら富江に振り回されてみたかったり?

るしゃ

そうですね。ちょっとひねくれていてもそれすらいいというか、キレイだけじゃなくて毒があったり。人間の内面を描いた作品が好きなんです。ちょっとグロイところも含めて。


―― なるほど。もしかして、るしゃさんは完全に男性目線で富江を読んでいます?

るしゃ

気持ちは富江寄りじゃなくて男性寄りです。男性の立ち位置で読んでます。「こんなにきれいだったら仕方ないよなー」って。顔がきれいなだけの人はいっぱいいるけど、富江はにじみ出る狂気が周りの人をおかしくしちゃう。富江って、「なんでこうなったの?」って分からない部分も多いのでそこも面白いです。


―― 「富江」に出てくる男の人たち、みんな狂ってしまいますからね(笑)。

るしゃ

男の人がここまで狂うともはや気持ちいいですよね。ほかの漫画だと女の子が恋に悩む話が多いですけど、逆に男が悩んで狂気に走っちゃう感じが読んでいて爽快です。


―― 今までホラー漫画を読んだことがない人に「富江」をおすすめするとしたら?

るしゃ

こういう作品を読んだことない人がいきなり読むとビックリすると思いますけど、ホラーに触れてない人なら尚更普段このような作品を読む機会って無いと思うので、一度味見をするような感じで読んでみてほしいですね。飾っておきたい美しさ。きれいなものがおかしくなっていくっていう展開に引き込まれると思うので、ぜひ手に取って読んでみてください!


―― 本日はありがとうございました!

 ハッとするほどの美貌に黒髪ロングヘアーという姿がよく似ている富江とるしゃさん。しかし実は、るしゃさんは男性目線で「富江」を読んでいた、というエピソードが意外でしたね!

 異性を狂わす側と異性に狂わされる側、どちらの目線で読んでもスリルを味わえる同作は、まさに名作と呼ばれるにふさわしいホラー作品です。ホラーは読んだことないけど、だけど美しい物は好き、というアナタ! ぜひ読んでみては?

 というわけで美女マンガは用意しました! 先生に許可をいただき第一話を無料お試し読みできます。先生! 本当にありがとうございます!


 るしゃさんは、3万5000サークルが出展する2015年最後のビッグイベントのコミックマーケットに出演予定。2015年のるしゃさんの見納めにいきましょう♪

コミックマーケット89

2015年12月31日(火)@東京ビッグサイト コミックマーケット 東19a

りんかい線 国際展示場駅 から徒歩7分

ゆりかもめ 展示場正門前駅 から徒歩3分

都営バス 東京ビッグサイト

水上バス 東京ビッグサイト から徒歩2分


コスプレイヤーのるしゃさん

るしゃさんプロフィール

名前:るしゃぴぴ・にゃりルー・レロ

ニックネーム:るしゃにゃん

身長:150センチ

好きなもの:美しいもの、ホラー

HP:https://lechat.jp/

美しいものとホラーを愛するコスプレイヤー&モデル&シンガー。

コスプレイヤーとしての定評とビジュアルの良さから企業の各種イベントやイメージモデルなども務めている。

2014年8月からバンド「初音階段」のボーカルとして加入。

活動の場は日本国内だけに止まらず、スイス、イギリス、ポーランド、ドイツ、香港など海外でもライヴを展開している。


フォトギャラリー

コスプレイヤーのるしゃさんコスプレイヤーのるしゃさん「富江」コスのるしゃさん
「富江」コスのるしゃさん「富江」コスのるしゃさん制服姿のるしゃさん
「富江」コスのるしゃさんコスプレイヤーのるしゃさんコスプレイヤーのるしゃさん

「美女マンガ」モデル募集 「美女マンガ」ではマンガが大好きなモデルさんを募集しています

© COPYRIGHT 美女マンガ

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/07/news026.jpg スーパーで買ったニンニクを土に植えると…… ぼこぼこ増える驚きの簡単栽培に「たくさん出来て最高」「植えてみよう」
  2. /nl/articles/2410/06/news064.jpg 「本当に56歳…?」 “王騎”大沢たかお、“腕と足の太さがほぼ同じ”の圧倒的肉体を披露 「かっこよすぎる」
  3. /nl/articles/2410/06/news065.jpg 「10歳くらい若返ってる」 約300万円の“壮絶な若返り手術”をした人気インフルエンサー、経過や詳細明かす
  4. /nl/articles/2410/06/news045.jpg モグラに似てる“ヤベぇ虫”を、2カ月育ててみたら…… 感動の展開に「これはマジで凄い」「学術発表レベル」
  5. /nl/articles/2410/07/news039.jpg 全てダイソーで買える、とんでもない勢いで増える“めっちゃうまい草”、知ってる? 驚きの増えっぷりとレシピに「すごい再生力だ」「来年やります」
  6. /nl/articles/2410/07/news157.jpg 大谷翔平の妻・真美子さん、「ドジャース奥様会」で笑顔 「真美子さん発見」「ファンです」
  7. /nl/articles/2410/07/news119.jpg 運転は「日本では絶対無理」な車種 たむらけんじ、“自慢の愛車”を紹介 「めちゃくちゃでかい!」
  8. /nl/articles/2410/06/news026.jpg レイヤーの普段着とコスプレを比較→ビフォアフが両方カッコよすぎて16万いいね 「まじでカッコよすぎない?」「面が良すぎて泣いてる」
  9. /nl/articles/2410/07/news009.jpg 韓国人が「日本語だと知らずに使っている日本語」が意外すぎて42万再生→ほっこりするオチに「全部持ってかれた」「お母さんかわいすぎwww」
  10. /nl/articles/2410/07/news107.jpg 人気TikTokerが25歳で死去、臓器提供へ 「何よりも人の命を救いたいと望んでいたから」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声