ニュース
» 2016年01月06日 21時53分 公開

スタバ「福袋買い占め」で利用客に謝罪 先頭グループが108個すべて購入 個数制限なしの理由は

ネットでは買い占め客のモラルと店舗側の対応に批判が相次ぐ形に。

[黒木 貴啓ねとらぼ]

 1月2日、「スターバックス・コーヒー」のある店舗が福袋を販売したところ、先頭の5人組が在庫108個をすべて買い占め、後ろに並んでいた客が購入できない事態が発生しました。ネットでは買い占め行為やスターバックスの対応に批判の声が続出。スターバックス・コーヒー・ジャパンの広報担当者は「イレギュラーな事態で購入できなかったお客様には謝罪するとともに、出来る限りの対応に努めております」とコメントしました。

スターバックス スターバックスの2016年度福袋の告知ページ

 福袋とは、スターバックスが毎年お正月に全国の店舗で販売している3500円と6000円(いずれも税込)の商品。各店それぞれ一定数を用意し、なかにはタンブラーやコーヒーの粉、ドリンクの無料チケットなど、スターバックスのアイテムが数点入っています。各商品を買うよりお得な内容となっており、店舗によっては早朝から並ばないと手に入らないところもあるなど人気の福袋です。

スターバックス 「ヤフオク!」に売り出されている2016年福袋(6000円)の1つ

 買い占めが起こったのは「二子玉川ライズドッグウッドプラザ店」(東京都世田谷区)。3500円と6000円の福袋を合わせて108個用意し、オープン時間の7時から販売し始めました。開店前から店頭には福袋目当ての列ができていたのですが、先頭には5脚の携帯イスが置かれ、持ち主は店近くに停めた車の中で待機。オープンに合わせて車から先頭へ5人が戻り、個数制限がないということで108個すべての福袋を買い上げました。

 Twitterでは実際に朝5時から並んだというユーザーが、同店で買い占めがあったことを「椅子置いといただけで並んだに入るって酷くない??」とツイート。さらにはInstagramにスターバックスの福袋を100個以上並べた写真を「個数限定がなけれりゃ全部買いますよね?!」と投稿している人が発見され(投稿は削除済み)、本件に対しネット掲示板やTwitterで批判のコメントが相次いでいます。

 批判や疑問の的となっているのは主に2つ。ほかの客が並んでいたにも関わらず買い占めた5人のモラルと、個数制限を設けるなどして買い占めを防げなかったスターバックス店舗側の対応です。

 年始は人気の福袋をネットオークションで転売して儲けようとする人が少なからず現れます。すでに「ヤフオク!」では2016年のスターバックスの福袋が約1600件売りに出されているのですが、2種類あわせて1万5000円など、定価以上でないと落札できない商品も散見されます。

スターバックス 「スターバックス 福袋 2016」でヤフオク!を検索した結果(価格の高い順)

 こうした現状から5人の買い占めは転売による儲けを狙ったものだとし、福袋の中身が欲しい客をないがしろにした悪質な行為と、ネットでは非難する人が数多く発生。転売目的でないにしろ、ほかにも福袋目当ての客が明らかにいるのに買い占めを行った、5人のモラルを疑う声が上がっています。

 一方で、買い占めを未然に防ぐ対応ができなかったことに店舗側への批判意見もあります。「制限付けないスタバが悪い…マナーが守れないなら、規則を付けるしかない」「多数の客に配慮できない店員しかいない店に、買えなかった人たちはその後通ってくれるんだろうか?」など。タレントのクリス松村さんも本件に対しブログで、買い占め側の倫理感に疑問を呈しながらも、「(現場が)とっさの判断が出来なかったことが問題だと個人的には思います」と触れました。

スターバックス クリス松村さんのブログエントリ「買い占め、転売いいの?

 スターバックス・コーヒー・ジャパンの広報担当者によると、福袋は普段の客層や例年の販売実績に応じて、店舗ごとに個数制限を設けるかどうか判断しているとのこと。二子玉川ライズドッグウッドプラザ店は住宅街に位置しており、利用客も地域の住民が主です。過去に買い占めはなく、友達や家族から購入を頼まれた1人客などにも対応したいというサービス精神から、あえて個数制限は設けなかったと言います。

 実際に5人組が買い占めるとき、現場がどのような対応をしたのか詳細は不明。本件を受け近隣店舗の「玉川高島屋S・C店」では、予定になかった個数制限(1人3個まで)を急きょ設けることにしたそうです。

 「今回の買い占めは完全にイレギュラーなものでした」と広報担当者。長時間並んだのに購入できない客がいたことについて「お客様には大変申し訳無いことをしたと思っています。本人に対して出来る限りの対応を務めています」と、当事者への謝罪の意を示しました。今後福袋の個数制限を全店舗で実施するかどうかは「検討中」と回答しています。

 コーヒーカップに客を労うメッセージを店員が書き込んだり、渡し損ねたお釣りを本人へ郵送したりと、現場独自の“神対応”も耳に飛び込んでくるスターバックス。買い占め行為を防ぐためマニュアルを設けるのも一手ですが、現場で店員が生み出す良サービスの芽を摘む可能性もあります。来年の福袋では利用客本人から不満が出ないような、スターバックスのより良い店舗づくりに期待したいです。

 ちなみにスターバックスの福袋には限定品が入っているといううわさがあり、これが転売品の高騰を招く原因の1つとなっています。広報担当者によると、実際には「東京限定」や「○周年記念」といった希少性の高い地域・期間限定品が入っているわけではなく、比較的自分で手に入れられるアイテムが入っているとのこと。店舗ごとに中身の違いは若干あるものの全体的に似通っており、店舗独自の色が特別濃いわけでもないそうです。限定品というプレミア感を求めて高価な転売品に手を出しかけていた人は、心に留めておきましょう。

黒木貴啓


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/27/news041.jpg 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. /nl/articles/2311/27/news076.jpg ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  3. /nl/articles/2311/26/news055.jpg 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  4. /nl/articles/2311/27/news026.jpg ワンコが華麗なスライディングで「おかえりぃぃぃぃい!!」 愛情ダダ漏れなお出迎えに「たまらない」「寄り道できませんね」
  5. /nl/articles/2311/26/news010.jpg ワンコ、飼い主が手のひらを出して“あご乗せ”を促すと……? もん絶級の行動が「思わず声出る」と447万件表示突破!
  6. /nl/articles/2210/05/news127.jpg 「セッ…ックス知育玩具」 省略する位置がとんでもないオモチャの名前にネットがざわつく
  7. /nl/articles/2311/27/news046.jpg どんくさい猫ちゃんの“やんのかなぁ?ステップ”にSNS爆笑! 「可愛い過ぎ」「やらんのかーいww」
  8. /nl/articles/2311/25/news023.jpg 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  9. /nl/articles/2311/26/news017.jpg 仲良く撮影しているのかと思ったら…… コスプレイヤーの“理想と現実”に「腹がよじれる」「好きw」
  10. /nl/articles/2311/26/news044.jpg 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  4. 野球観戦中の山本彩、外国人男性から話し掛けられたと思ったら…… “まさかの人物”にファンざわつく「ナンパやろなぁ」「眼鏡姿がかわいすぎる」
  5. 山口智子、愛車のポルシェを運転する夫・唐沢寿明を助手席から密着撮影 夫婦の姿に反響「何年たっても素敵すぎる」
  6. 明日花キララ、還暦迎えた“普通じゃない母親”にファン衝撃 「美魔女すぎんか!?」「遺伝子が強すぎて眩しい」
  7. 川釣り中に溺れてるモグラを発見→網ですくうと…… 1400万再生超の救出劇に「死にますよww」「モグラの恩返しが」の声
  8. 大の酒好き・いとうあさこ、無症状の“重大疾患”4つを告白 現状は問題ないものの「一生なくならないんだって」
  9. リードが千切れ迷子のワンコを保護、飼い主を必死に探し始めると…… 優しさの連鎖に「大感動」「偶然がいくつも重なった」
  10. ペット禁止物件に住む夫妻が子猫を保護→ダメ元で兄にLINEしたら…… 拍子抜けな返答と3カ月後の現在に心あたたまる
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!