NY・タイムズの伝説的フォトグラファー、ビル・カニンガム死去 アン・ハサウェイらセレブも追悼
無報酬を貫き、青い作業着と自転車でニューヨークを駆け抜けた。
フォトグラファーのビル・カニンガムが、脳卒中で倒れた2日後の6月25日に87歳で亡くなった。米The New York Times紙が報せた。
50年以上に渡り同紙でファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム「EVENING HOURS」を担当していたカニンガムはストリート・ファッション・スナップの祖とも言われ、ニューヨークの路上でセレブやファッション関係者と一般市民を区別することなく写真を撮り続けた。映画「プラダを着た悪魔」のミランダ役モデルとも言われる米VOGUE誌の編集長アナ・ウィンターが「私たちはビルに写真を撮られるために服を着ている」と発言したのは有名。カニンガムはビッグネームかどうかには全く興味がなく、ウィンターでさえも写真を撮られないことがあったという。米VOGUE誌はカニンガムの訃報を受け、彼の若いころの画像をInstagramに投稿している。
カニンガムの独特の生活スタイルや、仕事に対する行動規範は、リチャード・プレス監督による2011年公開のドキュメンタリー映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」で記録されている。この映画には10年の歳月が費やされ、うち8年はカニンガムの説得にかけられた。作中に見られるカニンガムの生活は極めてストイックで、トレードマークの青い作業着をまとい、自転車で街を移動し、雨の日には青のポンチョを被り、破れるとテープで補強され、ひたすら仕事に熱中する日々だった。住居はカーネギー・ホールのうえにあるアパートの小さな1室で、写真のネガを補完するためのキャビネットと、その間に簡易ベッドが置かれているのみ。日曜日には教会に通った。
2008年にはフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエを叙勲。その際「私は仕事をしているんじゃない。ただ毎日を楽しんでいるだけ」と発言した。
彼を慕うセレブも多く、特にニューヨーク在住のセレブたちは主にInstagramで次々に追悼。「プラダを着た悪魔」「アリス・イン・ワンダーランド」「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」などで知られる女優のアン・ハサウェイは自身のInstagramで「本物の紳士で、素晴らしい芸術家。あなたがいなくて寂しい」とカニンガムとの1枚にコメント。
「E.T」「チャーリーズ・エンジェル」などで知られる女優のドリュー・バリモアもまた、「彼はレジェンドだった。優しかった。特別で、唯一無二の人」とカニンガム氏と写った画像を投稿した。
「チャーリーズ・エンジェル」「キル・ビル」で知られる女優のルーシー・リューや、「Mommy/マミー」で第67回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞した俳優で映画監督のグザヴィエ・ドランもInstagramにカニンガムの画像を投稿。
さらにテレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」で知られるサラ・ジェシカ・パーカーも2枚の写真を投稿し、うち1枚には「あなたとあなたのゴージャスな笑顔が見られなくなるのはひどく寂しい」とコメントし、ニューヨークのストリートにおいてカニンガムは不可欠な存在であり、大きく様変わりしてしまうだろうと、カニンガムの重要性について言及した。
「金は最も安っぽく、自由は最も高価」として誰にも口出しをさせないために無報酬を貫いたというカニンガム。社交パーティで写真を撮る際には中立性を保つため、会場の人からどれだけ勧められても水1杯口にしなかったという。
その人格と仕事ぶりの両方により尊敬を集めていた故人の死は、ファッション業界にとどまらず多くの人から惜しまれている。
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