100万匹のゴキブリを飼育するG専門家たちに聞く ネットの「ブラックキャップ最強説」は本当なのか? (1/2 ページ)
アース製薬の専門家に直接聞いてきました。
暑い日が増えてきていよいよ夏到来といった雰囲気。そうなってくると気になるのが黒光りするアイツらの存在です。
7〜8月はゴキブリの活動が最盛期を迎えます。そんなときに頼れるのはやはり殺虫剤などのゴキブリ対策グッズ。ゴキブリが何より苦手な筆者が、専門家にこの時期のG対策について聞いてきました。
答えてくれたのはアース製薬で研究用のゴキブリ100万匹を飼育している有吉立さんと、そんなゴキブリを使って商品開発を行っている安台梨乃さん。経歴の時点でだいぶ壮絶そうな仕事ぶりがうかがえます……。
50万匹のゴキブリを放し飼いにした飼育室
まず「ゴキブリを飼育している」という事実が大きな驚き。アース製薬では本物のゴキブリを使って薬剤のテストなどをしており、有吉さんはそのためのゴキブリ約100万匹を管理しています。飼育ケースに分けて育てているものもいますが、約50万匹は5畳ほどのスペースに放し飼いにされているとのこと! よっぽどゴキブリが好きなのかと思いきや、実は入社するまでは人並み以上に虫が苦手だったと言います。
「もともとゴキブリは苦手で、家で出たときは家族を呼んで退治してもらっていたくらい。虫の飼育の仕事がしたかったというわけではなく、あくまで生活のために入社したという感じでした。最初はハエや蚊の飼育を担当していたんですが、ハエのウジの臭いがすごく気持ち悪くて……しばらくはお昼ごはんが食べられなかったのを覚えています」(有吉さん)。
ゴキブリを担当するようになってからも手からゴキブリが登ってくるなど、思わず悲鳴をあげるような恐怖体験は多かったとのこと。ただ、有吉さんが部屋に入ったときに逃げていくゴキブリを見て「ゴキブリも人間が怖いんだ」と気付いてからは少し恐怖が薄れたそうです。なお、ゴキブリを克服する方法について聞いてみると「ケースなどにたくさんのゴキブリを入れて慣れるまでじっくり観察するといいのでは」とのことでした。絶対嫌だ。
ちなみに有吉さんが育てたゴキブリはアース製薬の各営業所などに送られており、有吉さん以外の社員にも素手でゴキブリの標本を作ったりお昼ごはんを食べながら隣のゴキブリにエサをやったりする人がいます。アース製薬すげえ……。
ゴキブリというと放っておいても増えるイメージがありますが、実は意外と飼育するのは大変なのだそう。
「ゴキブリの飼育はとにかく温度と湿度の管理が大切。飼育室の温度は25〜28℃、湿度は40〜50%に保っています。夏の間だと1匹のゴキブリは2カ月ほどかけて約500匹分の卵を産みますが、ゴキブリコバチという天敵が卵に寄生して食べてしまうことがある。月に1万匹ほど供給しなくてはいけないため常に注意を払っています」(有吉さん)。
生命力の強いイメージのあるゴキブリですが育てるとなると結構繊細なもよう。ちなみにネット上ではゴキブリの天敵であるアシダカグモが「最強のハンター」「アシダカ軍曹」などと呼ばれて人気ですが、その点についても聞いてみました。
「最強とはいかないかもしれませんが、アシダカグモがいる家でゴキブリが減るのは事実ですね。あとはムカデもゴキブリの天敵なので、見方によっては益虫と言えるかもしれません。ただ、どちらも部屋で放し飼いにするのは勇気がいる見た目だと思いますが(笑)」(有吉さん)。
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