いつの世も人は不倫にドハマリする 一途ストーカー女子が恋の泥沼に沈むSF「あげくの果てのカノン」ねとらぼレビュー(1/2 ページ)

一途女子×不倫×SFってどんな新しいタイプの地獄だよ!?

» 2016年07月08日 19時00分 公開
[青柳美帆子ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 いつの世も不倫の恋は盛り上がるもの。それは世界が危機的な状況になっていたとしても変わりません。月刊!スピリッツ(小学館)連載中の米代恭「あげくの果てのカノン」は、一途(にストーカーをする)女子がズブズブと恋の泥沼にハマっていくお話です。

あげくの果てのカノン コミックス1巻発売中の「あげくの果てのカノン」(米代恭/小学館)。英題は「AND HE ARIIVED AT THE KANON」。い、意味深……

 主人公は23歳の女子・高月かのん。彼女が小学生だった時、世界にゼリー状のエイリアンが襲来。地上の都市機能は深刻なダメージを負い、危険な上に毎日のように雨が降る地上で暮らす「地上民」と、地下に生活の場を移した「地下民」とに分かれるようになりました。

 かのんは地上に住み、地上民向けの喫茶店でアルバイト中。そんな彼女には大大大好きな人がいます。それは、高校時代から数えて8年間ずっと片思いしていた境宗介先輩

 かのんの高校時代は先輩一色。毎日先輩への想いを日記につづり、先輩の写真を隠し撮りしまくり、先輩が使った箸袋をこっそり回収し、先輩の彼女をまとめた「彼女アルバム」を作り……と、純情が行き過ぎて完全にストーカー状態。

 先輩の良さを語り出したら(漫画のコマで換算すると)丸々1ページ分にわたるほど。「腐女子に自分の好きなキャラについての萌えを語らせると長い」というのは世の中の真理ですが、かのんの場合は腐ってないけど腐っている。先輩がかのんにとっての推しジャンルなのです。

あげくの果てのカノン 先輩の魅力を語らせると長い女、高月かのん。腐女子かよ……(語弊)

 しかしどんなにTO(トップオタ)的に好きだったとしても、恋が叶うわけではありません。高校を卒業する境先輩に勇気を振り絞って告白したかのんは、「付き合っている人がいる」とフラれてしまいました。

 境先輩は高校卒業後、世界を守る「異星生物対策委員会(SLC)」の養成機関に入学。トップの成績で卒業し、最前線でエイリアンと戦うヒーローに! 振られてもなお先輩が好きで好きでしょうがないかのんは、ファンとして先輩の活躍を見守り、雑誌や新聞の切り抜きを収集することしかできない日々でした。

あげくの果てのカノン 先輩の情報に囲まれて悶えるかのん。ちょっとしたホラー

 ところがある日、かのんのバイト先に先輩が偶然訪れ、2人は再会。しかも久しぶりに会った先輩はちょっぴり「軽い」人になっていて、かのんになぜかちょっかいを出してきます……。激しく恋心を刺激されて混乱するかのん。

「この人を好きでいたら不幸になる。わかっているのに、どうしようもなくずっと好き」

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/20/news049.jpg 高校生の時に出会った2人→つらい闘病生活を経て、10年後…… 山あり谷ありを乗り越えた“現在の姿”が話題
  3. /nl/articles/2411/20/news222.jpg ディズニーシーのお菓子が「異様に美味しい」→実は……“驚愕の事実”に9.6万いいね 「納得した」「これはガチ」
  4. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  5. /nl/articles/2411/20/news054.jpg 「防音室を買ったVTuberの末路」 本格的な防音室を導入したら居住空間がとんでもないことになった新人VTuberにその後を聞いた
  6. /nl/articles/2411/20/news050.jpg プロが教える「PCをオフにする時はシャットダウンとスリープ、どっちがいいの?」 理想の選択肢は意外にも…… 「有益な情報ありがとう」「感動しました
  7. /nl/articles/2411/21/news083.jpg 間寛平、33年間乗り続ける“希少な国産愛車”を披露 大の車好きで「スカイラインGT-R R34」も所有
  8. /nl/articles/2411/21/news085.jpg 「もしかしてネタバレ?」 “timeleszオーディション”候補者がテレビ局を退社 ディズニーの“船長”としても話題
  9. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
  10. /nl/articles/2411/21/news018.jpg グルーミングが出来ない生まれたての子猫、とんでもない体勢になり…… 想像以上のへたくそっぷりに「どこにも届いてないww」「反則級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた