欧州最大のゲーム見本市「ゲームズコム」にコスプレイヤーが集まる理由とは?
ドイツのゲーム見本市「ゲームズコム」には多数のゲームファンにくわえてコスプレイヤーも訪れます。
欧州最大のゲーム見本市gamescom(ゲームズコム)が8月17日から21日までドイツ西部の都市ケルンで開催されました。最新のゲームソフトやハードを体験できる世界的なイベントで、今年は世界97カ国から34万5000人が来場。出展企業も世界54カ国から877社と破格のスケールです。一般入場チケットは事前に売れ切れ、当日券が発売されないほど人気のイベント。一般デーの初日に参加しましたので、その模様をお伝えします。
ゲームズコムの会場はケルンの中心部にある見本市会場ケルンメッセで、ほぼすべての施設となる13のホールを使用して開催されます。このうち5つのホールはビジネスエリアで一般来場者は入れないエリアですが、いずれにせよ会場は巨大でした。
ゲームソフトの展示といっても、コンシューマ機用からPC用、オンライン・ゲーム、スマホ用までと非常に多岐にわたっています。ほとんどのブースでいわゆる試遊台が用意され、最新タイトルを体験できるようになっていますが、人気ブースは2時間待ちという混み具合でした。
今年のトレンドはヴァーチャルリアリティ(VR)。専用のヘッドセットを使用したゲームを体験できるブースが各ホール、メーカーの大小の規模を問わずあちこちで見られました。
お昼を過ぎたころから外の入場待機列にいた人たちが会場の中に入ったためか、混雑はピークに。どのホールも移動が大変なほどの盛況ぶりでした。
中には軍用車を展示するブースも。シミュレーションゲームの展示にしてはとても迫力があり気になったので迷彩服を着た人に話しかけたところ、なんとドイツ連邦軍のブースでした。情報部隊の広報活動を行っているそうです。
「もしかしてゲームファンをリクルートするのが目的?」と思い聞いてみたところ、そうではなく「ゲーム見本市に限らずさまざまな大型イベントに積極的に参加し広報活動を行っています」。ゲームが得意なユーザーを勧誘するものではないそうです。背景には、兵役の義務が廃止になり連邦軍を身近に知る機会が減っているという事情があるのだとか。
コスプレイヤーを大事にするゲームズコム
ゲームズコムではコスプレをした一般来場者をちらほら見かけます。実はそういったコスプレイヤー向けに「コスプレ・ヴィレッジ」というエリアが用意されています。そのコンセプトや設置の経緯について「コスプレ・ヴィレッジ」の担当者アンドレアス・デーゲンさんに話を聞くことができました。
コスプレ・ヴィレッジは2012年にスタートし、2015年からはデーゲンさんのチームが運営を担当。コスプレ・コンテストが開催されるステージや写真撮影ブース、交流の場を提供する複数のエリアからなります。撮影ブースは中世やSF、終末世界、コミック、花見をイメージした設定でコスプレイヤーが自由に写真撮影を楽しめるようにしたとのこと。アニメコンベンションとの違いについて、「ゲームなどのコスプレに幅広く対応するのが特徴で、アニメのコスプレをイメージしたのは花見のセットだけ」だそうです。
コスプレ・ヴィレッジの設置は、ゲームズコムの主催者から打診があったため。コスプレで参加する来場者の増加を受け、せっかくの機会なのでコスプレイヤー同士の交流の場を提供したいとの思いがきっかけだったようです。
デーゲンさんによると、コスプレイヤーからの反響も今のところよく、来年以降も実施する予定。今後は、来場者が一緒に参加できるようなインタラクティブな企画を考えたいとのことでした。
「コスプレ=日本」ではない?
ゲームズコムではアニメコンベンションと違い日本以外の作品のコスプレが非常に目立ちました。コスプレ・ヴィレッジの写真撮影ブースが、必ずしも日本のアニメやゲームのみのコスプレを対象にしたものではないという部分に反映されるように、「リーグ・オブ・レジェンド」など海外のオンライン・ゲームのコスプレが一大勢力となっていました。
最後に会場でお会いしたコスプレイヤーの皆さんをご紹介します。
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