『Fallout 4』ファンの死を悼んで公式がNPCとして登場させる、再会した亡き弟がゲーム内でくれたもの

Bethesdaの心遣いが、海外フォーラムを中心に賞賛されている。

» 2016年09月08日 09時00分 公開
[Ritsuko KawaiAUTOMATON]
AUTOMATON


 先日、Bethesda Softworks(以下、Bethesda)は、病気の弟を亡くした『Fallout 4』のファンへ哀悼の意を込めてケアパッケージを送ると共に、先月リリースされた最新ダウンロードコンテンツ「Nuka-World」に、彼の弟をNPCとして登場させた。兄弟そろってシリーズの大ファンだったという二人は、昨年に若くして父親を失ったばかりだった。悲報を聞きつけたBethesdaの心遣いが、海外フォーラムを中心に賞賛されている。

ウェイストランドで再会した兄弟の絆

 シリーズをこよなく愛し、『Fallout 4』を500時間以上遊んできたという“NoohjXLVII”ことAndyさんは、昨年56歳だった父親を失ったばかり。ダウンロードコンテンツ「Automatron」(短めのシナリオが追加されるほか、オリジナルのロボットNPCがクラフトできるようになるDLC)が配信された際、彼は父の名を冠した二足歩行型セントリーボット「GR-36」(父の名前がGREGだったことから)を作ったという。ベースにセントリーボットを選んだのは、大きかった父の背中を投影させるため。右腕に装備されたハンマーとノコギリは、日曜大工が趣味だった父の思い出そのもの。今は亡き父とゲーム内の荒野を旅することで、Andyさんは親子の絆を確かめたのだ。

 そんな矢先、24歳の弟、Evanさんが集中治療室へ運び込まれた。糖尿病によって引き起こされた深刻な状態で、助かる見込みは絶望的だったという。彼もまた、兄同様に『Fallout』シリーズの大ファンであり、もし現実にフォールアウトが起こったとしたら、スーパーミュータントになりたがっていたと、Andyさんは語る。グールになりたい兄と共に、世界を永遠に旅することを空想していたのだとか。病院から知らせが届いた時のAndyさんは、ちょうど弟に見せようと「Contraptions Workshop」(ダウンロードコンテンツ第3弾、多数の工業系ワークショップアイテムが追加される)で制作していた建物を完成させたばかりだった。その後、Evanさんの脳機能は停止。間もなくして静かに息を引き取った。

 Andyさんは2か月前、立て続けの不幸で悲嘆に暮れる中、この体験をフォーラムサイトRedditでシェアすると共に、かけがえのないゲーム体験を提供してくれたBethesdaに対して、心から感謝の気持ちを述べていた。すると、悲報を聞きつけたBethesdaのサポートチームから、Andyさんの家族に哀悼を表して、手紙を添えたケアパッケージが送られてきたという。そこには『Fallout 4』のオリジナルTシャツやジグソーパズル、VaultスーツカラーのXbox Oneコントローラー、オリジナルサウンドトラック、ボブルヘッド人形、デスクローのぬいぐるみなど、彼を元気づけるために数え切れないほどのグッズが詰め込まれていたのだ。しかし、公式のサプライズは、これだけには留まらなかった。

 今月はじめ、AndyさんはRedditで再び近況を報告。8月30日にリリースされたばかりのダウンロードコンテンツ第6弾「Nuka-World」に、BethesdaがEvanさんをNPCとして登場させてくれたと明らかにした。『Fallout 4』のキャラクターとなった「Evan」は、追加マップの南端に位置する自宅に住んでいる。また、彼に話しかけるとクラフトレシピ「Nuka-Love」を無償で提供してくれる。裏はないし、罠でもない。『Fallout 4』をこよなく愛したEvanさんは、荒れ果てたウェイストランドに一筋の光を当てるヒューマニティの良例になったのだ。ちなみに、「Evan」は不死身に設定されている。亡き弟にゲーム内で再会したAndyさんは、ゲームキャラクターになったEvanさんについて、あふれる想いを次のように伝えている。

 「ずいぶん華奢になったものだよ。本当の彼はMcDonough(ゲームに登場するDiamond Cityの市長)くらいデカい。もし黒縁メガネをかけていたら、まさにソックリさんだよ。だけど、彼の内面は結構いい感じに捉えられてる。言葉遣いは彼そのものだよ。あいつはシャレばかり言ってるおかしなやつでもあったけどね。Bethesdaの皆さん、改めてありがとう。この恩は一生忘れないよ」。さらに、彼はEvanさんに出会う全てのプレイヤーにメッセージを残している。「追伸、彼から物をもらっても悪く思わなくていいよ! 彼は受け取って欲しいんだから。それに現実世界でも、あいつは助けを必要としている誰かのために、着ているシャツを差し出すようなやつだったから」。

関連記事

Copyright (C) AUTOMATON. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」