セラピー犬たちと触れ合える「人と犬との憩いの場所」はモフモフ天国! 最高に癒されてきた(2/2 ページ)
高齢者や寝たきりの方がいる施設をセラピー犬が訪れると、普段はリハビリに積極的でない患者さんも、ワンコに触るために手を動かして、心の癒しだけでなく、リハビリのお手伝いにもつながるそうです。また、犬を触ると、脳内から「幸せホルモン」とも言われるオキシトシンが分泌されます。末期のがん患者がセラピー犬を触っている間はオキシトシンの作用により、痛みが軽減されるのだとか。そしてオキシトシンはセラピー犬を触っている人間だけでなく、触られているセラピー犬でも分泌されるというので驚きです。人間も犬もハッピーになれるんですね!
セラピー犬と触れ合う際は必ず、犬の扱いや性質をきちんと勉強したアニマルセラピストが間に入り、ワンコの名前や性格などを教えてくれます。
アニマルセラピストには3つの種類があり、AAA(Animal Assisted Activity:動物介在活動)は高齢者などに犬と触れ合うことで元気になってもらう活動、AAE(Animal Assisted Education:動物介在教育)は子どもたちに犬と触れ合ってもらい命の大切さなどを教える活動、AAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)はドクターと組んでペットロスやうつ病の人を癒す療法に携わります。
人と犬との憩いの場所ではこの3つとも対応しており、保護者が同行してきた知的障がい者の方や、ドクターに犬とのふれ合いを勧められたうつ病の方、子どもに情操教育をしたい保護者、そのほかカップルがデートコースとしてこの施設を訪れるそうです。またアニマルセラピスト資格に興味を持つ人からの相談にも対応しています。
人と犬との憩いの場所は開設から4年弱。今まで3000人以上が訪れています。風間さんがセラピー犬と触れ合える場所を作ったのは、自身のペットロスが大きく関わっています。4頭の犬を飼っていた風間さんですが、1頭が亡くなってしまい、その悲しみを癒してくれたのも、また犬たちだったとのこと。
「不思議な話ですが、ペットロスと末期のがん患者の思考のプロセスは同じなんです。最初は『なんで私ががんに!?』『なんでこの子が死んじゃうの!?』という怒りから始まり、その後『自分は今までどうやって生きてきたのだろう』『この犬は私に何をしてくれたのだろう』と、疑問がわき反省し、最後には『今までありがとう』という感謝で終わるんです。今後は、ペットロスを発症したり、ペットロスが原因でうつ病を患ってしまった方のケアも、セラピー犬を通じてしていけたらと思います」(風間さん)
病気でなくても、生きていると誰だって落ち込むことはあります。そんなときは、ワンコたちと触れ合うと、再び前を向いて生きていけそうです。
(姫野ケイ)
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