主人公は“日商簿記勉強中の殺し屋少女” かわいい顔して淡々と標的を始末する漫画「バイオレンスアクション」ねとらぼレビュー

目標に銃を突き付けながらお勉強。「イカレてる……」「人をそういうふうに言うのはよくない!」

» 2017年03月10日 21時00分 公開
[コンタケねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 本日3月10日、「やわらかスピリッツ」(小学館)で連載中の漫画「バイオレンスアクション」(漫画:浅井蓮次 原作:沢田新)の単行本1巻が発売となります。殺し屋を営む1人の少女が淡々と、そしてひょうひょうと標的を始末していく物語で、同サイトのアクセス数1位となっています。




バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 「バイオレンスアクション」。右手にドリンク左手にスマホ……じゃなくて拳銃

 主人公の菊野 渓(きくのけい/以下「ケイ」)は、一見どこにでもいる普通の女の子。しかしその実態は、デリヘルを隠れみのにした凄腕の殺し屋だったのです。


バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 “仕事”中のケイ。こんな光景にも慣れた様子

 1話冒頭、ケイが瀕死(ひんし)の重傷を負った男の写真を撮影するシーンから話は始まります。依頼主からの要望で標的が“苦しんでいるところ”を撮影するためなのですが、

標的「チェキ撮ってんじゃねぇよ」
ケイ「えっ。苦しんでいるところを撮ってきてほしいって……。もうちょっといてーって風にしてほしい」
(中略)

標的「わかったよ。撮ったらもう……スパっと終わりにしてくれ」
ケイ「はい! もう少しこう……この世の終わりみたく。はい。そのままで」
パシャッ ジー……

 と、開幕から「おお、この女の子は頭にネジの代わりにナイフや銃弾が詰まってそうだな」と感じさせてくれます。


バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 瀕死の標的を撮影するケイ。明るく話しかけるところが逆に怖い

 「ケイ」は常時この調子で、

  • 数人殺害した後に家族への復讐(ふくしゅう)を果たした依頼主を笑顔で送り迎える
  • 追い詰めた標的をすぐ殺すわけにいかなくなったため目の前で勉強を始める(さらに気を紛らわそうと勉強を教えてくれた標的を「先生」と呼ぶ)
  • 自分にけがを追わせた暴力団の大男相手に「慣れました」と正面から接近して瞬殺

 などなど、“サクッとした殺し”がてんこ盛り。殺すことに対する意識の低さが異常で、標的が淡々と死んでいく様は爽快ながら恐怖を感じます。ああ、今日もまた標的が気付いたら死んでいる……。


バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 また気付いたら死んでる……

 そんな「ケイ」の日常は、一見至って普通の女の子。日商簿記検定2級の取得を目指して勉強し、学校帰りにラーメン屋に立ち寄り、家では友人と鍋パーティーをして過ごす。どこからどうみても普通の女の子。“仕事”中にすら勉強を始めたり、実はアジトになっているラーメン屋に銃や死体が転がったりしていなければ、ですが。


バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 “仕事”中に勉強を始めるところ(左)とアジトのラーメン屋を訪れたところ(右)。ケイの日常は常人の非日常である

 平和で普通な日常と、血に塗れた殺し屋の非日常。全く異なる生活を、全く同じような態度で過ごすギャップがあるんだかないんだかよく分からないケイの日々も、同作の魅力の1つかと思います。


バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 普通の学生らしい一面も

 そして同作には、もう1人ケイと同じくらいイカレたキャラが登場します。それがケイにほれてしまった普通の学生、渡辺君。


バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 初登場時は至って普通だった渡辺君。しかし不幸にも(?)イカレた素質を持っており……

 もともとケイに気があったようですが、いろいろあって殺し屋であることを知ってしまいます。大男を殺害するケイの姿を見た渡辺君は、その時思ったのです。

 ――好きだ……。


バイオレンスアクション やわらかスピリッツ 浅井蓮次 沢田新 なんでやねん

 そのままアジトのラーメン屋でバイトを始め、仲間に加わっててしまいます。小心者ながら、いい感じに根のイカレた男でした。今後何回も死にかけるんだろうなぁと優しい気持ちになりましたが、最終話まで死なないことを切に願いたくなるナイスキャラです。頑張れ、渡辺君。

 かわいいけれど、それ以上に怖い。まさに「バイオレンスアクション」に満ちた同作は、サクっと読んで爽快な気分になれる1作です。

(C)浅井蓮次・沢田 新/やわらかスピリッツ/小学館

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた