代指しロボ「電王手さん」が双腕に進化! 加藤一二三九段もやった両手指しを操るその名は「一二(いちに)さん」

2本の腕で駒の位置を把握し移動。器用に駒を持ち替えての「成り駒」も実現しています。

» 2017年03月17日 16時53分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 佐藤天彦叡王と人工知能「PONANZA」が対局する「第2期電王戦」に向けて、デンソーウェーブが新たな代指しロボットを開発しました。アームが2本となり、名前も従来機の「電王手さん」から「電王手一二(いちに)さん」に。おや、「一二さん」……将棋界的に見覚えのある字面ですが?


一二さん 「双腕」ッ! ズドーン!

 同社は従来機で、「成り駒」の際に特殊な機構で駒をひっくり返すよう設計していました。今回はロボットメーカーとしての原点に返り、特殊機構は爪の開閉に留め、アームの動きと機能だけで将棋を指せるようにしたそうです。

 実現のために2台の産業用ロボットアームを複合し、1台のロボットとして作動させる協調制御システムを開発。2本のアームを人間の両手のように同時に動かし、役割分担で駒の位置の把握や移動、成り駒を行います。


挙動 片方のアームが駒の位置を把握し、もう片方で駒を移動。斜めになったりズレて置かれたりしていても、先端のカメラが多方向から認識し、寸分の狂いなく着手します

成り駒 成り駒の際は、両手で器用に持ち替えて駒をひっくり返す

 しかし一般的に将棋は片手で指すもので、ロボットとはいえ両手指しはマナー的にアリなのか気になるところです。そこを日本将棋連盟会長の佐藤康光九段は、「まれに両手で指す人はいた」と説明。そのまれな例こそ、「ひふみん」の愛称で親しまれるレジェンド、加藤一二三九段なのでした。なるほど、ロボットのネーミングとつながってきた。


問題提起 ハッ、言われてみれば!

佐藤康光九段 前例があると語る佐藤康光九段。えっ誰誰?

ひふみん そうだ! この人がいたわ!

 本人いわく、加藤一二三九段はしばしば両手で指し、強く指すあまり飛車や将棋盤を割ったことすらあるとのこと。前例がこの人なら、問題はなさそうですね。新型ロボの名前が自分にあやかった「一二さん」になったと聞き、ひふみんも「もうそら結構ですね」と喜色満面でした。かわいい。


駒破壊 「飛車を割った」「盤を割った」伝説が明かされる

ご満悦 新型が「一二さん」と聞いてご満悦

 相手棋士に接近しすぎないようエリアセンサーを設置するほか、心理的負担を与えないよう動作時の加速度を調整するなど細かい改良も施され、「空気を読んだ所作」まで実現。「一二さん」が投入される第2期電王戦は、4月1日の第1局、5月20日の第2局の、二番勝負で行われます。


(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」