遺影を「お客さま」と呼んで隣の席に座らせてくれた航空会社の神対応
本当に2人旅をしているような気持ちに。
遺影と位牌を抱えて飛行機に搭乗した際、やはり“手荷物”として座席上部の共用収納棚か座席の下へ収納しなければいけないのでしょうか? 心情的に単なる手荷物として扱いたくない気持ちは分かります。
シンガーソングライターの櫻さんは、母親の遺影と位牌を持ってスターフライヤーの飛行機に搭乗した際、客室乗務員(CA)に事情を説明すると空いている席に遺影を“座らせて”もらい、一緒に旅をしているようでうれしかったと振り返ります。
櫻さんが投稿したブログによると、母親の七回忌で帰省する際の出来事で、遺影と位牌は袋に覆われていて外部から分からないようになっていたそうです。当然、手荷物として収納することをCAに促されましたが、袋の中身が遺影だと伝えたところ、お悔やみの言葉とともに「お客さまにも座席に座って景色をご覧になっていただいてはいかがでしょう? その際にシートベルトを袋にかけさせていただきますが、もしよろしければ隣でごゆっくりフライトをお楽しみください」と偶然空席だった隣の席を勧められました。
遺影を「お客さま」として扱い、隣の席に座らせてくれたことに感動し、「遺影にも位牌にもスカーフを巻いて袋に入れていたので気付くはずなんて無かった」のに、遺族の心情に寄り沿うCAの対応に「思わずジンとして涙がポロポロ溢れた」とつづっています。
途中、機内サービスの際も「隣のお客さまにも何かお飲み物いかがですか?」と声をかけるなど、「なんだか本当にお母さんと2人旅をしているような気持ちで、幸せなフライトになりました」と櫻さん。
各航空会社の手荷物の取り扱いは基本的に収納スペースに適切に収納できないものは貨物室に預かるか収納棚もしくは座席下への収納を呼び掛けています。
スターフライヤーの広報担当者によると、今回のCAの対応については、「通常のオペレーションではなく、個人の裁量による判断」なんだとか。同様の事例は過去に数件あり、遺影や位牌、遺骨などを機内に持ち込みたい場合、チェックインカウンターで知らせてもらったほうが、地上係員やCAが「より慎重にケアができる」とのこと。
ほかの航空会社に取材してみましたが、同じように現場の裁量で対応するとのことで、離着陸時であっても人道上の理由で(遺影などを)抱えてもらうなどして対応した事例があるそうです。とはいえ、あくまでも個別の対応となるため手荷物の取り扱いについてはCAの指示に従ったほうがよさそうです。
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