「マイティ・ソー」最新作の日本タイトルがTwitterで物議 原題“ラグナロク”が“バトルロイヤル”に

神々の戦いのイメージがプロレスっぽくなる、など批判が続出。

» 2017年05月10日 15時27分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 映画「マイティ・ソー」シリーズの最新作「THOR RAGNAROK」(読み:ソー ラグナロク)の邦題が「マイティ・ソー バトルロイヤル」に決定したことが、Twitterで「原作の世界観を崩す改悪例ではないか」と物議を醸しています。5月10日午前には一時、「ラグナロク」「バトルロイヤル」の2語がTwitterのトレンドワードに入る事態となりました。

マイティ・ソー ラグナロク バトルロイヤル 公開された日本版ビジュアル。邦題は「マイティ・ソー バトルロイヤル」に (C)Marvel Studios 2017

マイティ・ソー ラグナロク バトルロイヤル Yahoo!リアルタイム検索でも「ラグナロク」「バトルロイヤル」が上位に

 同作は11月3日に日米同時公開される、マーベル・スタジオの最新作。アメコミ「マイティ・ソー」の実写化作品「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」に続くシリーズ第3作目であり、「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」などあらゆるマーベル・コミックス作品を同一の世界観で扱う「マーベル・シネマティック・ユニバース[フェーズ 3]」の第5弾にあたります。

動画が取得できませんでした
日本版公式トレーラー

 アスガルド(神の世界)から追放されて地球で囚われの身になりながらも、ヒーローチーム「アベンジャーズ」の一員として戦ってきたマイティ・ソーが、地球を脱出するためにこの星のチャンピオンとの命がけの戦いに挑むストーリー。敵対するチャンピオンがアベンジャーズの仲間、ハルクであることが分かっており、4月に公開されたアメリカ版予告動画は1日の再生数がる1億3600万回を超えるなど話題となっています。

 5月10日に日本における公開日、日本版ティーザー予告、ビジュアル、そして邦題が発表されたのですが、原題「ラグナロク」が邦題では「バトルロイヤル」に。これが改悪ではないかという批判や、日本で広く観客を集めるのに適した改良だろうという賛同の声など、Twitterでさまざまな反応を引き起こしています。Yahoo!のTwitterの感情分析機能を見る限りでは、否定的:肯定的の割合は5:1と、否定派の方が圧倒的に多いようです。

マイティ・ソー ラグナロク バトルロイヤルマイティ・ソー ラグナロク バトルロイヤル Yahoo!の機能によると、否定的な反応が多いもよう

 ラグナロクとはそもそも北欧神話における“最終戦争”の名称。主神オーディンや巨人族ロキ、狼フェンリルなど各勢力の最高格が闘い、最終的に世界の滅亡を引き起こしてしまう戦争です。英語での原義は、Twilights Of The Gods(神々の黄昏)。

 「マイティ・ソー」はソーがオーディンの息子であったり、宿敵としてロキが登場したりと、北欧神話を下敷きにしている作品です。最新作におけるソーやハルク、ほか宿敵との戦いを「ラグナロク」に例えた原題「THOR RAGNAROK」は、シリーズの世界観にはぴったりのタイトルでした。

 一方でバトルロイヤルとは、複数の人数で戦い最後に残った1人を勝者とする戦い方のこと。一般的にはプロレスの試合形式の1つとして有名です。「マイティ・ソー バトルロイヤル」の宣伝部はプレスリリースで、邦題にバトルロイヤルを使った理由を「本作では、世界を終わりへ導く最強の敵と対峙したソーとソーを取り巻く登場人物たちが、敵味方関係なく、プライドを捨てて共に戦う様が描かれていることから、このタイトルに!」と説明しています。

 Twitterでは原作を知る人たちから、「『ラグナロク』だと神々の聖戦って感じするけど『バトルロイヤル』だと天下一武道会って感じがする」「神々の戦いが一気にプロレスになってしまうんだが」「島で北野武に集められるやつになってるじゃないですか」と、ソーたちの戦いの印象を変えてしまう改悪だと批判が続出。

 一方で、コアな映画ファンよりも“たまに映画館に足を運ぶ”ライト層に観てもらう方が結果的に映画文化の存続につながるという考えから、日本の配給側が洋画を分かりやすいタイトルに改題するのはよくあること。「映画界全体が盛り上がって興収が増えたほうが我々ファンにも色々とメリットは多いです」「日本でもラグナロクって名称は有名だけど『神話の世界の戦争』というところまで知ってる人はというとそこまででもないだろうし」と、理解を示す声もあがっています。

 それを踏まえた上で、「普通にラグナロクを和訳して『マイティ・ソー/神々の黄昏』にすればいいのに」「中途半端なサブタイにするくらいなら『マイティ・ソー /ハルクとソーのアッパレ!銀河大乱闘!』くらい、突き抜けて欲しかった」と、いい落とし所を見つけて欲しかったと残念がる意見も。全体的にネガティブな反応が多く、邦題の付け方の難しさ、同シリーズの人気の高さをあらためて浮き彫りにしています。

黒木貴啓


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/16/news016.jpg 結婚式で乾杯音頭をとる3歳息子、口癖になるほど練習して…… 大好きなおじのために頑張る姿が580万再生「天才!」「可愛い過ぎて涙出ました」
  2. /nl/articles/2404/15/news025.jpg 悪さばかりする猫に小型カメラを装着→映像を確認してみたら…… 衝撃の光景に「ヤバい最高」「こういうの見たかった」
  3. /nl/articles/2404/16/news014.jpg 築54年団地の狭いキッチン、洗った食器はどこに置く? プチプラ&すっきり片付くアイデアに「私の理想!」「そのセンスが欲しい」
  4. /nl/articles/2404/16/news015.jpg 8歳娘が描いた“志村けん”に「うますぎてびっっっっくり」「間違いなく天才」と絶賛の嵐 才能あふれるペンさばきが128万再生
  5. /nl/articles/2404/16/news006.jpg 元野良猫たちの家の庭に野良猫が現れた→ガラスを隔てた熱い攻防戦が…… それぞれの反応と予想外のオチに爆笑
  6. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  7. /nl/articles/2404/15/news156.jpg 豊田章男会長、マクドナルド「ハッピーセット」のおもちゃに大喜び→「天下のトヨタ会長がハッピーセットって」「ほんとお茶目で好き」と話題
  8. /nl/articles/2404/16/news033.jpg 小麦粉を変えてクッキーを作ってみたら…… 5種類の焼き比べが100万表示「こんなに変わるのねぇ〜〜〜」「みんな違ってみんな良い!」
  9. /nl/articles/2404/15/news132.jpg 「仮面ライダーゼロワン」出演俳優、脳梗塞の後遺症続き活動休止 「右半身の麻痺が回復せずこの度の決断に」
  10. /nl/articles/2404/03/news161.jpg 橋爪淳、大河ドラマ出演終了で「大腸に5センチ程のガン」公表 “病院嫌い”だったと明かし「命を繋いで頂きました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」