「To Heart2」とタマ姉という一時代を築いたヒロインの想い出インターネットを守る翼竜

タマ姉大好き!

» 2017年06月18日 09時00分 公開
[にゃるらねとらぼ]
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「To Heart」20周年

 先日、「To Heart」がめでたく20周年を迎えました。これを機にTLでも自分のブログでも散々初代「To Heart」の話をしてきたわけですが、今回はあえて「To Heart2」の想い出話を書いていきます。

 気付けば「インターネットを守る翼竜」というコラム名なのに一度もインターネットを守ろうとする記事を書いたことありませんね。というか毎回美少女ゲームの話しかしていません。これでは「美少女ゲームを守る翼竜」です。一気にオタクモンスターになってしまいました。それでも今回は大好きなタマ姉(向坂環)の話を好き勝手書いていきたいと思います。


「To Heart2」


 「To Heart2」(2004)も、もう後2年で15周年です。Leafを支えてきた期間で言えば、初代よりも長いです。それもほとんどタマ姉がメインです。同人誌界もフィギュア界も、その身1つで常に最前線を張ってきました。タマお姉ちゃんは本当にすごい。『BugBug』内での好きなキャラクターランキングでいまだ上位に居たりします。

 同人誌では当初はこのみやいいんちょもそれなりに見かけたのですが、年々タマ姉だらけになっていきました。後年では追加ヒロインのささらも触手などを相手に○○するようになり……やはり生き残るコツは巨乳なのでしょうか。

 何だかんだ僕も初めて「To Heart2」を手にしたあの日から、もう10年以上もイチファンとして買い支えてきています。あんなに大人しかったタカ坊が突然性豪になったFDや、次々展開されていくOVA、何を思ったか突然ハクスラになったダンジョントラベラーズ。ソーシャルゲームを全く遊ばない僕もプレイしたハートフルパーティ……。

画像 みつみ美里先生のイラスト(詳しくはブログへ

 「四艶少女画展」にて、みつみ美里先生が描き直したPS2版ジャケットイラストのこのみを見たときは、目頭が熱くなりました。あの豪華な箱を開けて最初に目にするのは、この桜の花びらに包まれたこのみですからね。みつみ美里先生にとっても思い入れがある1枚でしょう。


タマ姉という一時代を築いたヒロイン

画像 タマ姉こと向坂環(公式サイトより)

  満を持してタマ姉の話に移ります。こんなコラム読んでいるオタクには説明不要の大人気ヒロインですね。

 タマ姉はその強烈にえっちなビジュアルから、本編発売後に各メーカーから大量にフィギュアが製作されました。特にコトブキヤの「向坂環 -誘惑-」は売れに売れた一作です。やはりオタクたちは、どこまでいっても巨乳+水着という組み合わせから逃れられないのでしょうか。

 その増えに増えたタマ姉フィギュアは50作を優に超えています。全て集めるならざっと50万円は必要でしょう。今でも新たなタマ姉フィギュアが絶賛予約受付中です。その勢いは、このままだと全ての美少女フィギュアは「タマ姉・関羽雲長・そに子」の3人だけになるのでは……と危惧してしまう程。それだけすごいヒロインなのです。

画像 コトブキヤの大人気フィギュア(Amazonより)


 フィギュアや別作品とのコラボを通し、10年以上もその身1つで美少女ゲーム業界を生き抜いてきたタマ姉の背中のたくましさ。他ヒロインでは決して出せない貫禄が漂います。

 そんなタマ姉の魅力は原作だけにとどまらず、ソーシャルゲームでは定期的にタマ姉のイベントが開催され、OVAでも当然登場回数も多く、また格ゲーの方ではザンギエフ枠の投げキャラとして、「うたわれるもの 偽りの仮面」では次々と敵を切り捨てる侍として別世界でも暴れまわるほど。

タマ姉 ToHeart2 ダンジョントラベラーズ Vol1.「サイアクのサイヤク」(公式サイトより)

 中でもタマ姉の扱いで一番好きなのがOVAダンジョントラベラーズ。悪堕ちしてラスボスと化し、欲望のまま他ヒロインたちを陥れるも、ささらの攻撃に敗れ「あ〜たのしかった……」と悪の限りを尽くしたことを反省もせず満足気に光の粒となって消えていく姿は、どういった感情で見るのが正しいのか今でも分かりません。


タマ姉の想い出

 そんなタマ姉との出会いはPS2版の発売日。当時はまだ18禁ではありませんでしたので、それこそ実際にタマ姉より歳下のオタクも多数プレイしていたわけです。

 当然、タマ「姉」と呼ばれるだけあり、主人公であるタカ坊を弟として甘やかしたり守ってくれたりとお姉ちゃんキャラの魅力に、中高生たちはコントローラー片手にたじたじ。

 さらにタマ姉の魅力はその包容力だけでなく、強がっている裏では依存心の強い繊細な女の子部分。「ナイスバディなお姉ちゃんと甘々共依存」というシチュエーションは、思春期の男の子たちには完全な毒。実際にタマ姉を姉キャラの原体験として性的嗜好の1つになった方も少なくないはずです。

 もちろん、タマ姉以外にも魅力的なヒロインは多数いて、松本ドリル研究所のイメージの強い草壁さんや、初めは敬遠されがちな暴力系ヒロインながらシナリオの構成力で魅せ多くのオタクに気づいたら恋をさせていた由真、メイドロボ要素を前作から引き継いだイルファ姉妹……。



 そんな魅力的な彼女たちに囲まれた日々の想い出も薄れはじめ、すっかり成人男性として夢も希望も社会生活に摩耗されてきた頃、僕はギャンブル中毒のパチスロ通いになりました。主人公であるタカ坊なら決してありえない結末です。いや、あるルートでは廃人になったりはしますが。

 ある日、アパートの家賃もスロットへ突っ込んでヤケになり、財布に残った数千円もつぎ込んで全てを終わらせようと考えました。この辺りの破滅願望に近い感覚は、パチンコなどにハマってないと理解し難いと思われますので笑って流してください。

 そこで見つけたのが「To Heart2」の台。爆発的にヒットはしなかったものの、一部の人にはそこそこ遊べる萌え台として、それなりに愛されていた機種。といっても、この頃は導入されて大分時間がたっていたので、バラエティコーナーにぽつんと1台放置されている状態。まず設定が入っていることはないでしょう。


タマ姉 To Heart2のスロット(タイヨーエレックの資料より

 それでも、どうせ破滅するなら若き日の想い出を抱いて沈みたい。意を決して席に座った僕は1000円づつサンドへお金を投入します。

 次々と飲み込まれていく1枚20円のメダル。財布が軽くなる毎に増していく手汗……。そんな極限状態で、最後の1000円で粘っていたとき、台のランプがピカッと輝き「タマお姉ちゃんに任せなさい♪」というボイスが鳴り響きます。その後にボーナス確定。



 デートタイムはもちろんタマ姉を選択。ヒロインと一緒に楽しくデートを満喫しているだけでお金が増えるシステムは素晴らしいですね。無愛想なケンシロウの散歩を眺めるだけでお札が消えていく「北斗の拳」とは対極にあります。

 その日以来、すっかりタマ姉が大好きだった気持ちを取り戻した僕は、急いで「To Heart」のソシャゲをダウンロードし、ウェディング姿のURタマ姉を手に入れるため、アレやコレやと日夜奮闘することになるのでした。


オマケ

 いわゆる美少女ゲームではお決まりの親友役ですが、「To Heart2」で親友ポジションとして登場するのは、タマ姉の弟「雄二」。タマ姉が恋人兼弟のようなタカ坊相手とはまた違う、実弟に対する姉としての愛情やアイアンクローを受けるうらやましいキャラです。

 僕はそんな彼が他のヒロインたちより断然好きでして、ちゃんと他ヒロインとの会話シーンが多かったり、不自然に性欲がないキャラでもなく、その上タカ坊に対して気配りもできる良い男。

 OVAではヒロインを差し置いて自然と相合傘をしたり、ほとんど主役のような回が用意され、メイドロボと夢の様な日々を過ごしたりと、サブながら個性の強い良き親友枠です。

 元からメイドやアンドロイドなどの属性にも理解を示したり、コミカライズ版では百合までカバーしたりと、奥手なタカ坊の代わりに男の願望がつめ込まれている部分も感情移入しやすいですね。

 美少女ゲームでは、無条件でヒロインと大量に交流するわけですから、たまにこういった男の友情があると、不意にキュンキュンしますよね。もしかすると、僕はタマ姉よりも雄二のほうが好きなのでは……と、今回の記事を書きながら考えたりしたのでした。



にゃるら

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