死んだら温泉に転生しました 『異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる』お湯になった熱美くんの生活あのキャラに花束を

温泉には温泉の生き方がある。

» 2017年07月15日 19時00分 公開
[たまごまごねとらぼ]
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 現在は空前の異世界ものブーム。特に「転生物(こちらの世界で死んで、記憶を持ったまま異世界で復活する物語)」がとても熱い。人間への転生がベーシックですが、最近はクモとかスライムとか剣とか盾とか自販機とか、生き物どころか物になることすら。


異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる サブタイトルは「アンタの中が気持ちいいわけじゃないんですけどっ!?」ツンデレエルフ勇者やったぜ

 今回紹介したいのは、ライトノベル『異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる』シリーズの草津熱美(くさつ・あたみ)くん。彼が転生したのは温泉でした。


温泉としてレベルアップする人生

 16歳の熱美は、死んだ。その後目を覚ますと、自分が湯になっていたことに気付きます。岩の隙間からぴゅうぴゅう出ます。湧きました。

 当然動けない。たまたま冒険者のエルフの少女レティシアが見つけた上に、試しに入ってみてくれたからよかった。彼女がお湯に入ったことで、「温泉」としての経験値がたまります。


異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる エルフの少女、湧き出るお湯(熱美くん)に触れる

 経験値があがると、温泉施設が充実していきます。塀、看板、洗い場、スピーカー、番台、のれん、などなど。人が増えればその分、分かりやすく便利になっていく。

 温泉といえば「癒やし」。気持ちよさは当然として、この作品では回復作用とステータス上昇作用がどんどん追加されていきます。お湯に浸かればマナ(魔力)も回復し、状態異常が解け、能力が一時強化される。これが口コミで広がれば、冒険者は行き帰りに定期的に立ち寄ること間違い無し。モンハンの温泉の強化版みたいな感じなのかな。

 動けないヒーラーの物語だと考えると、分かりやすいと思います。自分から冒険者を救いにはいけないけど、来てもらえば癒やしてあげられるし、自分の経験値もたまる。効能も施設も充実する。大問題なのは、どうやって来てもらえばいいか。


異世界に温泉文化はない

 風呂や水浴びはあるとしても、「温泉に入る」という習慣がある国は、現実でもそこまで多くありません。熱美自体は元の世界の温泉施設を再現していきます。その文化に馴染んでもらわないといけない。

 最初にお湯に入ったレティシア、その後にやってきた神官クム、村長の少女チーチクの理解と協力を得ながら、いかにしてお金を払って温泉に入る習慣を定着させるか、考えるようになります。もっとも普段はしゃべれないので、コミュニケーション取るのがひたすらしんどそう。


異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる これから始まる温泉開発計画

 このラノベは2つのパートがあります。「温泉経営パート」と「異世界的な戦闘パート」。

 3人プラス熱美が「こんなに温泉は素晴らしい」というのを知らしめるため、いろいろな工夫をしていく温泉経営物語。2巻になると二号店も作られ、温泉併設の宿屋を建造します。温泉たまごのような名物になる食べ物や、遊技場(卓球とか)など、細かい気配りをしながら集客していきます。必須ともいえる、牛乳を冷やす冷蔵庫も登場。

 戦闘パートではさすがに温泉が自らどうこうはできない。でもちゃんと活躍します。このへんは物語の一番面白いところなので、読んでみてください。


異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる 番頭さんって仕事自体が当然この世界にないので、緊張しまくるレティシアさんかわいい

異文化のよさを伝える難しさ

 『テルマエ・ロマエ』ではローマ人ルシウスが、平たい顔(現代日本人)の浴場施設にとても感銘を受けていました。

 中世ヨーロッパ風のファンタジー世界だと、現代社会の衣食住を見た時のカルチャーショックは半端ではないはず。温泉も、巨万の富を払って買いたがる人いると思う。王様とかに知られたら、経済が揺らぐのでは。

 もちろん温泉は賑わってほしい。でも悪用するつもりはない。熱美とレティシアたちは、自分たちが広げた「温泉」を、とても大事にしています。

熱美「あの日、凍り付いていた俺の心を救ってくれた温泉みたいに、誰かの心を温めたかったのだ」

 なんてかっこいいんだ。お前は温泉の中の温泉だ。

 内容はとても健康的にエロス。主人公(温泉)もたまにはスケベ心起きますが、みんなのために一生懸命なので、読んでいて気持ちがいいです。

 なおこの作品コミカライズも始まっています。入浴シーンメインなので、主人公は無機物で地味だけれども、女の子たちが集まるとビジュアルは派手、というさじ加減が見事です。


※(C)Sou Nanaumi/KADOKAWA(MF文庫J刊) イラスト:庄名泉石


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