「プロゲーマーって引退したらどうするの?」 現役プロゲーマーにeスポーツの将来について聞いた(3/3 ページ)

» 2017年08月13日 13時00分 公開
[イッコウねとらぼ]
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ウメハラとときどを見て“本気でゲームをやっていいんだ”と思った

―― プロゲーマーになろうと思ったきっかけは何だったのですか?

ボンちゃん: もともとエンジョイ勢だったんですけど、目指し始めた一番の理由は面白そうな世界だなと感じたからです。僕がプロゲーマーになりたいと思い始めたころは、日本でプロゲーマーが5人くらいしかいなかったんですけど、その頃のときどが色んなタイトルのゲームをやっていて、ものすごい練習していたんですよ。それこそ12時間くらい平気で練習する。僕も“ゲームはただの遊び”ってイメージがあったんですけど、そういうときどの姿をみて“これは仕事だ”と思ったんです。しかもその頃はプロゲーマーだったウメハラさんとときどが結果を出していたので……この2人を見てからですね、“本気でゲームをやって良いんだ”と思ってプロゲーマーを目指すようになったのは。

―― ウメハラさんとは、もともと同じ職場(雀荘)で働いていたと伺っています。ウメハラさんはプロゲーマーのパイオニアと言っていい存在ですが、どう感じていますか?

ボンちゃん: プロゲーマーというくくりで見るなら、そりゃもうスゴい人ですよ。頭も上がらないし「ありがとうございます、ウメハラさん」っていう感じ。ただその世界から一歩出たら「テメェこの野郎!」って言えるくらいの関係です(笑)。プライベートだとお互い敬語でしゃべる訳でもないですし。

 あの人ってすごく自然体なんですよ。でも人間らしいだらしない部分もあって、いい人間だなと。やっぱね、上に立つ人間は聖人じゃなくていいんですよ、ちょっと抜けててくれないと。

―― これも気になってる人は多いと思うんですけど、プロゲーマーってモテるんですか?

ボンちゃん: んー……モテるんじゃないですか?

―― それはご自身の例で……?

ボンちゃん: そうですね……普通にモテると思います(笑)。別に女性ゲーマーにモテるというわけでもなく、むしろゲーマーと付き合ってるプロゲーマーの方が少ないくらい。というか、モテないプロゲーマーは1人しか知らないです、マゴさんだけ(笑)。

―― (マゴさんの話はさておき)プロゲーマーがモテるというのは、なんだか夢のある話で安心しました(笑)

ボンちゃん: 確かに、モテてくれてた方がゲーマーはうれしいですよね(笑)


みんなが賞金欲しさに最強キャラクターを使い始めたら、この業界は終わり

―― 今後プロゲーマーという存在はどうなっていくと思います?

ボンちゃん: 歩み方さえ間違えなければ、生活できる人は増えていくと思います。

―― その「歩み方」というのは?

ボンちゃん: 結局、どれだけ自分のプレイに魅力を出せるか、どれだけ自分の事を支持してもらうかなんですよ。結果だけを求めるプレイと、魅力のあるプレイって全然別なものだと思っていて、結果を出すのなんて……言ってしまえば“そんなもん出せんだろ”って話です。

 本当に結果“だけ”を求めるのなら、僕は最初から最強キャラを使いますよ。だけど、そんなことをやっていても自分のためにならない。僕はプロゲーマーになる前から色んな人から応援してもらっていたんですが、それはやっぱり(単に強かったというだけでなく)魅力のあるプレイをしていたからだと思ってます。

 今、表舞台で活躍している人たちは、みんなプレイに個性があるんですけど、もしプロゲーマーみんなが賞金欲しさに最強キャラを使うということになったら、もうこの業界は終わりだと思います。

―― では、今プロゲーマーの間では“結果だけを求めてはいけない”という良識があると。

ボンちゃん: 一部のプロゲーマーとはそういう話をします。プロゲーマー全員とそういう話をする訳じゃないですけど、きっとみんな「そうじゃないよね」と思っているはずです。


子どもが「夢はプロゲーマー」と言うようになったら最高

―― eスポーツ業界全体として“こうなったらいいな”という希望はありますか?

ボンちゃん: ゲームが認知されていって……それこそ小さい子が「夢はプロゲーマーです」って言うくらいになったら最高ですね。何を成功と言っていいか分からないですし、プロゲーマーだって上も下もいますけど、そういう子どもたちがプロゲーマーになったときに胸を張って「生活は余裕ですよ」って言えるくらいにはなって欲しいですね。

―― 今後、プロゲーマーとしての目標はありますか?

ボンちゃん: 今はゲームセンターにないゲームをやっているので、プレイヤー同士の交流のために全国各地を巡ってオフ会をやってるんですけど、これが思ってる以上に反響があるんです。みんな集まって対戦するっていうことを求めてるんだなと感じたので、これは今後も継続したいと思っています。

 後は……当たり前ですけど最前線に立ってプレイし続けることですかね。

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