ドラクエ11の「マジスロ」が面白すぎて世界が救えない件(2/2 ページ)

» 2017年08月17日 11時30分 公開
[たろちんねとらぼ]
前のページへ 1|2       

 現在のパチスロはギャンブルとしての規制がかなり厳しくなっていて、相当な制約がある。その規制とは一言でいうなら「勝てすぎても負けすぎてもダメ」というものだ。

 例えば約300枚のコインが出る大当たりを引いても、現実のパチスロではいきなり300枚ドバッと払い出されるわけではない。「ボーナスゲーム」で10数枚の小役を何度もそろえる「消化」の作業が必要になる。その消化の単調さを解消するために「大当たりじゃなく小役がそろいやすい状態ですよ」という疑似的な大当たりを作って、消化中にもゲーム性やワクワク感を持たせたのが「AT(アシストタイム)」「ART(アシストリプレイタイム)」といった仕様の機種なのだけど、詳しい説明はややこしいので割愛する(既にややこしい)。

 パチスロは規制の抜け道を探る中で画期的なゲーム性を生み出してきた、という背景がある。そこは「ギャンブル」としての宿命であり、現実で数百円分のコインがちまちま出続けてくると思えば至福の雑用にもなるのだけど、「ゲーム」として見たときには正直かったるいことも多い。

 だけどマジスロはパチスロではないのでそんな事情は無視できる。7がそろうとドカーンと数百枚のコインが出てくる。そしてすぐにリプレイがそろいやすい「ボーナスゲーム(パチスロ的にはリプレイタイム)」が始まり、連チャンをかけた次のボスと戦う仲間を集めたり、一撃数千枚の期待がある「しもふりチャンス」に夢を見たりとさまざまな可能性を楽しめる。パチスロ的に言うと「A+RTの上乗せ特化ゾーンあり(消化不要)」みたいな感じだけど別に覚えなくてよいです。

 つまり、マジスロはパチスロのストレスになる要素がきれいに削除された「理想の台」なのだ。唯一ストレスになるのは「当たらない」ということだけど、カジノにいるバニーのおねえさんに聞けばねらい目の台を教えてくれるので問題ない。現実でこんな店員がいたら当然大問題になるけどゲームなのでセーフだ。

 老婆心ながら付け加えると、現実にこんなに出る台はないので、「マジスロが面白かったから現実のパチスロを打ちに行こう」とは思わないほうがいい。普通に負けます。

「ゲームとしてのパチスロ」の完成形

 マジスロは恐ろしく挑戦的なゲームだ。普通のドラクエプレイヤーに「弱スイカ」と「強スイカ」の違いや「リプレイ外し」の意味はわからないと思う。だけどそうしたガチ要素をしっかり押さえた上でパチスロ初心者にも楽しめるゲームにしようとしている。ミニゲームの説明が5ページにも及び、それでも説明不足というところでその気合を感じてほしい。マジでマジックみたいなスロットなのだ。

 マジスロがスロ初体験という人が、いきなりそれぞれの出目の意味を理解して楽しむのは無理なので、まずはバトル中の「リプレイ外し」の目押しを楽しむのがいいと思う。スラりんたちと敵が戦う「チャレンジバトル」では、プラムなどの小役がそろうと味方の攻撃、リプレイがそろうと相手の攻撃になるというのが基本ルールだ。

マジスロ 目押しの技術力が試される「リプレイ外し」

 ただし、その一部は左リールにBARや7をねらって止めることでリプレイがそろうのを回避、つまり相手の攻撃を避けることができる。これが成功した時、ただの運ゲーだけではないスロットの自力感、俺TUEEEE感を味わうことができる。

 マジスロにはスラりんが冒険するという「物語」、打ち手の技術や知識の向上という「レベルアップ」、そして大当たりや連チャンという「クリア」のカタルシスがある。RPGの面白さとパチスロの面白さというのはそもそも相性がいい。ゲームに特化したスロットとして作られた「マジスロ」が面白いのは当然のことなのだ。

 そんなわけですっかり魔王を放置してしまった筆者は今、「カジノで過ぎ去りし時を求めて」大急ぎで本編を進めている。

たろちん

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」