「爪バッテン」はやっちゃダメ! 蚊に刺されたときの「かゆみ」対策を専門家に聞いてみた

秋口になってもまだまだ蚊の季節です。

» 2017年09月06日 11時00分 公開
[宮原れいねとらぼ]

蚊 かゆみ

 まだ蒸し暑さが残るこの時期に付いて回るのが、害虫「蚊」によるかゆみ。外出時に刺されないように虫除けスプレーや服装で対策しても、家の中に侵入してきては寝ている間を狙われたりと、どうしても被害にあってしまうという人も多いのではないでしょうか。

 そもそも、なぜ蚊に刺されるとかゆくなるのか、そして刺されたときの正しい対処法はどんなものがあるのか。基本的なことからよく聞くウワサまで、気になる疑問を「ムヒ」でおなじみの池田模範堂・研究所医薬情報グループの高橋亜貴子さんに伺いました。

今回お話を聞いた人

池田模範堂 研究所 医薬情報グループ 係長

高橋 亜貴子(たかはし あきこ)さん


蚊による「かゆみ」の原因は?

――なぜ蚊に刺されるとかゆくなるのでしょうか。

高橋さん:蚊は、血を吸う際に唾液を注入します。この蚊の唾液は、人間にとっては異物ですので、体内に入ると、異物を排除しようとする反応が起こります。これはアレルギー反応と呼ばれる人に本来備わっている防御反応で、症状としてはかゆみや赤み、腫れが起こります。

 つまり、蚊に刺されたときに起こる症状は、蚊の唾液によるアレルギー反応です。

 ちなみに、この蚊の唾液の成分には、人に気付かれないように、針の痛みを感じさせないようにする局所麻酔作用と、血を吸いやすくするために血を固める働きを一時的に抑える作用があります。

太っている人の方が狙われやすい?

――刺されやすい人のタイプというのはあるのでしょうか。また血液型によって刺されやすさが違ったりするのでしょうか。

高橋さん:蚊は、普段は花の蜜などを吸っていますが、メスの蚊が産卵のための栄養を蓄えるために吸血します。蚊は主に呼吸や汗に含まれる炭酸ガスを感知して寄ってきますので、新陳代謝の良い子どもや汗をかきやすい人、例えばスポーツ選手太っている人は蚊のターゲットになりやすいといえます。ほかにも体温の高い人、肌の柔らかい人、お酒を飲んでいる人も狙われます。


蚊 刺されやすい 特徴 蚊に刺されやすい人の例

 なお、血液型で刺されやすさが異なるという説もありますが、まだはっきりした根拠は出ていないようです。

――刺されやすい環境・状況はあるのでしょうか。

高橋さん:気温差における蚊の吸血活動を確認すると、気温が18度を超えると活動を開始し、20度を超えるとより活動が活発になってきます。

 また蚊の種類によっては、日中〜夕方に活動する蚊夜に活動する蚊がいますので注意が必要です。従って、まだ気温がそれほど上がっていない春先になり涼しくなっても安心せずに、日頃から虫よけ対策を心掛けることが必要です。

「爪で刺された所にバッテンを作る」のはアリ?


蚊 爪 バッテン みんな一度はやるバッテン

――刺されてしまったときに有効なかゆみを抑える対策としてはどういったものがあるのでしょうか。

高橋さん:刺されたら、まずは掻かずに、できるだけ早くかゆみ止め成分(抗ヒスタミン成分など)が配合されている虫刺され薬を塗ってください。また、赤みや腫れがひどい場合は、抗炎症成分(ステロイド成分など)が配合されているものを使うことも有効です。

 なお、薬が手元にないときは、水道水や氷で冷やすこともかゆみを和らげる効果があります。一方、温めることはさらに炎症がひどくなることがあるので、おすすめしておりません。

――よくある「爪で刺された所にバッテンを作る」のは効果があるのでしょうか。

 一時的に痛みの刺激を与えることで、かゆみを和らげる作用はありますが、掻くことと同じで症状がひどくなる可能性がありますので、おすすめしません。


 これから徐々に涼しくなっても、しばらくは油断のできない吸血被害。もし刺されてかゆみが止まらないときは、“バッテン”を作るのではなく、冷やしたり市販のお薬を塗ったりして対処するようにしましょう。

(宮原れい)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/01/news052.jpg ryuchellさん姉、母が亡くなったと報告 2024年春に病気発覚 「ママの向かった場所には世界一会いたかった人がいる」
  2. /nl/articles/2501/01/news048.jpg 「見間違いかと思った」 紅白歌合戦「ディズニー企画」で起きた“衝撃シーン”に騒然「笑った」「腹痛い」
  3. /nl/articles/2501/01/news004.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに……衝撃の経過報告に大反響 2024年に読まれた生き物記事トップ5
  4. /nl/articles/2501/01/news049.jpg 星野源がNHK紅白歌合戦で着用? 「1270万円ネックレス」に騒然 「家買える」「集中できなかった」
  5. /nl/articles/2501/01/news051.jpg 「衝撃すぎ」 NHK紅白歌合戦に41年ぶり出演のグループ→歌唱シーンに若年層から驚きの声 「てっきり……」
  6. /nl/articles/2412/13/news144.jpg 軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後……驚きの姿に大反響 2024年に読まれた猫ちゃん、ワンちゃん記事トップ5
  7. /nl/articles/2412/31/news072.jpg 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→“子どもの予定は?”への回答に再注目 「優しすぎ」「素敵すぎる!」
  8. /nl/articles/2501/01/news044.jpg 大谷翔平、“2500万円超の高級車”ショットに恍惚 「カッコよすぎる」「助手席に乗せて下さい」
  9. /nl/articles/2412/31/news047.jpg 知らない番号から電話→AIに応対させたら…… 通話相手も驚がくした最新技術に「ほんとこれ便利」「ちょっと可愛くて草」
  10. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  2. 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
  3. 「すごい漢字!」 YouTuberゆたぼん、運転免許証公開 「本名の漢字」に衝撃の声続々
  4. 「麻央さんにそっくり……」 市川團十郎の11歳息子・勸玄の成長ぶりに驚きの声 「大きくなってる!」「すでに貫禄がある」
  5. チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
  6. 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
  7. 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
  8. 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  9. 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  10. 「デコピンを抱き寄せたのはもしかして」 妻・真美子さん第1子妊娠発表で大谷翔平の発言と行動に再注目 「“もう帰る?”は気遣っていたのかも」
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」