経産省「電動大型ベビーカーは軽車両」に釈明 「発表に言葉足らずの部分あった」

どうして誤解が広まったのか、経緯をまとめました。

» 2017年09月15日 15時03分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 経産省が「大型の電動アシスト付きベビーカーは軽車両である」と発表した、という誤解が広まっている件について、9月14日に経産省は記者会見を開いて釈明した。発表で軽車両だと見解を示したのは、ある事業者から照会があった特定の製品のみについてだったが、「電動アシスト付きベビーカーや大型のベビーカー全般が対象となるような誤解を招く、言葉足らずの部分があった」と説明した。

ベビーカー 6人乗り 大型 電動 経産省 軽車両 路側帯 道路 誤解 大型の電動アシスト付きベビーカー(経産省「METI Journal」より)

 事の始まりは、7日に経産省公式サイトに掲載されたニュースリリース「電動アシスト付ベビーカーに関する道路交通法及び道路運送車両法の取扱いが明確になりました〜産業競争力強化法の『グレーゾーン解消制度』の活用〜」(現時点で修正無し)。


 国内事業者から、ある海外メーカーの6人乗り電動ベビーカーを輸入販売するにあたって道交法上問題はないか確認を求められ、回答を公表したもの。歩道を通行できる「小児用の車」の規定(高さ109センチ、幅70センチ、長さ120センチ以内)を上回るため、道交法上では「軽車両」に該当するとし、国交省と警視庁と検討した結果、当該ベビーカーを使うときは車道または路側帯を通行するよう求めた。

 なぜある事業者に向けた特定の製品についての回答をニュースリリースとして発表したのか疑問に思う人もいるだろう。経産省では、規制の範囲があいまいな分野でも新事業を安心して取り組めるよう、事業者が事前に規制対象になるか確認できる「グレーゾーン解消制度」を推奨している。今回の確認はこの制度を利用したもので、経産省としても実績を紹介する狙いがあった。

 しかしリリースを受け、12日に複数のメディアが「大型の電動ベビーカーは軽車両であり、車道を走行すべきと経産省が発表した」とする記事を掲載。ヤフーニュース個人でもある自動車評論家が「経産省、電動アシスト付き大型幼児車は『車道を通行すること』と発表」というタイトルの記事を出し、車幅70センチ以上の大型ベビーカーは全て歩道を移動すると道交法違反となると、経産省の見解を批判した(すでに記事は削除済み)。

ベビーカー 6人乗り 大型 電動 経産省 軽車両 路側帯 道路 誤解 ヤフーニュース個人「経産省、電動アシスト付き大型幼児車は『車道を通行すること』と発表」(削除済み、画像はInternet Archivesより

 ネットでは「電動ベビーカーで車道は危ない」「大型とはいえ歩くスピードなら歩道でもいいのでは」と発表に疑問を覚える声が続出。経産省にも再検討を求めるなど問い合わせが殺到したという。一方、リリースを熟読すれば特定のベビーカーについての発表であると分かることから、ネットでは「記者が勘違いしてるだけでは」「ほとんどの電動ベビーカーは大丈夫では」とメディアを非難する声もあがっていた。

 経産省は誤解を招いたことについて、「リリースで『当該電動アシスト付ベビーカー』と抽象的にではなく、もっと特定の製品についての見解であることを分かりやすく書くべきであった。言葉足らずだった」と釈明。現行法で電動ベビーカーは、「小児用の車」の規定や最高速度が時速6キロ以下といった基準を満たせば、歩道で利用できるという。手押しのベビーカーも大きさにかかわらず「歩行者」扱いになり、歩道で利用可能だ。

黒木貴啓


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」