生き延びた猫ちゃんに涙……! 絶望的な場所に落ちた子猫を9日間かけて助け出した両親の諦めない心に感動の声集まる
排水溝に落ちた1匹の子猫を救出するまでの試行錯誤。
今から4年前の2013年9月、1匹の子猫が道路脇の雨水溝からさらに奥の排水溝にまで落ちてしまう事故が発生しました。そのことに鳴き声で気付いた近くの一家が試行錯誤の末、9日間かけて無事に子猫を助け出した救出の記録がTwitterをきっかけに話題になっています。
子猫を救出したのは、ツイートしたりょう吉(@ryokichi77)さんの実家に住むご両親。最初に鳴き声に気付いたのは実家の息子さんで、その翌朝に消防署に助けを求めるも「道路を掘り返す事は出来ません」「猫は地下で住んでるんとちがいますか?」と言われ、撤退されてしまいます。そしてここから自力で助けるための日々が始まるのでした。
絶望しそうになる落ちた子猫の居場所
まず、インターネットで同じような事例を探して、その中からロープに重しを付けて子猫のいる底まで垂らす方法を試してみることに。箱形の雨水溝の側面にある丸い穴から入れ、固めのホースで水平に押していくと2メートルほどで下に落ちたことから、底に着くまでは1メートル30センチあることが分かりました。
そのことから、道路脇にある雨水溝から向かいの雨水溝まで管が伸びていて、その真ん中辺りで下に落ちて排水溝に続く「T字」型のその一番下に子猫が落ちてしまっていると推測。合計で約3メートル30センチという距離と構造に、そのときは「絶望的」になったといいます。
早速、シーツを半分の幅に切って一定間隔で結び目を作り、子猫がそれを頼りに登ってくるのを待つという方法を試すことに。しかし、1日たっても上がってこず、その先端に付けてたソーセージだけが食べられていたそうです。これを目にしたりょう吉さんのお母さんは「少しは生きながらえるかも」といくらかこころもち安心したそうですが、「真っ暗な管の中で流れる雨水にぬれながら生き延びても……」と、子猫の身を案じる思いは膨らんだといいます。
それでもそうしてエサを与えていた2〜3日後、疲れて眠っているとき以外は「ニャオニャオー」と鳴き続けていた地下の子猫の声が、ついに聞こえなくなります。
「助けられるかも?」と思い付いた案
試行錯誤する間に雨も降り、「流れ込んだ水によって弱ってしまったのかも、もしくは死んでしまったのかも……」とりょう吉さんのお母さんは心の中で謝りつつ、天国行きを祈ったといいます。しかし、事故発生から6日目の15時、自転車で出かけようとしていたりょう吉さんのお父さんが、例の子猫の鳴き声を耳にします。
家の中に飛び込んできたお父さんの「エサをやれ!」の一言で猫缶とソーセージを買いに走り、ロープで固定した2つを排水溝へ。上げたときにはきれいに食べられていたのを見て、お母さんは「生きようとしているんだと胸が熱くなりました」といいます。そして、お腹が空いていれば“何が何でも食べようとする”と知ったお父さんは、ひょっとしたら助けられるかもしれないと思ったそうです。
晴れた天気で飲み水がなくなっていることも考えてロープで水を少し入れたりしつつ、考え出したのは「ペットボトルに入ってくれたら、引き上げられるのではないか?」という案でした。
しかし子猫へと続く穴の直径は15.6センチ。進んでいった途中で下に曲がって通過できるか、子猫が入るための穴の位置・どれくらいの大きさがいいのか。そんな分からないことだらけの中、試作しては実際に何回も試してを繰り返していきます。
それでもペットボトルを改造した2作目の時点で、中のエサを食べるも毎回逃げられてしまい、また改造によってペットボトルが引き上げにくくなってしまうといった問題が発生します。試行錯誤の繰り返しに何度も諦めそうになりながらも、お父さんの「わしが 絶対たすけたる!」の思いは変わらず、ついに子猫が落ちてから9日目を迎えました。
試行錯誤の結果は万歳三唱
前日に何回も試すも最後は警戒してペットボトルの中に入らなくなってしまったため、日を移してから3作目となる試作機で再び挑戦。
ペットボトルの上部に穴を開け、底には最深部到着後にペットボトルが横になるように重しをセットし、エサは入口・真ん中・奥と3つ付けて、奥には鳴ったら引き上げるようにと鈴も一緒に付けることにしました。また引き上げ時の直角カーブをスムーズにしようと、上部のなだらかな部分を残しています。
雨水溝の穴に投入したら、子猫が中に入る音を確認。二呼吸置いてから引き上げると、「入ってる!!」とお父さん。見事にスッポリと入ったまま地上まで到着した子猫の姿に、うれしくて涙をぐっとこらえたお母さんも「バンザーイ!」と思わず万歳三唱したそうです。本当に良かった……!
助け出された子猫は「下半身はずぶぬれ」で「長いしっぽもべちゃべちゃ」だったそうですが、「今の季節だから助かったのかも」とお母さん。鳴き声だけで見たこともなかった子猫はまだ元気があり、その後お風呂できれいになって猫缶をあげるとそのままぐっすりと眠ったそうです。暗い中で必死に生き延びた猫ちゃん、諦めずに助け出したご両親にありがとう!
その後は動物病院で検査なども受けた子猫ちゃん。実家ではこれまで猫を飼っていなく、ご両親も飼うつもりはなかったそうで里親募集する予定だったとのことですが、そのまま実家で「ココ」という名前をもらって飼われることになりました。
ちなみに助けた翌日には、連絡を受けた猫好きのりょう吉さんが実家に行き、いろいろと猫についての知識を教えたとのことです。
またりょう吉さんのツイートによると、ココちゃんは救出直後から人に慣れていたといいいます。野良猫だったココちゃんは落ちてからその現場に人が近づくと警戒して鳴くのを止めていたそうですが、毎日お父さんの声とともにフードが降ってくることに気付いてからは助けを求めて鳴くようになったそうで、その経験が関係しているのかもとのことでした。
この救出までの記録は、お母さんがブログで報告しており、りょう吉さんがそれらをまとめたページを公開しました。そこではその翌年に再びご両親が助けることになった別の子猫「ナナ」の救出も記録されています。
今回、りょう吉さんがまとめたページをツイートすることで拡散され、「感動しました」「素晴らしい」「ありがとう!」と称賛の声が多く寄せられ、糸井重里さんや羽海野チカさんからも「なんだかお礼を言いたくなりました」とコメントが寄せられる反響となっています。
またこの内容を以前に読んだ人が同じような救出の「お手本にしていた」といった声もあり、実際に記録が役立っていたと伝える声も上がっています。
なお、大きくなって現在ものんびりと実家で暮らしているココちゃんの姿などは、同じくお母さんのブログや、りょう吉さんのツイートで見ることができます。他にも救出までの細かい状況や、その後行った対策なども書かれているので、気になる方は読んでみるといいでしょう。
画像提供:@ryokichi77さん
(宮原れい)
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