やしろあずきの調査―― コスプレの武器ってどう作られてるの? 「コスプレ造形師」のスタジオに潜入してみた!(3/4 ページ)
いざインタビュー! なぜ「コスプレ造形師」になったの?
「それでは軽くお話を聞いていきたいと思ます! まずねぎろぎさんはなぜ造形師になろうと思ったんですか?」
「実は僕はコスプレより造形のほうが先だったんですよね。中学生の頃に今僕がやっているような造形をメインに活動している人がいまして、その人の影響というか、その人に憧れて造形の世界に入ったんです」
「なるほど! その人とはイベントか何かで出会ったんですか?」
「いや、YouTubeです。YouTubeにその人が初心者でも作れるような造形の解説動画をアップしていて、それを見てやってみたい! と思って……」
「動画に刺激を受けたんですね」
「はい。こういうのって自分で作ることができるのか! って……で、まあ若気の至りというか、当時まだ中学生だったので何も考えずにその人に造形教えてください!! ってダイレクトに連絡したんですよね」
「ああーーーー! 中学生の頃ってそういうのある!! でもそういう若いパワーで突っ込んでいくのって重要ですよね!」
「そうなんですよね。今じゃできませんが(笑)。でも、それでメッセージのやりとりを重ねて、いろいろ疑問点などを聞きながら造形にチャレンジしていって……。そのおかげで大体の基礎は学ぶことができましたし、その人には今ではすごく仲良くしてもらってます!」
「おお、完全に造形の師匠って感じですね」
「まさに師匠です。その人がいなければ僕は造形師じゃなかったと思いますね。ガンガン突っ込んでいった、恥知らずな中学時代の僕を褒めてあげたいです」
「ホント、若い頃の勢いって必要ですよね。僕も中学時代、原宿で漆黒の王と呼ばれていた人に弟子入りしたおかげで、恥ずかしがらずレアな鎖を全身に巻き付けて登校できるようになりましたしね」
「それは間違った方向の師匠な気がする」
「わかってます」
仕事内容や1日のスケジュールって?
「というわけで、中学時代の師匠との出会いがキッカケで、絶賛造形師として活躍されているねぎろぎさんですが、今現在どういった感じでお仕事をされているんですか? イメージとしてはコスプレイヤーさんから依頼を受けて、それを納品して……って感じなんですが」
「ええと、もちろんレイヤーさんからの依頼もあるんですが、どちらかというと僕は今企業相手の造形仕事のほうが多いんですよね」
「企業相手……! もう完全にプロですね。活動し始めはコスプレ造形をメインにやっていて、だんだん企業などから依頼がくるようになったって流れですか?」
「そうですね。ただ舞台などで使う武器とか小道具の造形などの依頼が多く、中でも2.5次元系の舞台が多いので、やっていることはコスプレ造形の枠組みには入っていると思います」
「プロのコスプレ造形師だ……。企業相手のお仕事もされているのであれば結構スケジュール管理などが大変だとも思うんですが、1日のスケジュールとかってどうなってるんですか?」
「そうですね、平日だとまず学校が……」
「え? 学校?」
「あ、すいません僕学生なんですよね」
「対消滅した」
「が……学生なの!? 確かに若いとは思ってたけど……学生!?」
「はい、専門学校で立体系のプロダクトデザインを学んでます」
「プロ……何!? プロンテラ!? 日本語で話せ!!」
「怖ッ……学生に親でも殺されたのかなこの人……」
「いや……若いうちから自分の能力をしっかり磨いて成功への道を歩んでる若者を見ているとこう……芽を……今のうちにつぶしておかなければという気持ちに……」
「悪い大人だ……」
「……いやまあ冗談はさておき学生かぁ……。僕が学生の頃なんかうんこのこととかしか考えてなかったし、在学中からしっかり自分がやれることを見つけて更にそれを仕事にできてるって、本当にすごいと思います。
でも学業と両立して造形のお仕事をするって、かなり大変なんじゃ? 専門学校だと大学より自由は少なそうだし……」
「大変ですね! 大体学校から帰ってくるのが19時で、造形の仕事がある場合はそこから23時〜24時ぐらいまで仮眠をとってから朝まで作業することが多いです」
「若いからこそできる方法だ……! 作業するっていうのは、大体ここ(ラボ)を使ってるんですか?」
「いや、実家で作業することも多いです。ここほど大きくはないですが、一応自分の部屋の一角に作業場を作ってるので」
「なるほど! じゃあラボで作業するのは機材が必要だったり、めちゃくちゃ修羅場だったりするときとか?」
「そうですね。あとはイベントがある際、現場との距離とかで考えます。次の日ビッグサイトとかでコスプレイベントがある場合とかは、ラボで徹夜作業してそのまま向かったり……」
「そうか、完全に頭から抜けてたけど、ねぎろぎさん自身コスプレイヤーですもんね。自分の衣装も作るのか」
造形師になりたい人へ
「では最後なんですが、造形をやってみたいと思っている人、興味がある人って結構いると思うんですよね。特に男の子なんか武器大好きだし……ただ興味があってもどこから始めればいいかわからないって人が多そうで……。そういう人たちになにかメッセージがあればお願いします!」
「うーん……ありがちな話になっちゃうかもしれませんが、とにかく手を動かしてチャレンジしてほしいですね!
今はYouTubeやニコニコ動画などで造形動画も結構アップされてますし、そういうものを見ながらどんどん挑戦していけば自然と造形の基本スキルはついていくはずです。とにかく1回やってみないと感覚がつかめないと思うので、まずは作り始めることが重要だと思います!」
「なるほど……! ねぎろぎさんも動画を見てとにかく作ってみよう! と思ったのがキッカケですもんね。ちなみにねぎろぎさん自身は造形動画などアップはしないんですか?」
「あー……実はちょっと前、ニコニコ動画などにはアップしてたんですよね。だけど編集とかが面倒でやめちゃって……ただ、また再開しようかなぁとは考えてます!」
「おお! それなら今から造形をやってみるぞ! って人はねぎろぎさんの動画を見れば完璧かもしれませんね……!
ねぎろぎさん、今回は本当にお忙しい中ありがとうございます!!」
「こちらこそありがとうございます!」
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