どうやったら「シャドバ」「ハースストーン」のプロになれるのか? 新人プロゲーマーElsaの日常(1/2 ページ)

聞いてきました。

» 2017年10月22日 14時00分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 e-Sportsの盛り上がりと共に次々と「プロゲーマー」が誕生している昨今。トッププレイヤーが脚光を浴びやすくなった一方で、それ以外のプロ、例えば「新人プロゲーマー」の日常とはどんなものなのか、外側からだとなかなか分からない部分も多いです。

 新人プロゲーマーは日ごろどのように過ごしているのか? またプロゲーマーにはどうすればなれるのか? そんな素朴な疑問を、プロe-Sportsチーム「SCARZ」に所属し、オンライン・トレーディング・カードゲーム(OTCG)部門で活躍する新人プロゲーマー・Elsaさんに聞いてきました。

新人プロゲーマーの日常 Elsaさんはいかにして「シャドバ」「ハースストーン」のプロになったのか インタビューに応じてくれたElsa選手

Elsaさんの日常

Elsa:同じチームにsakoさんとか超有名プレイヤーもいるんですけど、僕のインタビューで大丈夫ですか?

――いつもスタープレイヤーにスポットが当たりがちなので、今回は新人プロゲーマーの日常を探りにきました。Elsaさんはどうやってプロゲーマーになられたんですか?

Elsa:プロになったのは大学を卒業して少ししてからなので、ちょうど1年ほど前です。「シャドウバース」のリリース※に合わせて、当時いろいろなプロゲーミングチームが選手の募集をかけていました。もともと「ハースストーン」でランキング上位にいたこともあって、ゲーム性が近い「シャドウバース」もリリース直後からプレイをしていました。やってみると「シャドウバース」でもランキング上位に食い込めたので、せっかくだからとSCARZに応募してみた、という流れですね。大会で大きな実績があってスカウトされて……という一般的なイメージとは少し違うかもしれません。

※「シャドウバース」は2016年6月にiOS/Android版が、その後8月にDMM版、10月にSteam版がリリースされた。「ハースストーン」は2015年10月に日本でサービス開始。

新人プロゲーマーの日常 Elsaさんはいかにして「シャドバ」「ハースストーン」のプロになったのか ハースストーンのプレイ画面。オンライン上で遊べるカードゲームとなっている(公式サイトより)
新人プロゲーマーの日常 Elsaさんはいかにして「シャドバ」「ハースストーン」のプロになったのか シャドウバースのプレイ画面。ハースストーンに近いゲーム性となっている(公式サイトより)

――新作だと大会がそもそも開かれてないですもんね。ランキング上位というと、大体どれくらいだったんですか。

Elsa:「シャドウバース」はスタートダッシュで一桁台まで行ったりと、上位を結構キープしてました。「ハースストーン」は日本でサービス開始になった頃からアメリカサーバ※でやっていて、順位は結構上下するんですが、最近だと調子が良いときで20位台くらいでしょうか。

※世界中に4つのサーバがあり、プレイヤーはゲーム開始時にアメリカ地域、ヨーロッパ地域、アジア地域、中国地域の中からプレイするサーバーを選択する。

――えーと、つまりプレイヤー人口が百万〜数千万人クラスのタイトルで、ランキング二桁台以上に入ればプロゲーマーになれるってことですね?

Elsa:ランキングには僕よりもすごい戦績の人がたくさんいるので、過去のカードゲーム歴やゲームに取り組む姿勢など、総合的判断してもらったのだと思います。でも前提として最低限の実力は必要でしょうね(笑)。

新人プロゲーマーの日常 Elsaさんはいかにして「シャドバ」「ハースストーン」のプロになったのか さらっと順位がすごいElsaさん

――いきなり「実力+アルファが必要」という当たり前すぎる結論が出てしまいました……。プロゲーマーの契約形態はどうなっているんですか。

Elsa:契約の詳細については答えられないのですが、基本的にはイベントや大会賞金が主な収入源です。プロゲーマーの契約形態は一律に定まっているわけではなくて、ゲームタイトルや選手によってさまざまのようです。

――ということは、普段は大会に向けた準備が重要になりますね。

Elsa:そうです。特に「ハースストーン」では普段のインターネットランキングの戦績が次の大会への参加につながってくるので、日ごろは「ハースストーン」に触れていることが多いです。

 「ハースストーン」では1カ月ごとにシーズンが区切られていて、そこで毎回ランキングがリセットされます。その終了時に何位にいたかでプレイヤーにポイントが割り振られ、大会で得たポイントと合わせて、春夏冬に開催される大きな大会への参加につながります。現状は日々の成績を上げて、アジア選手権に出ることが目標です。

――最近の目立った大会戦績はどういったものがありますか。

Elsa:最近だと「ハースストーン」の「ワイルドオープン」という大きな公式大会に出ました。サーバのランキング上位64位以内に入ると招待される、レベルの高い大会で、ぶっちゃけ結果は振るわなかったので、またリベンジしたいですね。

――「ハースストーン」も「シャドウバース」もカードゲームがベースですが、強い人が順当に勝てるものなのでしょうか。

Elsa:もちろん引きの強さといった運要素も醍醐味ですが、世界大会に残るような実力者はしっかり勝ってます。最終的には実力が反映される世界だと思いますよ。国内だとmattunさんやb787さんなどは世界規模の大会で好成績を残してます。

――世界レベルのプレイヤーがプロとしてチームに所属するのは一般的なことなんですか?

Elsa:現状あまりそうなってはいなくて、個人でやってる人が多いです。特に「ハースストーン」のプロゲーマーはそんなに数としていないはずです。

新人プロゲーマーの日常 Elsaさんはいかにして「シャドバ」「ハースストーン」のプロになったのか

――プロになるとメリットはあるのでしょうか。

Elsa:やはりスポンサーからの支援は大きいですよ。大会への移動費やデバイスが提供してもらえますから。配信もするので、配信サイトがスポンサーだったりすると配信周りでアドバイスやサポートがいただけたり。イベントがある際にはチームからもろもろの手配をいただけますし、やれることの幅は確実に広がりますね。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」