どうやったら「シャドバ」「ハースストーン」のプロになれるのか? 新人プロゲーマーElsaの日常(1/2 ページ)
聞いてきました。
e-Sportsの盛り上がりと共に次々と「プロゲーマー」が誕生している昨今。トッププレイヤーが脚光を浴びやすくなった一方で、それ以外のプロ、例えば「新人プロゲーマー」の日常とはどんなものなのか、外側からだとなかなか分からない部分も多いです。
新人プロゲーマーは日ごろどのように過ごしているのか? またプロゲーマーにはどうすればなれるのか? そんな素朴な疑問を、プロe-Sportsチーム「SCARZ」に所属し、オンライン・トレーディング・カードゲーム(OTCG)部門で活躍する新人プロゲーマー・Elsaさんに聞いてきました。
Elsaさんの日常
Elsa:同じチームにsakoさんとか超有名プレイヤーもいるんですけど、僕のインタビューで大丈夫ですか?
――いつもスタープレイヤーにスポットが当たりがちなので、今回は新人プロゲーマーの日常を探りにきました。Elsaさんはどうやってプロゲーマーになられたんですか?
Elsa:プロになったのは大学を卒業して少ししてからなので、ちょうど1年ほど前です。「シャドウバース」のリリース※に合わせて、当時いろいろなプロゲーミングチームが選手の募集をかけていました。もともと「ハースストーン」でランキング上位にいたこともあって、ゲーム性が近い「シャドウバース」もリリース直後からプレイをしていました。やってみると「シャドウバース」でもランキング上位に食い込めたので、せっかくだからとSCARZに応募してみた、という流れですね。大会で大きな実績があってスカウトされて……という一般的なイメージとは少し違うかもしれません。
※「シャドウバース」は2016年6月にiOS/Android版が、その後8月にDMM版、10月にSteam版がリリースされた。「ハースストーン」は2015年10月に日本でサービス開始。
――新作だと大会がそもそも開かれてないですもんね。ランキング上位というと、大体どれくらいだったんですか。
Elsa:「シャドウバース」はスタートダッシュで一桁台まで行ったりと、上位を結構キープしてました。「ハースストーン」は日本でサービス開始になった頃からアメリカサーバ※でやっていて、順位は結構上下するんですが、最近だと調子が良いときで20位台くらいでしょうか。
※世界中に4つのサーバがあり、プレイヤーはゲーム開始時にアメリカ地域、ヨーロッパ地域、アジア地域、中国地域の中からプレイするサーバーを選択する。
――えーと、つまりプレイヤー人口が百万〜数千万人クラスのタイトルで、ランキング二桁台以上に入ればプロゲーマーになれるってことですね?
Elsa:ランキングには僕よりもすごい戦績の人がたくさんいるので、過去のカードゲーム歴やゲームに取り組む姿勢など、総合的判断してもらったのだと思います。でも前提として最低限の実力は必要でしょうね(笑)。
――いきなり「実力+アルファが必要」という当たり前すぎる結論が出てしまいました……。プロゲーマーの契約形態はどうなっているんですか。
Elsa:契約の詳細については答えられないのですが、基本的にはイベントや大会賞金が主な収入源です。プロゲーマーの契約形態は一律に定まっているわけではなくて、ゲームタイトルや選手によってさまざまのようです。
――ということは、普段は大会に向けた準備が重要になりますね。
Elsa:そうです。特に「ハースストーン」では普段のインターネットランキングの戦績が次の大会への参加につながってくるので、日ごろは「ハースストーン」に触れていることが多いです。
「ハースストーン」では1カ月ごとにシーズンが区切られていて、そこで毎回ランキングがリセットされます。その終了時に何位にいたかでプレイヤーにポイントが割り振られ、大会で得たポイントと合わせて、春夏冬に開催される大きな大会への参加につながります。現状は日々の成績を上げて、アジア選手権に出ることが目標です。
――最近の目立った大会戦績はどういったものがありますか。
Elsa:最近だと「ハースストーン」の「ワイルドオープン」という大きな公式大会に出ました。サーバのランキング上位64位以内に入ると招待される、レベルの高い大会で、ぶっちゃけ結果は振るわなかったので、またリベンジしたいですね。
――「ハースストーン」も「シャドウバース」もカードゲームがベースですが、強い人が順当に勝てるものなのでしょうか。
Elsa:もちろん引きの強さといった運要素も醍醐味ですが、世界大会に残るような実力者はしっかり勝ってます。最終的には実力が反映される世界だと思いますよ。国内だとmattunさんやb787さんなどは世界規模の大会で好成績を残してます。
――世界レベルのプレイヤーがプロとしてチームに所属するのは一般的なことなんですか?
Elsa:現状あまりそうなってはいなくて、個人でやってる人が多いです。特に「ハースストーン」のプロゲーマーはそんなに数としていないはずです。
――プロになるとメリットはあるのでしょうか。
Elsa:やはりスポンサーからの支援は大きいですよ。大会への移動費やデバイスが提供してもらえますから。配信もするので、配信サイトがスポンサーだったりすると配信周りでアドバイスやサポートがいただけたり。イベントがある際にはチームからもろもろの手配をいただけますし、やれることの幅は確実に広がりますね。
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